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風の歌声

テヤン

Categoryピダム 『善徳女王』 1/12

  • SS桃色の季(とき)
    2012年03月02日 13

    「雨は嫌いだ」そう呟くとトンマンは唇を尖らせた。砂漠で育ったトンマンは水の貴重さを知っている。普段は雨は恵みの雨と言って降る度に喜んでいるのに今日だけは違った。(今日はピダムと野駆けに行こうと約束していたのに…どうしてそんな日に雨なんて降るんだ!)窓の外を覗いては恨めしそうに雨が落ちるのを一人見つめた。**日も昇らぬ内からピダムは厩で馬の世話をしていた。一週間ほど前に山の麓を通りがかった時、其処に群...

  • 2012年03月05日 -
  • SS私のピダム エピローグ
    2012年03月11日 3

    眉よりも細い月が今にも消え入りそうに凍える夜。 その凶報はもたらされた。 隣で眠っていたピダムはそっと起き上って上着を羽織ると廊下に出て使者の話に耳を傾けている。 何かが起こったのだ。 ピダムがアルチョンを始め、女官長らを呼んで何やら大声で指示を出しているのが聞こえる。 辺りがザワザワし始めた。 指示を出し終えたピダムが女官を従えて寝室に入って来るなり 「陛下。急いでお支度をなさって下さい」 と言い、再び...

  • SS春の河原
    2012年03月12日 -
  • SS私のピダム ある晴れた日に
    2012年03月14日 0

    「あーーっ、やっと終わった」トンマンは両手を上げて背伸びをした。数日前からの雑務がやっと終わったのだ。天気の善し悪しなど解らなくなる程に仕事に追われ、やっと周りを見渡すとカラリと晴れて爽やかな風さえ吹いているではないか。トンマンはゆっくりと椅子から立ち上がると庭に出た。侍女を従えて漫ろ歩いていると、咲いたばかりの白梅や芽ぶいたばかりの柳の小さな葉を見つけ、それらはトンマンの心を更に晴れ晴れとして行...

  • SS私のピダム  後朝の別れ
    2012年03月18日 0

    冬晴れの澄み渡った紺碧の空に雲が一つぽかりと浮かんでいる。遠い海原にいるであろう愛しい女に想いを馳せながら、ピダムは眩しげにそれを見上げると、戦の最中で有りながら自然と心は和み余裕さえも感じられる。自分は此処で何をしているのだろう。その疑問に答えは直ぐに返って来る。女王に従い、共に歩んで来た戦友であるユシンと戦う為とは…片方の口の端を上げてピダムは苦笑した。(ユシン、お前が陛下より伽耶を選ぶとは…)女...

  • 2012年03月20日 0

    あれはまだ女王に即位したばかりの春の一夜。満月が恐ろしい程に黄金色に輝いていた夜だった。今宵も当に満月。その黄金色の月に照らされながらそっと目を閉じると……月城の石垣を取り囲むように咲き乱れ、辺り一面を黄金色に染める菜の花たち…そこでピダムと一夜を過ごした思い出が鮮やかに蘇る。月城の桜が満開となり城では司量部令主催の花見の宴が盛大に催されていた。何時もは真面目な上将軍ユシンでさえも酒を飲んで酔った為...

  • 2012年03月23日 -
  • SS私のピダム 金のトゥリゲ
    2012年03月26日 2

    春の柔らかな日差しの中に絵から抜け出たように美しい女と男が立っている。緋色の衣を着た女王がその御身を預けるようにピダムに寄り添い、漆黒の衣を着たピダムは今にも女王をかき抱かんとしている。そんな仲睦まじい姿をひっそりと垣間見ている男が居た。黄金で出来た甲冑をその身に纏い、見事な髭を蓄えたその顔に決して動かぬ深い眼差しを湛え、人々から巌の大将軍。新羅の護り神と讃えられる上将軍キム・ユシンその人である。...

  • SSS私のピダム 夢と現の狭間で
    2012年03月30日 4

    今日は暖かい1日でしたね♪花粉も沢山飛んでました。誰かがどこかで必ずくしゃみをしてました(笑)更に管理人は昨日携帯からスマホに変えたばかりでまだ上手く操作が出来ません。目は痒いわ!SSは書けないわ!二重苦でした(爆)なのでSSSになってしまいましたが…皆様、どうぞこのお話は自分をトンマンに置き換えてお読み下さい。「母上…」ピダムに良く似た可愛らしい男の子が私をそう呼んだ。「お前は誰だ?名は何と言う?」そう問う...