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  •   02, 2012 23:40

雪を頂く山々を朝日が照らし朱鷺色に染める。

その一時の美しさを独り占めして、澄んだ空気を胸一杯に吸い込んだゴヌクは

朝一番の新雪を踏んでシュプールを描いて行く。

誰にも踏み荒らされていない新雪はテラの美しい乳房のようで、

エッジを動かす度にサラサラと音を立てて崩れていく。

その音を聞きながらゴヌクは昨晩の逢瀬を思い出していた。


迂濶にも花びらを残してしまった白銀の世界。

何も残さず幻のように過ぎ去るつもりだったのに、

テラを抱き締めた瞬間、彼女の温もりと愛情に呑み込まれて己を忘れた。

我に帰った時には彼女は腕の中で失神していた。

まだまだ自分は甘い、肌に残る印をつけてしまうとは。

彼女がそれを見つけたら夢の中の出来事ではなかったことに気づくだろうに。

気付いて欲しいのか、欲しくないのか自分の心を持て余したゴヌクは

その気持ちを吹き飛ばすようにスキーを軽快に操り、一気に山を滑り降りて行った。








朝、目が覚めると微かにゴヌクの香りがしたような気がした。

頭がぼっーとして…昨晩の出来事が夢であったのか、現実だったのか…確証が持てないテラであった。


「私ったら、あんなことを…」


思い出すだけで顔が赤くなる。

ゴヌクの優しい眼差し。

頬に触れる少しゴツゴツした指先。

鳥の羽のように軽やかで、マショマロよりも甘くて柔らかい口付け。

その全ての感覚を身体が覚えている。

しかもゴヌクに股がり、激しく彼を求めた自分。


「あれは夢?…あんなにも甘美で淫らな夢を見るなんて…疲れていたのかしら?」


テラはシャワーを浴びる為に浴室へ入っていった。

いつものようにパウダールームにある鏡に写る自分を見た時、胸に薄紅色の跡が幾つかあるのに気付いた。


「あっ…」


テラの鼓動はこれ以上はないと言うくらいに高鳴り、身体の芯が疼いた。


「夢じゃなかった…ゴヌクが…テソンが生きてた」


そう呟くテラの大きな目からは涙が溢れた。余りの衝撃に身体が小刻みに震えた。

立っているのが困難な程に歯と歯がぶつかりカチカチとした音がする。


テラは子どものように膝を抱えてその場に蹲った。



★続きます。


ブルーグレーの毛皮に身を包んだテラは街の大通りを歩いていた。

大通りと言ってもここは田舎街。

レンガ畳を敷いた道の両脇にはやはりレンガでできた小振りの建物が横一線に並んで

まるで童話の世界に迷いこんだようだ。

路地から妖精やら小人がフワリと顔を覗かしても不思議でない空気感がある。

いつも立ち寄る食堂兼雑貨店「月光亭」に足を踏み入れると昼食時ともあって、

中は人でごったがえしていた。

ワインとチーズを頼んでテーブル席へと足を向けると、その向こうにある高テーブルの周りで

ビールを立ち飲みしている長身の男たちに目が行った。

4、5人いる全員が190センチくらいはある男たち。

その中に一人だけ東洋人らしい男がいた。

端正な顔立ちが帽子とサングラスで殆ど隠れているがかなりのイケメンであることは見てとれる。

何より彼のもつエロティックな雰囲気が西洋人をも凌駕して…圧倒的な存在感を示していた。


「何をやってる人なのかしら?」


テラは興味深くその男を見詰めた。




ビールを飲み終えた男たちは席を離れ始めた。

テラの横を通り過ぎる瞬間、その男が何かを囁いた。


「…ラ……ナ…」


この声、この感じは…


「ゴヌク…ゴヌクなの?」


テラは震える声でそう言うなり男の腕を掴んだ。


男はサングラスを外して満面の笑顔で答えた。


「テラ…ヌナ…会いたかった」


そう言うゴヌクはテラを包み込むように抱き締めた。

テラは驚きのあまり固まっている。

声が出せない。


(ゴヌクが、テソンが生きてた…やっぱり幻じゃなかった…)


テラは胸に手を置いて、薄紅色の花びらに思いを馳せた。

愛しくて恋しくて…

毎日悶える程に欲したゴヌクの腕に抱かれた瞬間、

テラはユリカゴの中で眠る赤子のように幸せに彩られた。



★続きます。

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  •   17, 2012 01:58


「海の底も綺麗だけど…朝の冬山の静けさも好きなんだ」



昨晩のゴヌクのその言葉に誘われるようにテラは翌朝ゴンドラに乗っていた。

テラの目の前には真っ白なスキーウェアに身を包んだゴヌクが座っている。

ゴヌクは外の様子を見渡して…


「新雪でスキーがとられ易くなってるから無理はしないで、僕について来て」


「貴方は何でも出来るのね」


そう言ってテラが優しく微笑むと


「君だってアウトドアスポーツなんてやらなそうに見えるのに…結構お転婆なのは知ってるよ」


ゴヌクは笑いながらそう答えた。



やがて山頂に達すると二人はゴンドラから降りた。

凍てついた空気が肌に刺さった。


「今日は少し気温が低く過ぎて、静けさどころじゃないかもしれない。雪が凍って危ないからゆっくり行こう」


「貴方に着いて行くわ」


そうして二人は山を降りて行った。

途中難所が何回かあったがテラはゴヌクの支持通り慎重にスキーを滑らせた。

山の中腹まで来ると気温も大分上がり、ゲレンデ自体が広がった為二人はそこで休憩を取ることにした。



「綺麗ね!貴方の言った通り、朝一番は空気は美味しいし誰もいないから貸し切りね」


「はははっはっはっ」


カラッとした笑いを見せるゴヌクをテラは初めて見た。

いつも何処かに陰を湛えていた笑顔ではなく。

(背負っていた物を下ろすことが出来たのね。良かったわ。テソナ)


テラもすっかり気分が良くなって

「朝ご飯は殆ど食べられなかったからお腹が空いたわ。早く降りて何か食べましょう」


「OK。じゃあここからは競争だ!」


「良いわよ。私が勝ったら今日一日私とずっと一緒に居てくれる?」


「駄目だよ。それじゃ」


「何故?」


少しだけ眉間に皺を寄せたテラが振り向くと


「勝たなくとも、ずっと一緒にいるつもりだから」


「えっ……」


テラは暫しの沈黙の後に


「じゃあ、私が勝ったら…いっ……いて」


そう言うとテラはゴヌクを置いて先に出発した。


「ヌナ…なんだよ。先に出発するなんてズルいぞ」


テラの言いたかったことが何であるのかゴヌクには分かっていた。


(テラ、君が僕のところにやって来る限りずっと一緒にいる。

でも僕が君の居るあの場所へ戻ることは出来ない。死ぬまでずっと…)

ゴヌクはテラの後ろを追いかけるように滑り降りて行った。





★続きます。
今回はちょっと短かかったですね(^^ゞ
それにイチャイチャも全くありません(笑)
ゴヌク&テラはワンシーンしか頭に浮かばないことが多い管理人です。











テレビ東京で「善徳女王」が始まってから、すっかりピダムLOVEになって(まだ登場してないのに(((^_^;))しまい、ゴヌクが部屋の片隅で沈んでいたので…

今日は久しぶりに短いですが「赤と黒」の続きを書きました!

この次のお話は日本でデートの予定です。






ゴヌクと冬山で別れてからテラは仕事に没頭した。

ソウルにあるヘシン傘下のデパートの全面改装計画。

都会にいながらも森林の中にいるような安らぎを見い出せるように照明や壁紙、床板、空調などに工夫を凝らした。

ゴヌクと過ごした心満ち足りた冬山のイメージをふんだんに盛り込んで、カップルでも家族でも一日中、デパートにいても飽きずに過ごせるカフェやレストラン、アミューズメント、レストルーム等々さながらリゾート施設のようなデパートに生まれ変わった。

そしてリニューアル当日からデパートの売り上げは鰻登りで、今ではソウルの観光名所になる程だった。

仕事に忙殺されたテラはゴヌクに会えない寂しさを感じる間もなかった。

いや寧ろゴヌクと次に会える日を夢見て毎日邁進していた。



そんなある夜。

家に戻るとリビングのテーブルの上に小包が置かれていた。

スイスのゴヌクからソダムとテラに宛てた物だった。

テラは胸躍らせて包みを開いた。

近くにいたソダムがテラに声をかけて来た。


「お母さん、誰から?」


「スイスの天使のおじさんからよ」


「天使のおじさん♪」


ソダムは満面の笑顔で包みの中を覗き込む。


「あっ、熊さんだ!」


テラはソダムへ熊のぬいぐるみを手渡すと同封された手紙を読み始めた。





愛するテラへ

元気で過ごしてることと思う。

僕も変わりなくやっているよ。

山の仕事もそろそろ終わりだから…

君の顔を見に一度そちらへ行こうと思っている。


5月10日の午後到着予定。


ゴヌク




「えっ?こっちへ?……一生来ないって言ってたのに」


とクスっと笑いながらそう呟くとカレンダーに目を向けた。



「今日は8日だから…明後日ってことね」





仁川空港に降り立ったゴヌクは白いパーカーに洗いざらしのジーンズというラフな格好にサングラスで顔は殆ど隠れていたが…

ゴヌクとすれ違う女性は必ず振り返ってゴヌクを見た。

エロスの神の愛情を受けて生まれた輝きは隠そうとしても隠すことは出来ない。



ラベンダー色のカシュクールのブラウスを着たテラはVIPラウンジに座りジンジャーティーを飲みながら、ゴヌクが現れるのを待っている。






★☆★☆★

続きます。

実は管理人、携帯に幾つかSSを残したままになってました(^-^ゞ
スマホかPCで打ち直し(((^_^;) しないと…
少し時間を下さいm(__)m












GWも今日で終わりですね~

あっという間に過ぎて行きました。

管理人は運動&温泉(日帰り)、そして飲んで食べてばかりだったような(^-^ゞ



例えば隣にこんな人がいて




こういった美しい花や風景を一緒に見られたら




また違ったGWだったんだろうなぁー♪
なんて妄想は勝手に自由に出来るので(笑)

短いですが…久しぶりにゴヌク&テラを書いて見ました。

皆様もどうぞテラに自分を置き換えてSSSお読みになって見て下さい(^O^)





再び機上の人となったゴヌクの隣には晴れやかな表情のテラが座っていた。

広々としたファーストクラスに二人だけが座り・・・飛行機は滑走路を走り始めた。


シャンパンの注がれたグラスを傾けながら


「テラ、折角何年かぶりで故郷の地を踏んだのに何故こんなに早く僕をそこから引き離すの?」

悪戯っ子のような表情でゴヌクがそう言うと


「だって…貴方は目立ち過ぎるから。ふふっ…韓国にいたら直ぐにばれてしまうわ。そしたら自由に貴方と会えなくなってしまうから…だから…」

「だからって…ハハハッ…韓国滞在時間1時間か」

楽しそうに会話を交わす二人は何処から見ても普通の恋人同士にしか見えない。

二人は手を握り、頬を寄せあっては微笑みあい、久しぶりに再会した喜びを確かめ合った。


そして二人を乗せた飛行機は関西空港に降り立った。


「テラ、君が日本を好きだって何となく解っていたけど…本当に僕を連れて来るとは思わなかったよ」


「ああ、ごめんなさい。勝手に行き先も告げずに…でもきっと貴方にも気に入って貰えると思うわ」

済まなそうな顔をしながらテラがそう言った。

ゴヌクはそれに対して


「いや、全く怒ってないし。寧ろ君がどんな所を案内してくれるのか…胸がわくわくしているよ」

飛びきりの笑顔をテラに向けると


「もう、ゴヌクったら私をからかっているの!」

膨れっ面をしたテラの後ろを荷物を持ったゴヌクが追いかける。





***

車寄せまで来るとテラが手配した黒いクラウンが停まっていた。

運転手が荷物を詰め込むと車はゆっくりと動きだした。


「少し遅いかもしれないけれど京都に行って貴方と食べたい物があるの」


「京都か、一度行って見たいと思っていたんだ」


「良かった、貴方にそう言って貰って」


嵐山の近くまで来ると二人は車から降りた。

ゴヌクだけでも十分に目立つが、そこにすらりと伸びた手足にシフォンのブラウス、タイトなスカートを履いたテラは華を添えた。

長身の美しいカップルに道行く人々は二人を振り返る。

幾ら視線に晒されても異国と言うこともあり二人はリラックスしながら手を繋ぎ、渡月橋を渡った。


「この辺りは昔、恋に敗れた女人が庵に身を隠してひっそりと住んだと言われている処なの。赴きがあって来る度に違う情景が見られて…心が落ち着くわ」


ゴヌクは繋いでいた手を離してテラの肩をそっと包んだ。


「確かに雰囲気は君に合ってると思うけど。その女人と違って君は一生此処には住めないと思うよ」


テラはゴヌクの然り気無い愛の言葉に眸を輝かせてゴヌクに寄り添った。

竹林を漫ろ歩き、苔むした庵や名もなき石像を眺め、燃え立つ山々の緑は二人に安らぎを与えた。


「そろそろお昼にしましょう。だいぶ遅くなってしまったから、お腹空いたわよね?」


「うん。まあ、そうだけど。飛行機の中で少し摘まんだから大丈夫!」

手でVの字をしながらゴヌクが答えるとその手をペシッと軽く叩いてからテラが「こっちよ」と手で指し示している。


「すぐ其処だから早く行きましょう」

二人は笑いながら歩き出した。





☆続きます。

最後までお読み下さり、ありがとうございました(^з^)-☆

管理人、本日は剣客商売の為に出掛る予定です。

このSSSは予約投稿を使ってUPしました。

今は「善徳」モード全開の管理人なので、中々ゴヌク&テラが書けないでいます。

でも時々「赤と黒」のOSTを聴いて、そして時々スイッチが入ったりします(笑)

「赤と黒」のOSTは夕方に聞くのがベストかなぁと思います。

オニバスの花、あれを聴くとゴヌクの香り(実際はどんな香りかな?)に包まれ、ゴヌクの息遣いがすぐ側で聞こえてきそうで…とてもrelax出来ます(笑)

管理人の超お気に入りの一曲です(^^)d










皆様、こんばんは(^o^)/
今日で5月も終り、そして6月2日からは六本木でナムギル祭りが始まります。
だからという訳でもないですが(笑)
久しぶりにゴヌクを書くことが出来ました。
今までのSSSとは全く別設定なので…
場所はロッテワールドでもTDLでも皆様の知っている遊園地でゴヌクとデート♪
短いですが…宜しかったらお読みになって見て下さいm(__)m


BGMは 「 회상-回想」 「悪い男」ostより ←ポチっとすると音楽聞けます♪






夢を乗せて煌めくメリーゴーランドが廻る度に

貴女の屈託なく笑う顔が僕に近付いて…

そして手を振りながら「ゴヌク!」と言って…遠ざかって行く。

胸が弾む!

貴女の楽しそうな笑顔を見るだけで…

僕の心に蝋燭の揺らめき輝く焔のような温かくて柔らかい火がポッと灯る。

貴女が笑うだけで…

こんなにも僕の心が満たされる。

テラ…

君に愛されていると思うだけで…








音楽が止まり、貴女が小走りで僕の元に戻って来るのが見える。

もうすぐ僕の腕の中に戻ってくる貴女を僕は僕の翼で抱こう。

そしてそのまま、貴女を連れて遥か遠くのアルカディア(理想郷)へと飛んで行ってしまおうか…

心も体も魂さへもその光輝く世界で浄化されて…

哀しみからも苦しみからも逃れることが出来るだろう!

そんな世界がこの世の何処かに存在するなら僕は僕以外の全てから貴女を奪って飛んでいく。

アルカディアよ…

その地が何処に存在するのか…

誰か僕に教えてくれないだろうか…




「ゴヌク!お待たせ」

貴女の呼ぶ声で僕はこの世に魂を引き戻され、地に足を繋がれる。


「楽しかった?テラ」


「一緒に乗れば良かったのに」

そう言って優しく笑う貴女を僕はそっと引き寄せて、その清らかな眸を見詰めながら、こう答えた。


「一緒に乗るより、見ている方が君が良く見えるから…」


「もう、ゴヌクったら…変な所に拘るのね!」


貴女のすべらかで温かい体を抱き締める。

貴女の香りを胸一杯に吸い込んでは息を吐く。

ああっ、春を告げる早咲きの水仙にも似た甘やかな貴女の香り。

僕の男を刺激して止まないその香り。

テラ…愛しいテラ。


沢山の人が見ている中で僕は貴女に口付けを落とす。

貴女が愛し過ぎて…

貴女が今直ぐに欲しくて…

我慢が出来ないとでも言うような淫らで熱い口付けを贈った。

貴女は困りながらも僕の口付けを受け入れてくれる。

貴女の舌先を伝わって、貴女の優しさが僕の心に流込む…

舌と舌を絡めて貴女と僕の境界線を無くしてもまだ足りない。

だから早く帰って抱き合おう!

一糸纏わぬ裸になって…

貴女の香りで僕の体を包んで欲しい。

そうして貴女の香りに包まれた僕はこの世でやっと安らぎを得ることが出来る。

渡り鳥が小枝に泊まって翼を休めるように…

僕の翼を休める場所はテラ…

貴女という女、ただ一人。







「SSS貴女の香り」の対になるお話と言うか、テラの独白です♪
少し、いやらし表現があるので…大丈夫な方はお読みになって下さいm(__)m


BGMは 어디에 (Piano Ver.) 赤と黒ostより
(↑ポチっとすると音楽聞けます♪)





高層ビルから見下ろす景色に音を感じることはできない。

唯一、雨の帯が近付いた時に…

その存在が雨の香りと音を訴えかけてくれる。



初めて貴方の胸に抱かれたその日は土砂降りの雨が降っていた。

貴方は私が雨に濡れないようにと傘を差し出してくれたのに…

私は貴方が怖くて、貴方から逃げるように、その場を去ろうとした。

なのに…貴方は私を追いかけて来た。

天国に住まう魂が黒い羽をもつ堕天使に憧れて…

その門から外に出ようとするように…

私は貴方の拡げる黒い翼に抱かれた。

貴方の髪からは雨の匂いがして…

滴る雨の雫は…まるで泪のようで…

天国から追放された天使の泪にも思えた。







再び、貴方に抱かれたのはマスカレード(仮面舞踏会)の夜だった。

私はもはや貞淑な妻でもなく、キリストをその胸に抱くマリアでは無くなっていた。

このうえなく美しい堕天使のむせかえるような男の匂いは私を堕落させ…

私の中の女を呼び起こす…

偽りの仮面を脱ぎ捨てて、その感情の赴くままに行動せよと…

天使の誘惑なのか…はたまた悪魔の囁きなのか…

貴方の匂いは私の感覚を狂わせる。

貴方の淫らな唇と…その長くて美しい指に絡め取られて…

私の中の女が喜びで震えた。

もっと私を強く抱き締めて…

その熱くて執拗で滑らかな舌で私を乱れさせて…

ゴヌク…




雨が降る度に貴方を想い…

身悶える私は…二度と天国の門をくぐれない。




ビルの窓に雨の雫がかかり始めた。

ゴヌク…

貴方はどこにいるの?

会いたくて…会いたくて…

貴方を思って疼く体をもて余し…

一人窓辺に佇んで…

雨が行き去るのをぼんやりと見ている私がいる。



ゴヌク…

何処にいるの?








☆最後、書き換えました。

帰ってきて→何処にいるの?









こんばんは(^o^)/

既に月曜日になってますけど(*^^*)

ジェイン派の貴女に贈るSSS(短いです)をUPしようと思います♪

今回はジェインの独白となっております。

ジェイン派の方も、そうでない方も宜しかったらお読みになって下さいね~








人は皆迷える子羊のように…

都会の片隅で焔を燃やしながらも傷付き倒れ…

破れた心からは真っ赤な血ならぬ

真っ黒な後悔と言う名の毒を吐き出しながら…

生き続けているのかもしれない。





高く聳えるバベルの塔に登る…

その夢だけを信じて…

唯それだけを目指して生きてきた私はラプンツェルのように髪を長く伸ばして…

塔の入り口が開かれるチャンスを待ち続けていた。


そしてその機会は訪れた。

社会の頂点に君臨するヘシングループの息子ホン・テソン

この男の心を掴んで、塔の扉の鍵を手に入れる

私はその為なら虚構と嘘で塗り固められた世界にしか生きられなくても良い

そう思って貴方に近付いたのに…

貴方はテソンじゃなかった。




幻影の塔に登ることしか頭になかった私には貴方の優しさは伝わらず…

もう一人のテソンの心を掴むことが幸せへのパッセージだと思っていた。

見せかけだけの浅はかで愚かな女、それが私ムン・ジェインだった。

なのに…それなのに貴方は私をいつも励まし続けてくれた。





いつの間にか貴方に心を奪われていたとも知らず…

シム・ゴヌク

そう名乗った貴方が本物のテソンだと知った時…

貴方が親の敵と思って復讐を果たしたヘシンが本当の家族だと知った時…

私の中のバベルの塔は崩壊し…

ありのままの貴方がこの上もなく愛しい存在だと言うことに気付いた。



そうして私は貴方に最初の挨拶をする


「私はムン・ジェインと申します」


「貴方は?」


「ホン…テソンと言います」


「そう、初めまして。よろしくお願いします」







私は貴方にゆっくりと近付いて…

幼子のような眸をした貴方をそっと抱き締める。

もう離さない。

私の愛しい…私のゴヌク…

貴方の唇から伝わる優しさも哀しみも全てを分かち合って生きて行く





そう思ったのに…

貴方は突然いなくなってしまった。

硝子の仮面だけを残して…






ゴヌク…

今、何処にいるの?

貴方に会いたい。

会いたくて、会いたくて…

今度は貴方に会うことを夢見てる…








貴方の声が風に乗って聴こえた気がした。


「ジェイナ、元気にしてるか?今、幸せか?」









☆パッセージの意味は道・通過。



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