風の歌声

ピダム&男前を愛する管理人の萌えブログです♪

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SSS私のピダム 久遠の戀(くおんのこい)


皆様、おはよーございます(^-^)/

私は現在、ソウルにいます。

本日はナムギルの召集解除日。

それを記念して日本で書いて置きました!

「久遠の戀(くおんのこい)」

宜しかったらお読みになって下さいね~o(^o^)o








「なぁ、ピダム…お前は生まれ変わりを信じているか?」

突然女王がそう言った。
ピダムは目をパチパチさせて…


「陛下?如何されましたか?」


「私が言ってはおかしいか?」


「いいえ、おかしくはございませんが…陛下にしては珍しいお言葉かと…」

そう言ったピダムは下を向いて笑いを堪えているらしかった。


「ピダム、笑ってないで、私の質問に答えよ!お前は本当はどう思っているのだ?」


ピダムは手で口を押さえながら咳払いをすると、真面目な顔でこう言った。


「私は生まれ変わりは信じておりませんが…来世もそのまた来世も陛下と…こうしていたいです」


ピダムは女王に近付くと女王の背中に手を廻し、女王をそっと抱き締めた。


「ピダム…私もお前と…ぁっ」


その続きはピダムの唇によって紡ぐことが出来なかった。





***


「 徐羅伐で待っている 」

そう私を呼ぶ声に導かれ…この地へとやって来た。

何度も何度も繰り返し見た、あの悲しい夢の続きが知りたくて…

徐羅伐、今は慶州と呼ばれるこの地へ私はやって来てしまった。




ここはソウルと違って、空が青く、空気も澄んでいる。

日本で言ったら「京都・奈良」と同じ古の都。

屋根のない博物館と呼ばれる街。

仏国寺、天馬塚、雁鴨池、石窟庵…を見て廻る。

どこか懐かしい感じがして…

時折、爽やかな風が頬を撫でる度に、あの声が聴こえてくるような錯覚に陥るのだった。

夢の中の貴方は私の膝元に跪き、私から黄金の剣を受け取った後、私に向かって別れの挨拶をする。

私は王で、貴方は臣下であるらしい。

私は涙を流しながら、貴方に何かを訴えている。

貴方は私をこの上なく優しい眼差しで見詰めて…

そして魂を籠めた抱擁と唇で私を溶かす。


外は風花が舞うとても寒い夜…

貴方の名前も今はもう記憶の底に沈んで思い出すことも出来ない。

貴方は一体誰なの?




**

翌朝、私は月城と呼ばれる城跡を訪れた。

新羅の歴代の王が暮らした都城の跡「半月城」

半月型になるように石を積み上げて作ったことから、そう呼ばれている。

此処には朝鮮半島初の女帝善徳女王の時代に作られたチョムソンデもあった。

善徳女王の陵墓を観てから、女王に反抗し乱を起こした重臣が立て籠ったと伝えられている「明活山城」へと足を延ばそうとタクシーを捕まえた。


「アジョシ、明活山城まで行って下さい」


「ソンニム(お客さん)そこに行っても石垣だけしか残っていないよ!それよりテーマパークに行く方が楽しいと思うよ!」


「アジョシ、ありがとうございます。でも、どうしてもそこが見たいんです」


タクシーのおじさんは笑いながらこう言った。


「ハハハハッハ、不思議なこともあるもんだ。今日はアガシで二人目だよ、そこに行きたいって言ったお客さん!」


「えーっ、そうなんですか?私の他にも。それは女の方ですか?男の方ですか?」


「気になりますか?」


「はい、少しだけ」


タクシーは明活山城の史跡に着いた。
暫く、その辺りをぶらぶらしていると背の高い男性が向こうから歩いてくるのが見えた。
近くまで来ると、かなりのイケメンであることが解った。
すれ違い様に彼が突然話掛けてきた。


「韓国語、解りますか?」

どうやら私が日本人だと解ったらしい。


「はい、少しだけ」


そう答えるとその男性はにっこり微笑みながら、ゆっくりと話出した。


「僕のことを覚えていませんか?」


「えっ」と私が不思議そうな顔をすると


「やはり、貴女は記憶を無くしてしまったのですね?僕がピダムです。と言っても解りませんか?」


「ピダム…ピダム…ピダム…」


私は何度もその名を口にした。





***

周りの景色がどんどんと遠退き、そこにいるイケメンの装束が変わり…
そして自分も緋色のとても重厚で華麗な衣を羽織り、その場にいた。


「陛下、お別れです」


「…」


私は何も言えずに、ただ涙を溜めて目の前の男を見続けている。

そして暫くすると涙が頬を伝わり、思わずこう口にした。


「嫌だ、嫌だ。お前と別れるくらいなら此処でお前と共に死にたい。ピダム…」


(ピダム…その名は。私が愛して止まない男の名。この世の全てと引き換えにしても良いほどに愛した男。私のピダム…)


遥か悠久の記憶が甦る。

目からは涙が止めどもなく溢れ…

手足は小刻みに震えている。

そうだ。私は此処でこの男に守られて生きていた。

では、夢の中で私を呼んでいたのはピダムだったのか?

そして先程出逢ったばかりの男がピダムの生まれ変わりだと言うことなのか?

本当にあのピダムが…


私は瞼を何度か瞑り、そして開き…

この幻影の世界から元の世界への扉を開ける為に抗った。

確かめたい。
出逢ったばかりの男が私のピダムなのか。




目が開くとそこは明活山城の史跡に戻っていた。


「陛下、いやトンマン、僕の名前…」

私は思わず、その名を呼んでいた。


「ピダム…本当にピダムなのか?」


イケメンは白い歯を見せて微笑むとこう答えた。


「はい、陛下。ピダムです!」


「ピダム…」


私は初めて逢ったそのイケメンを抱き締めていた。
イケメンは驚きながらも嬉しそうな顔で私を抱き締め返してくれた。


「トンマン、やっと出逢えた。もう離しません」




懐かしさで心が震える。

私のピダム…

俺のトンマン…

また、一から始められる。

今生では決して別れることがないように…

貴女(貴方)を信じて…




「あっ、僕の名前はキム・ナムギルと言います。俳優を目指しています」


「私は日向真珠と言います。日本人です」


そうして初めての挨拶をした二人は海を越えて、遥かな時を越えて…初めての一歩を踏み出した。









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