風の歌声

ピダム&男前を愛する管理人の萌えブログです♪

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拍手1500打記念リクエスト SS私のピダム 月光





皆さーん、こんばんは~(^-^)/

テヤンは今、長野県のとある温泉に来ています!

流石、長野(*^^*)とても涼しいです♪

こう言う処に来ると『命の洗濯』が出来…寿命が少し延びるような…

でも、既にテヤンは酔っ払って…極楽浄土におります(笑)


待ち人Mさんからのリクエスト…凄い悩んだ末に…『SS私のピダム 香り高きその名は』の続きにチャレンジ致しました~~(^^;)))

待ち人Mさんのお気持ちに答えられると良いのですが…

宜しかったら、続きをぽちっとしてお読みになって下さいね~~(^o^)










法隆寺の伽藍をトンマンが後にしたのは日が大分暮れかかり…
辺りが茜色に染まるほんの少し前だった。


サンタクがその日の宿にトンマンを案内しようと寺院の門を出ようとしたところ、往来の人混みの中に一人の若者が世話役の老人を伴って歩いているのが見えた。






髪を二つに束ね、背がすらりと高く、見目麗しいその姿は狂おしいまでに愛しいあの男の面影に似て…トンマンは一目でその若者に魅いられた。

若者の姿を目でずっと追い続けて…
後ろ姿が見えなくなる頃に…思わずその名を口にした。


「ピダ、ム…」


サンタクはぎょっとしてトンマンを見た。


「奥方さま?」


トンマンは知らずに若者を追いかけようと歩き出した。
だが、若者の足は早く…その内に見失ってしまった。


「ピダム…」


トンマンはそれがピダムでないことを重々承知していたが…何故か、追わずにはいられず…
サンタクが心配そうな顔をしてトンマンに近付くと

「すまない、サンタク。追わずには居られなかった…」

とそうポツリと言った。


「奥方さま。もう、そろそろ日も暮れます。早くお宿に参りましょう」


「…」


トンマンの落胆した姿があまりに辛そうに思えたサンタクが


「奥方さま、あの若者が気になるのでしたら、明日また此方へ参りましょう!それと私が何処の誰なのか調べて参ります。ですから、さあ、参りましょう」


トンマンはこくんと頷くとサンタクの言葉に従った。





**


往来を左に曲がって人影が疎らになると…若者が後ろに従う老人に話掛けた。


「なぁ、じい…私の顔に何か付いているか?」


老人は不思議そうな顔をしながら


「いいえ、若さま。何も付いてはおりませんよ!如何されましたか?」


若者はにっこり笑いながら、こう言った。


「ああっ、先ほど法隆寺の表門を通り過ぎる時に、私の顔を穴が開きそうなくらいにじっと見ていた美しい女人がいたのだ!」


「女人と申しますと、若い娘でございますか?」


若者は首を左右に振りながら


「いいや、臈長(ろうた)けた女人だったが…何と言うかあまりに神々しくて…美しい方だった」


「若が女人に興味を持たれるとは…じいはびっくりいたしました。それほどに美しい女人なら、このじいも会って見たくなりましたぞ!」


「はははははっ、じいも隅に置けないな!」


「若さまこそ」


二人は談笑しながら目的地である薬房へ到着した。
店の主人が奥から出て来て、にこにこしながら挨拶をしてきた。


「おや、若さま。今日はどんな御用向きで…」


「いつも世話になるな。実はばあやの風邪が中々治らないから…少し違う処方をして見ようと思ってやって来たのだ!」


主人は幾分驚いた顔をして


「あの、いつもの若さま特製の煎じ薬も効きませなんだか…」


「今度の風邪はいつもとちと違うようなのだ。葛根を少し多目に入れて見ようと思う。主人、葛根は沢山あるのか?」


主人は何度か頷きながら、葛根の入った袋を店の棚から下ろし、こう言った。


「葛根なら沢山ございます。今お包みしますのでお待ちになって下さいまし」


若者は和紙に包まれた葛根を手にすると家路に着いた。




そして数日の後…

若者の看病虚しく、ばあやと呼ばれる老婦人はそのまま息を引き取ってしまった。

泪を流して悲しむ若者にじいと呼ばれる老婦人の夫が折り入って話があると、老婦人の遺体の側でこんな話を始めた。
老人は神妙な面持ちで語り出した。

「今まで若さまには何一つお話しては参りませなんだが…実は、若さまはこの倭国のお生まれではございません」


若者は頷きながら


「ああっ、それは薄々気付いていた。昔、市場で私のことを噂する者の話を偶然耳にしたことがあるんだ。私がどこぞの王族の末裔だとも…」


「ご存知だったのですか?」


「うん」


「それでは話が早うございます。若さまは新羅の先帝善徳王と上大等ピダム様との間に生まれたお子なのです」


若者は流石に驚いて言葉を失った。


「…えっ…」


老人は懐から錦の袋を出して若者に差し出した。


「ここにその証拠が…ピダム様からお預かりした貴方さまのお名前とトゥリゲと呼ばれる物が入っております。どうぞご覧になって下さい」


若者が錦の袋から『霪』と書かれた紙と金のトゥリゲを大事そうに取り出した。


「じい、私の本当の名は『霪(ウム)』と言うのか?だから、私に彼方の言葉を習わせ、剣術や医術も習わせ…厳しく私に接してくれたのだな」


「はい、若さま。それがピダム様のお望みでしたので…」


ウムは金と翡翠で出来たトゥリゲを左耳につけてから、こんな質問をした。


「じい、それでピダム…いや、私の父上は生きて居られるのか?」


「実はその…年が変わるか変わらないかの辺りに…彼方で政変があったようで…ピダム様はその時亡くなられたと聞いております。ピダム様からの便りも来なくなりましたから…」


老人の顔が曇ったのを見て、ウムは父が死んだことを理解した。


「では母である善徳王はどうなったか、知っているのか?」


「色々噂はあるのですが…新羅から来た者によるとどうやら倭国に逃れて来たのではないかと…そう聞いております」


「では私の母はこの倭国にいると?」


「はい、確かでは御座いませんが…」


ウムの脳裏には夢にまで見た母の姿が幻のように浮かんでいた。

母上…生きておられるのですね?

お会いしとうございます。
私には、じいとばあやが側に居て寂しくはありませんでしたが…それでも私を産んで下さった母上…貴女にお会いしたいという想いは物心ついてから、ずっとこの胸の奥にありました。

父上が亡くなった今、母上がどんなに悲しんでおられるか…
私が母上のお側にいってお慰め出来れば良いのですが…
ああっ、母上…どこに居られるですか?





***


話は少し前に戻る。

トンマンが若者の姿を見た翌日…

あの乱からの逃亡劇や斑鳩までの旅の疲れが出た為か、トンマンは宿の床で伏せっていた。
咳がこんこんと出て、熱も高い。
どうやら風邪を引いたらしい。

サンタクはそんなトンマンを薬師に見せようと、薬師を探しに市場に来ていた。

市場の中ほどにある薬房で教えられた薬師の家を訪れたサンタクは開け放たれた門の前で声を掛けた。


「もし、すみません。何方かいらっしゃいますか?」


すると中から昨日往来で見かけた若者が顔を出した。


「何か、ご用ですか?」


「はい、此方に薬師さまがいらっしゃると聞いてお伺い致しました。薬師さまはご在宅でしょうか?」


若者は口の端を片方だけ上げて笑うと


「私がその薬師です」


と答えた。サンタクはその若い薬師の笑い方が何処と無くピダムに似ていると思ったがそれは口に出さずに要件だけを伝えた。


「実は…私がお仕えしている奥方さまが風邪をひいて宿で伏せっております。ご足労ですが…見ては頂けないものかと…」


薬師は困ったという顔をしながら

「生憎、此方にも目の離せない重病人がおりまして…私はここを離れることが出来ません。もし宜しければ薬をお持ちになり飲ませて見ては如何でしょう。それでも下がらなければ明日またお越し下さい」


サンタクは残念そうな顔をしつつも礼を述べた。


「はい、ありがとうございます。では薬だけでも頂けると助かります」


そうして、若い薬師から薬の袋を受けとると宿へと急いだ。





翌朝になると…煎じ薬を飲んだトンマンの熱は少しずつ下がっていった。

熱が下がると同時に憑き物が落ちたように、ピダムに似た若者のこともすっかり忘れ去ったトンマンは一切その話をしなくなった。

変わりに…
法隆寺への参拝の日々が始まった。
トンマンは来る日も来る日もあの菩薩像に手を合わせるのを日課として…斑鳩を離れようとしなかった。

そうこうする内に一月が過ぎようとしていた。

食事を取ることも眠ることも忘れて、菩薩像に祈りを捧げるトンマンは鬼幽のように痩せ細り、魂が抜け落ちたように他の物を一切見ようとはしなかった。

サンタクはあまりのトンマンの変貌ぶりが心配になり、再びあの若い薬師を訪れたのだった。




**


「あの、すみません。薬師さまはいらっしゃいますか?」

使用人らしい老人がサンタクの応対に出て来て


「若さまのことでしょうか?今、お呼びして参ります」

と後ろを向いたところに、扉を開けて薬師が庭に出てきた。


「ああっ、ウムさま。良いところにいらっしゃいました」


「ああっ、じい。お客さまか?」


サンタクは老人が薬師を『霪』と呼んだのを聞き逃さなかった。


「あの、今、ウム様とおっしゃいましたか?」


サンタクは遠い昔のピダムの言葉を思い出した。


『霪の続く夜に生まれたから「ウム」とした。私がピダムで「曇」だから、その子はウム「雨」中々良いと思わないか?』


あの片方の口の端を上げて笑う仕草といい、この薬師はあの時の赤子『霪』であるとサンタクは確信した。

そして薬師に向かって


「あの…もし…新羅の、ピダムと言う方をご存知ではありませんか?善徳王というお名は?」


「ああっ…最近偶然知ったが…それがどうしたのだ?」


サンタクは祈るような気持ちで薬師にこう言った。

「貴方がウム様ならば、お願いです。奥方さまを…いえ、陛下を見舞って貰えませんでしょうか?陛下は生きる気力を無くしておられます」


ウムは驚きを隠せなかった。


「陛下?そなたは善徳王に仕えているのか?」


サンタクは頭(かぶり)をブンブンと縦に振った。


「つまりは善徳王である私の母が宿で伏せっている、と言うのか?」


「はい、善徳王を…母上さまをご存知なんですね?陛下をどうか、どうかお救い下さい。ウム様、お願いです」





***


宿の離れで…

まだ春浅い夜空に浮かぶ満月をトンマンは一人見上げていた。

綺麗だ…丸くて…明るくて…
見ているだけで心が温かくなるような…

今宵の月を見ているとお前に包まれているようだ。
ピダム…お前がここに居てくれたら…


トンマンは胸に下げた錦の袋から金のトゥリゲをそっと取り出すと右の耳につけてみた。
そしてほんの少しだけ頭を振って…トゥリゲがシャラリと鳴る音を聴いてみた。

ああっ、懐かしい…
懐かしくて恋しくて…
お前に会いたい。
会いたくて会いたくて堪らない。

月の光を浴びたトンマンは今にも消え入りそうなくらいに儚い様相だった。

早く、私を迎えに来い…ピダム…
やはり、私はお前無しでは生きられないようだ…

泪が頬を伝わって…ポトリと落ちた。


それを柱の側でそっと見守る影があった。
ウムがトンマンに会いに来たのだ。

ウムはトンマンが泪するのを見ると居ても立ってもいられずに音も立てずにトンマンに近付いて


「母上…」


と、そうトンマンを呼んだ。


「そなたはあの時の…」


トンマンは目を真ん丸にして


「そなた、今、何と言った?」


「ですから、母上と…申しました」


「母上…?」


ウムは更にいぶかしがるトンマンに近よると…自分の左耳につけたトゥリゲをトンマンに見せて


「母上のとお揃いのトゥリゲです。まだ、お解りになりませんか?」


「…あっ…」


トンマンは若者の耳に下がるトゥリゲをじっと見詰めながら…あの時のピダムの言葉を思い出していた。


『もう片方は赤子につけて送り出しました』


ピダム、あれはこういうことだったのか?
赤子を護る為にお前が…私も騙したのだな…
さぞや、辛かったろうに…
ピダム…お前と言う男は…


トンマンの顔に微かな笑みが浮かんだ。


ありがとう…ピダム…
私の目の前にいるこの子はお前にそっくりだ…


「では、そなたが、ピダムと、私の…」


トンマンの声は震え、泪で前が殆ど見えていなかった。


「はい、霪(ウム)と申します。母上…」


ウムはそう言うと万感の想いを込めて母トンマンを抱き締めた。

トンマンもウムの背中にそっと手を置いて…ウムをしっかりと抱き留めた。

トンマンの嗚咽が辺りに響き渡る…

ウムはそんな母を優しく見守り、その背中をそっと撫で続けている…

そんな二人の上に満月の光が優しく注いでいた。






月満たされし満月の夜…

ピダムの残した『金のトゥリゲ』に導かれ…

母と子が定められし運命によって巡り会う。

月の光に写し出された二人の影は、それから暫くの間、ピタリとくっつき離れることがなかった。
















☆最後までお読み下さり、ありがとうございましたm(__)m
十数年の時を越えて、巡り合えた母子。
ピダムが残した『金のトゥリゲ』が無ければ互いを確認することは難しかったと思われます。
有能かつ敏腕な司量部令ピダムだからこそ出来た『一連の猿芝居』←上手く表現出来ません(^o^ゞ
あのチュンチュを騙し…女王トンマンをも騙し…息子ウムにさえ、その出自を明かさなかった『彼』の完璧な仕事ぶり。
『死』しても尚、トンマンとウムを護り続けるピダムを月(の光)に例えて…このSSを書いて見ました♪
『月光』それはピダム自身であり…その分身でもあり…
木染月の一夜にお贈りしたテヤンの拙いSSでした(*^^*)



皆さん、私のブログを日々訪れて下さり、本当にありがとうございま~~す


管理人テヤン




追伸、写真は大和時代の髪型のイメージです♪
このSSのウムの年齢設定よりも幾分若く、まだ少年ぼい感じです(*^^*)





☆追記です♪
『赤と黒』NHK総合で再放送決定したんですね~~
と言うことは…生ナムギルが来日するってことで…
あわわわわっ~~( ̄▽ ̄;)
本当に本当に来るんだ!
生ナムギルssiが…











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2012/08/11 (Sat) 03:45 | # | | 編集 | 返信

日韓戦サッカー(T_T)


Gさんへ


>テヤンさん こんばんは

おはよーございます(^-^)/


>今日は流星群を楽しみにしていたのに、曇っていて全くみられませんでした...残念

残念でしたね~~
流星群、知りませんでした(^^;)))
因みに何流星群だったんだろう?
調べてみよーっと。


>日×韓サッカーまでまだ時間があるから~と、読み始めたら映像がわぁーっと浮かんできてぽろぽろ ぽろぽろ 涙がとまりません

テヤンはサッカーの結果にぽろぽろ涙がとまりません(>_<)
勝負の世界は『気迫』が大事!(←ゴール前の)
向こうの方が少しそれが上回っていたかも…
残念でした。


>はぁー この感情をどう書けばいいのか文才のない私には、ちょっとムリそうです(T^T)
よいお話を読ませていただきありがとうございました

こちらこそ、読んで頂き、コメントまで寄せて頂いてありがとうございましたm(__)m

『赤と黒』地上波再放送決定(来日)で生ナムギルssiに会えるかもしれない。
もの凄い興奮状態にある自分(笑)

でも、それとは全く別の愛情が自分のSSの中のピダムにもあります♪(ドラマのピダムにも)
不思議です。
ピダムというキャラの魅力はきっと尽きることがないのでは…ないでしょうか?!

私の妄想によって生き続ける少し大人なピダムをこれからもよろしくお願いしまーす(*^^*)


また、遊びにいらして下さいね~~
お待ちしています(^з^)-☆









2012/08/11 (Sat) 10:19 | テヤン #s6bbxX4M | URL | 編集 | 返信

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