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拍手2000打記念リクエスト SS私のピダム 雲居



皆さん、こんばんは~(^o^)丿

お待たせしました ←一昨日ちょっぴり公開しちゃたんだよね(笑)

今夜は、拍手2000打記念リクエスト 第2弾 「SS私のピダム 雲居」をお届けしま~す♪

少し長くなってしまったので、折り畳みました。

続きをポチっとしてお読みになって下さいね~~(#^.^#)






真っ青な空が限りなく広がっている…

遠くにぷかりと白い雲が浮かんでは消え、また浮かんで…

それを眺めていると自分がどんなに小さな存在なのかと思わずにはいられなくなる。

自分は本当は何者なのか…

新羅の王都徐羅伐を牛耳る璽主ミシルに捨てられた子

そのミシルを倒して王権を強固なものにしようとしている公主トンマンの花郎

それが自分という存在の全てなのだ…

ピダムはそんなことを考えながら母である璽主の真意を探る為にその宮に足を向けた。




**


蝉の声だけが聞こえる、昼前の長閑な時間に…

王宮の内苑をそぞろ歩いていた公主トンマンは太陽の光から逃げるようにお供の花郎アルチョンと木陰に入り涼をとった。


「やはり、まだまだ暑いな!」


隣でアルチョンが殆どその表情を変えずにそれに答える。


「公主さま、左様でございますね。盆を過ぎたとはいえ、暑さは変わらないようです」


「そう言えば…朝から一度もピダムの姿を見かけていないが…何処にいるのか、知っているか?」


アルチョンは眉根を寄せて


「え、公主さまはご存じないのですか?」


「ご存じないとは?どういうことなんだ?」


公主が怪訝そうな顔で自分を見たので、アルチョンは『しまった!』と言う顔をしてしまった。


「アルチョン殿、私に隠していることがあるのではないか?」


幾分狼狽したアルチョンが


「これはあくまで噂で御座いますが…最近、ピダムがミシル璽主の処に頻繁に出入りしているようで…あの、その…二人が…出来ている、そんな噂が流れております」


それを聞いた公主の顔が曇った。


「ミシル璽主とピダムが…なんだと。つまり、それは二人が恋人同士だと、そう言うことなのか!」


「はい、そのような噂が流れております」



公主の心の中にもやもやとした嫉妬心が生まれたのはその時だった。


ピダム…
お前はついこの前、私の手を握って『ときめきます』と言ったばかりではないか!
あれは、あれは一体何だったのだ?

私をからかって面白がっているのか?
しかも璽主に…だと…
信じられないが…
年をとったとはいえ、未だに美しい璽主にピダムが惹かれないとは言えない。
まして璽主はその『美貌』と『色香』で数多の男たちを虜にしてきたのだ。

だが、あのピダムに限ってそんなことはない…
そんなことはないと思いたいが…その噂が間違っているとは言えない。
ピダムは私の恋人ではないし…

はっ、私は何ということを考えているのだ!

我に返った公主は気を取り直して、再び内苑を散策し始めた。






***


「璽主さま、ピダムさまがお見えになりました」


扉の外からの声と共にひょっこり顔を覗かせたピダムをミシルは片方の眉を上げて迎えた。


「ピダム、お前も相当暇だと見える。そう毎日毎日よく通って来れるものだな、ん」


「璽主さま、俺はそんなに暇でもありませんよ!」


ミシルはうっすらと笑いながら


「して今日は一体どんな用事で此処に来たのだ?はやく申せ」


ピダムは待ってましたと言う顔をして


「璽主さま、絶対に笑わないと約束して下さいますか?」


ミシルは面倒な男だなと思いながら


「解った、笑わぬと約束するから。はやく話さぬか!」


そうピダムに投げかけた。
そこでピダムは至極真面目にミシルに質問をした。


「璽主さまにとって『恋』とは一体どのようなものなのですか?」


それを聞いたミシルは呆気にとられながらも、大きな声を出して笑った。


「はっ、あーははははっ、ピダムお前、ははっ…この私に質問だというから何を言うかと思えば…『恋』だと、『恋』」


ピダムは眉尻を下げながら


「だから璽主さま、俺はさっき笑わないで下さいって言ったじゃないですか…」


「ああ、すまぬ。そうだったな」


ミシルは笑うのをやめてピダムの話に耳を傾けた。
ピダムは更にこう続けた。


「この新羅の王宮で『恋』に関して璽主さま以上に詳しい方はいらっしゃらないかと俺は思いますが…璽主さまにとって『恋』とは一体…」


ミシルは少し遠い目をしながら


「知りたいか?私にとっての『恋』を」


ピダムは頭(かぶり)をぶんぶんと縦に振って


「是非、お聞かせ下さい!」


「解った、ピダム。では庭に出て茶でも飲みながらゆっくり話そう。それで良いか?」


ピダムはにっこり笑うとこくんと頷くのだった。





**

璽主の住まう宮からほど近い内苑の欅の大樹の下に円卓を運び出し、優雅にお茶の時間を楽しもうとミシルがピダムを伴ってやって来た。

円卓の上には唐渡りのお茶や花茶が数種類と水菓子、そして昼の御膳が用意されていた。


「わあ、璽主さま、凄いですね!」


「今日は暑いが風がそよそよと吹いている故、ここなら涼しく茶も飲めると思うてな。昼膳も食べて行くと良い」


ピダムは真っ白な歯を出してにっこり微笑んだ。

女官が器にお湯を注ぐと中の茶葉が花開た。

ミシルは真っ白な手で茶器を掴むと先ずは香りを楽しんだ。


「良い香りだな。金木犀の香り…遥かな昔これを好きだった男がいた。私が恋した唯一人のお方」


「そのお方とは?」


「これ、ピダム、お前も公主に似て性急だな。先ずは茶を味わうが良い」


ピダムが茶器を手にとって茶をすすり始めるとミシルはゆっくりと話し出した。


「サダハムさまだ…」


ピダムはミシルの答えを既に知っていたので、空かさずこう言った。


「サダハムさまと言うとソルォン公の兄君にあたる…」


ミシルはピダムをじっと見つめて


「良く知っておるではないか!そう私が恋した殿方はサダハムさまお一人。遥かな昔のことだ」


「遥かな昔ですか…では、璽主さま、璽主さまが今『恋』しているものとは一体何ですか?」


片方の口の端を上げて微笑むピダムを見たミシルはピダムの真意に気づいて


「ピダム…最初からそれが聞きたかったのではないのか?」


やや強い口調でミシルがピダムにそう言った。
ピダムは頭をポリポリと掻きながら


「はははははっ、ばれてしまいましたか!これは参りました」



と、ピダムが璽主に向かって思い切り笑った処をトンマンは偶然にも目撃してしまった。

ピダムが璽主とあんなところで、茶を飲みながら、楽しそうに歓談してる。
しかもあんな風に爽やかに笑って…
やはり噂は本当だったのか…
ピダム、お前、璽主のことがそんなに好きだったのか…


衝撃を受けて立ち尽くす公主にアルチョンが声を掛けた。


「公主さま、いっその事ご自分で確かめてみたら如何ですか?」


「アルチョン殿、私にあの場に足を運べと?」


「お厭なのですか?」


「いや、そうではないが…」


公主の心の中は複雑に揺れ動いた。
私は本当は二人が仲良くしている姿など見たくないんだ。
あんなピダムは嫌なんだ。
じゃあ、どんなピダムなら良いと言うのか?

自分にだけ優しく微笑んでくれるピダムが良いというのなら…
それなら色供の臣としてピダムを選べば良いのだ。
トンマン、お前にそれが出来るのか?
それは詰まる処、ピダムに己の全てをさらけ出すということに違いないんだぞ!
ピダムに抱かれる、それが出来るのか?
そうしたいのか?



公主はふっと頭に浮かんだ『色供』という言葉に胸がバクバクし出したのを感じるとアルチョンを置き去りにするほどの速さで自分の宮へと踵を返したのだった。



それを目ざとく見つけた璽主はピダムにこう言った。


「ピダム、今向こうに公主の姿があったようだが…こんな所で油を売っていて良いのか?」


「えっ、公主さまが?」


ピダムは璽主に別れの挨拶をすると急いで席を立ってトンマンを追いかけた。

だが、既に公主は内苑を抜けたようで姿を見つけることは出来なかった。






***

その夜、公主の元にピダムからの手紙が届けられた。


明日の朝、晴れていたら私と遠駆に参りませんか。 毗曇


ピダムめ、璽主と私と二人も自分の女にしようというのか!
明日、会ったら絶対に問い詰めてやる。
そう意気込んで早めに眠りについたトンマンであった。





***

その翌日も空は晴れ渡り、小鳥たちが楽しそうに空を飛び交っているのが見える。

東の空には横長の雲が列をなし、その隙間から見える青い空がまた一段と美しく見えた。


「おはようございます、公主さま」


「おはよう、ピダム」


そっけない挨拶をすると公主はピダムの手を借りて馬に跨る。
公主が馬に乗ったと同時にピダムがその後ろにトンと跨った。


「えっ、」と公主が小さく言ったのを聞いたピダムは


「公主さま、危ないので私が馬を操ります。宜しいでしょうか?」


ピダムにそう言われて頷くしかない公主。
そしてピダムが馬の腹を軽く蹴って馬を走らせ始めた。

宮殿の門を出て、街並みを通過し…あっという間になだらかな丘の続く郊外へと馬は走りぬけて行った。


ああっ、何て気持ちが良いんだ。
それにピダムの馬の扱いが上手いせいかちっとも疲れない。


「ピダム、とても気持ちが良い。もっと走らせてくれないか?」


「はい、公主さま」


ピダムはそれから馬に鞭をくれて更に速度を上げた。
吹き抜ける風の音とピダムのトクトクと流れる血潮の音とが公主の心を和らげて行く。

やがて広い川岸に着くとそこで馬を休めて、昼膳を食べることにした。


「公主さま、ご機嫌は直りましたか?」


公主はピダムをきっと睨んで


「ご機嫌だと。何で私が機嫌を直さねばならないのだ」


トンマンは強がって見せた。


「それでは私が璽主さまの元に足を運ぶのをお許し頂けるのですね?」


トンマンは何とも言えない表情で


「それは嫌だ。それは駄目だ。ピダム」


「何故ですか?」


「何故って…それは」


ピダムは公主の手をそっと握るとこう言った。


「公主さま、私の気持ちが解らないのですか?」


自分の眸をじっと見詰めるピダムの眸に情欲の焔を見てとった公主は真っ赤になりながら


「解らない、そんなのは解らない…」


ぶっきらぼうに答えるトンマンをピダムは抱きよせて


「お慕いしております。公主さま」


そう囁くように公主に恋心を告白すると唇に唇をそっと重ねた。
そのまま公主の唇を吸いながら、抱きしめる腕に力を込めて公主を己が胸に閉じ込めて


「私がお慕いしているのは公主さま、貴女だけです」


そして今度は息もつけないような激しい口付けで公主の身も心も溶かしたのだった。


「ぁ、・・・ピダ、ム」





たなびく雲とその雲の隙間から見える青い空だけが二人の上にあるだけで…

見渡す限りの草原の草木たちは無言で二人の睦言を聴いていた。

若い二人は暫らくの間、愛の歌を奏で合い、その身を雲居に置いたという。

悠々とした水を湛えた河の流れが留まることがないように…

二人の運命もまた大きなうねりに巻き込まれ、流れて行こうとしていた。





つづく(かも)








☆最後までお読み下さり、ありがとうございました<(_ _)>

如何でしたでしょうか?

「トンマンがピダムとミシルの恋愛関係に嫉妬する」が頂いたお題です♪

このお題は続きものに出来るくらい書こうと思えば長く出来たんですが…

あまり長いのもどうかと思いまして、止めました。

また、違う形で書いて見たいと思います(^^ゞ


『雲居』とは空・大空・遠い場所・宮中・禁中・都の意味があるそうです。

最後に使った『雲居』は野原に身を横たえて、青空を見ながらイチャイチャって言う感じを出したくて…使っちゃいました!

ピダムとなら彼が『曇』だから、どこでも雲の上・大空になっちゃうんですけどね~(#^.^#)

ミシルとピダムはお茶でなくて、是非次回はお酒を飲みながらの母子対決にしたいなぁと思っています。


それと、残りの一つのお題は少し『黄金色の翼 赤と黒』にも被ってしまう感じになるかなぁと思い最後にしました。

ごめんなさい<(_ _)>

もう少しお時間下さいね~~~(^_-)-☆



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Comment - 4

いる

お邪魔します^^:

こんばんは。
ずうずうしくお邪魔いたしました^^:

素敵ですね~。
ピダムにトンマンが素直になれない感じが
好きです。

お話ありがとうございました。

2012/08/24(Fri) 22:08

Edit | Reply | 

テヤン

いらっしゃいませ(#^.^#)


いるさんへ


> こんばんは。

こんばんは~(^o^)丿
こちらでは初めましてですね!
管理人のテヤンと申します。
ご訪問&コメントありがとうございます<(_ _)>


> ずうずうしくお邪魔いたしました^^:

いえいえ、わざわざお越し頂きまして、コマウォヨ~v-22


> 素敵ですね~。
ピダムにトンマンが素直になれない感じが好きです。
お話ありがとうございました。

ありがとうございます(#^.^#)
素直になれないトンマン・・・
そこがまだ『恋』であって『愛』ではないのかもしれませんね♪

そして、公主時代のトンピは女王時代よりも遠慮?があるので、色々弄れて書き手としても楽しいんです。
違ったパターンでお話が書ければ良いなぁと思っています。

また、遊びにいらして下さいね~
お待ちしています(^_-)-☆


2012/08/25(Sat) 01:30

Edit | Reply | 

トナン

こんばんは(^-^)

ピダムとトンマンの息子のウムの話の所でコメントしたかったのですが、ガラケーなので最後まで読めず…

トンマンとウムの出逢いのお話しを読んで久々に涙が出てしまいました(T_T)
ピダムも一緒なら尚良かったのですが…

私はテヤン様の描くトンマンとピダムが大好きです(*^o^*)

お互いに好きだと気持ちを隠さず…また奥ゆかしい優しいピダムに心が和みます(^-^)

いつかまたピダムの息子ウムとトンマンのお話しを書いていただけたら嬉しいです(*^o^*)


2013/09/03(Tue) 18:19

Edit | Reply | 

テヤン

ありがとーございますm(__)m

トナンさんへ


こんばんは(^3^)/

> ピダムとトンマンの息子のウムの話の所でコメントしたかったのですが、ガラケーなので最後まで読めず…

すみませ~んm(__)m
えっと…それはどのお話でしょうか?
もしかして『にはたづみ』でしょうか?


> トンマンとウムの出逢いのお話しを読んで久々に涙が出てしまいました(T_T)
ピダムも一緒なら尚良かったのですが…

お読み下さり、ありがとーございますm(__)m
管理人も昔のお話に拍手をして頂いた時に読み返しています。
そして自分で書いたにも関わらず…
時々自分のSSに感動したりもしてます(^-^ゞ
『こんなSSも書いていたのね~』見たいな感じで…
題名は大体覚えているのですが…内容は頭の中からすり抜けてる場合があるんですよ(笑)


> 私はテヤン様の描くトンマンとピダムが大好きです(*^o^*)
お互いに好きだと気持ちを隠さず…また奥ゆかしい優しいピダムに心が和みます(^-^)
いつかまたピダムの息子ウムとトンマンのお話しを書いていただけたら嬉しいです(*^o^*)

わぉ~(^o^ゞ
そう言って頂けて嬉しいです。
ドラマの中のトンピは意思の疏通が出来なくて…結果悲劇に突入してしまった。
だからこのブログの中のトンピにはそんな想いをして欲しくないので…
相手に想いを伝える。
これを基本に…と言って気持ちの押し付けをして欲しくもないので…
奥ゆかしさも忘れずに…
管理人の理想の恋人像(夫婦像)なのかもしれませんねぇ♪

ここのところ更新が出来ず申し訳ありませんm(__)m
今年は昨年と違って今月から来月まで結構大きな試合が入っていて気持ちに余裕がないのです。
プラス他の理由があるのですが(^o^ゞ
恐らく数日すればそちらが片付きますので、そうなったら再び更新出来ると思います。
今暫くお時間頂きますね~

コメントありがとうございましたm(__)m
また遊びにいらして下さいね~♪




2013/09/04(Wed) 22:16

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