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SS私のピダム 葵花向日(きかこうじつ) その壱 

2018, 04. 08 (Sun) 14:00


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かなり昔に途中まで書いてあったお話です。
恐らく『太陽を抱く月』を観ていた頃ではないかと…。
最後までお読みになると、そんなエピソードが盛り込まれています
今回リハビリも兼ねて続きを書いたので…
1話はとても短いですm(;∇;)m
それと…真ん中にお約束の閨の部分があるので3部構成で公開する予定でおります♪
今回のお話もちょいエロい表現が後半に含まれます。悪しからず(^.^)(-.-)(__)





半月城を覆い隠すように咲き誇っていた桜の季節も終わり、目にも鮮やかな若葉が繁る頃の…
さやけき風が心地好く顔を撫で行く夜半。
辺りに溶け込みそうな闇色の衣に身を包み、きりりと髪を結い上げた神国一の美丈夫、司量部令ピダムがその日の政務報告の為に女王の部屋を訪れると、そこにはがっくりと肩を落とした女王の姿があった。

「陛下、ピダムが参りました」

はっとしてピダムの方を向く女王

「ああっ、ピダムか…」

「如何されました。お加減がお悪いのですか?」

「いや、何でもない」

と言って理由も何も教えてくれない。
そこでピダムはほんの少し女王に意地悪がしたくなり

「陛下、私がお嫌いになられましたか?」

そう言って、わざと悲しそうな顔をして見せた。
それを見た女王はピダムの思惑通り心の内であれこれ思いを巡らし始める。

ピダム…
お前のその顔を見ると私が黙って居られなくなるのを知っていて、わざとそうしてるのか?
それとも本気でそう申しているのか?
本当のことを話したら、お前は笑うに決まっている。
だから黙っていようと思っていたのに…
全くお前ときたら人の気も知らずに…。
こうなったら仕方がないからお前には正直に話してしまうべきなのか…

ついぞ腹を括った女王は

「いや、ピダム、お前とは関係ないのだ」

「それなら宜しいのですが…」

「実はな…徐羅伐の城下に久方ぶりにお忍びで出たい。と、そうアルチョン殿に相談したところ、即座に反対されてしまってな」

ピダムは一瞬きょとんとした後、失笑しながら

「ぷっ…く、くくくっ…。こ、これは失礼致しました。ですが、アルチョンは陛下をお守りするのが使命と思っている(石頭で融通の利かない奴)のですから、そう申すのは当然のことと私は思いますが…」

ピダムからこれ見よがしに正論を突き付けられた女王はプイッと頬を膨らませてピダムから目を反らすと

「だからお前には言いたくなかったのだ!」

と更に苛立ったように言い放った。
だが当のピダムにしてみれば、こんな風に本心を露にして自分に甘えてくれる女王が実に可愛らしく思えて…
余裕綽々な態度で女王に近付くと

「それでは、私が陛下のお望みを請け負います、と申し上げたらご機嫌を直して頂けますか?」

片方の口の端を上げてにやりと笑い。
それから女王にぴたりと体を寄せると徐に女王の手を握り、半ば強引に腕を引っ張って己の胸の中に女王を閉じ込めた。

「陛下、流石に今宵は無理ですが…。アルチョンが暇乞いする晩に私が城下までお供いたします故、どうかご機嫌をお直し下さいませ」

ピダムがこの上なく優しい声音でそう囁くと、女王は嬉々として

「それは本当か?ピダム。本当におまえが私を街に連れ出してくれると申すのか?」

「はい、陛下」

「嬉しいぞ、ピダム。ならば…その、ずっとお前に伝えたかった言葉があるのだが…。今それをここで言っては駄目だろうか?」

ピダムは女王の眸をじっと見詰めながら首を横に振って拒絶の意を示した。

「そうか、やはり…な」

「はい、ですから、そのようなお顔をなさらないで下さい。この王宮から抜け出し市井に出た時ならば、どんな言葉をお使い頂いても、お伝え下さっても私は何も申しません。ですが今宵は駄目です」

「あい、解った。ピダム、約束したぞ!」

「はい、陛下…お約束致します」

そう言うとピダムは女王からさっと離れて居ずまいを正すと懐から報告書を取り出して徐に開いた。

「陛下、大変遅くなりましたが、これから本日分の政務報告を致します。宜しいでしょうか?」

「うむ、聞こう」

「先ずは春の行幸の件ですが…田植えが始まる順を鑑みれば、例年通り、南から北へ向けて日取りを決めたく存じますが…」

「…」

ピダムが耳に心地好い声音で政務報告を読むのを聞くに連れ、何時もの冷静さを取り戻して行く女王。
それから半時、ピダムが最後の事案を締め括る。

「ではそのように取り計らいます」

「うむ、ピダム、今宵もご苦労でした」

「いいえ、陛下。これが私の仕事ですから」

「左様か…」

「それでは、陛下、私はこれにて失礼致します」

踵を返してさっさと女王の私室を出て行こうとするピダム。
それを引き留めようとする女王。

「待て、ピダム」

「はい、陛下、他に何か私に御用が御座いますか?」

女王は椅子からゆっくりと立ち上がりピダムの側に歩み寄るとその澄んだ黒曜石の瞳を顔を上げて覗き込んだ。

「ピダム、お前と言うやつは。何も言わなければ行ってしまうのか?」

「はい、今宵は色供とは伺っておりませぬ故」

「確かに何も沙汰はしておらぬが…。そうお前に言われてしまうと寂しいぞ、ピダム」

「陛下…申し訳ございません。私とて…」

本音と建前との間で揺れるピダム。

「解っておる、ピダム、ならば女王として命ずる。今宵もここに残り、私に色を供せ」

「御意」

主の命令に力強くそう答えたピダムは一礼してから顔を上げると真っ直ぐに女王を見詰めて微笑んだ。
すると女王も満足げに頷いて見せた。
そうなると俄然時間が惜しくなったピダムは手に持っていた報告書を急ぎ畳んで机の上に置き、女王に近付くと、大きな掌で女王の首を後ろから支えて、腰を屈めながら女王の鼻先や頬、額に次から次へと口付けを落とし始めた。
ピダムの柔らかな唇と口髭が肌に触れる度に背中がぞくりと泡立ち、直ぐ様、欲望と言う名の淫らな焔が女王の内部で色めき立つ。
ぽってりとした女王の唇にピダムが幾度も唇を重ねて吸い上げると女王は我慢出来ずに小さく喘いで身体を仰け反らせる。
そんな女王を気遣うように肉の薄い背中をゆっくりと擦りながら、口中に舌を差し入れ歯肉に沿って舐め回すピダム。
唾液でいっぱいになった口中をピダムの熱い舌先でかき混ぜられ、舌と舌がねっとりと絡み合う頃には女王の下肢は痛いほどに疼き、頬は遅咲きの八重桜のように紅色に染まっていた。
唇を離したピダムが己を求めて欲情した愛しき女王の妖艶な姿を穴が開きそうな程にじっと見詰めている。

「ピ、ダム?」

「陛下、今宵は格別にお美しい。美し過ぎて私の自制心が何処まで持つのやら…正直保証出来かねます」

歯の浮くような台詞をさらっと言って退けたピダムは女王を軽々と抱き上げると寝台へ向かって歩き出す。
羞恥心で耳まで真っ赤になった女王はそれを隠すようにピダムの肩に顔をそっと埋めた。



続く。


最後までお読み下さり、ありがとうございました(*^^*)


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コメント

T

久々の~

久々のピダムのお話。待ってましたよ~!

テヤンさんの作品 楽しみにしています。そして、わたしのおきにいり、堅物アルチョン君も いい感じで 出番をいただけますように・・・・。

そして、色褪せない ピカピカの色男 ピダム様 頑張れ!! 

2018/04/12 (Thu) 20:11 | T | 編集 | 返信

テヤン

お久しぶりで~す(*^ω^)

Tさんへ


> 久々のピダムのお話。待ってましたよ~!

わー、本当にお久しぶりですね(((o(*゚∀゚*)o)))
お元気でいらっしゃいましたか?


> テヤンさんの作品 楽しみにしています。そして、わたしのおきにいり、堅物アルチョン君も いい感じで 出番をいただけますように・・・・。

そう言って頂けて、感謝感激でーすヽ(*´∀`)ノ
ひょっこり創作魂が蘇りまして(笑)
今回何とか最後まで書けそうです(一応書けてます)
振り返ると…ここ数年は気持ちに余裕が無かったのかもしれませんねー
あっ、お気に入りのアルチョンの出番ですか…
私の書くお話の中では、彼にはお笑いを担当して貰ってるので…今回は無いかも(^^ゞ
ミアネヨ ←懐かしい響き
スピンオフで今回、実家に久しぶりに帰ったアルチョンを書く方が話としては面白そうです!
シンガン夫人との絡み、子どもたちとの絡み、父母との絡み…
書くこと沢山あって大変そうだけど…ね。


> そして、色褪せない ピカピカの色男 ピダム様 頑張れ!! 

ピダムは永遠に不滅です!!
これからもトンマンと私たちの為に頑張って貰わんと(笑)
コメントありがとうございましたm(_ _)m
また遊びにいらして下さいねー♪


2018/04/15 (Sun) 00:38 | テヤン | 編集 | 返信

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