SSS私のピダム 干し柿

大好きなブロ友Aさんへ、この作品を捧げます♪

どうか、Aさんがこの作品のトンマンのようにピダムによって癒されますように…

そう願って止みません(*^^*)


そして皆さんもトンマンのようにほんの一時、ピダムの胸に抱かれて…

幸せに浸って頂ければと思い、この作品をお届けしたいと思います

宜しければ、続きをぽちっとしてお読みになって下さいね~(^з^)-☆









冬が近付く小春日和の昼過ぎのこと。
外はぽかぽかとしているのに朝方からの悪寒が未だに続いていた。
風邪を引いたのだろうか?
侍医を呼んで診て貰うと微熱があると言われた。
取り急ぐ仕事もなかった為に、女王は珍しく午後の政務を休むことにした。
昼膳に出されたものには殆ど箸をつけられなかったせいで小腹が空いていた。
寝台に横たわる前に少し水菓子でも腹に入れて置こうと考えていると…
先触れもなく、ピダムが突然やって来たと女官に耳打ちされた。
ピダムが側にいた方が安心して眠りに付けるだろうと、そう思った女王は上衣を羽織ると長椅子に座ってピダムを出迎えた。
部屋に入るなりピダムは驚いてこう言った。


「陛下…如何されたのですか?」


カチェを外して夜着に着替えた女王を見ればピダムでなくてもそう質問するだろう。
女王はにっこりと笑いながら


「少し熱があってな。大事をとって横になろうとしていたのだ」


「お熱があるのですか?」


ピダムはそう言うと女王の側に駆け寄るように近付いて、額に手を充てた。
確かに常より体温が高い。
心配そうにしているピダムに女王が


「ピダム…そんなに心配するでない。寝れば直ぐに治る」


「陛下…」


「ところで…何か用があったのではないのか?」


そう言われたピダムは余計な気苦労を女王にさせたくないと思ったのか、卓の上に置いた包みを手に取ると…その場を辞そうとする仕草を見せた。


「いえ、何でもありません」


女王はふふっと笑うと


「ピダム…それが何でもない者の態度なのか?それにお前の持っている包みが先ほどから気になって仕方ないんだ」


ピダムは何とも言えない表情をして


「これですか?」


そう言うと卓の上でそれを紐解き、中味を女王に見せる為に差し出すのだった。


「干し柿か…美味しそうだな…」


「ちょうど、上物が手に入りましたので持参致しました」


「ピダム…お前…」


女王は何とも言えない嬉しそうな表情を湛え、反対にピダムは眉尻を下げて拔の悪そうな顔をしていた。


「陛下のお好きな水菓子。一緒に食べたかったのです」


小さな声でポツリと言った。
女王は昔と変わらぬピダムの素朴さが愛しくなりながらも相変わらずの誘い下手に遂には笑いを堪えきれずにぷっと噴き出した。


「ぷっ、ピダム…笑わせるつもりか?」


「はっ?」


「だからお前のその…いや、もういい…」


「陛下…?」


女王は熱があるにも関わらずピダムの手の中にある干し柿の一つを摘まむとそれを口に運んだ。

美味しい。
甘味があって、しっとりとして…
ピダム…まるでお前の柔らかな唇のようでもあり…
私をとろかすお前の舌のようでもあり…

女王は潤んだ眸でピダムを見詰めた。


陛下…?

ピダムは女王の目が潤んでいるのは熱があるせいだと思い込み、女王がピダムに寄せる想いを汲み取ることが出来ずにいた。
いつもならば体を引き寄せ唇を奪っているだろうに…
熱のある女王の体ばかりを気遣い…気が回らずにいる。
女王は段々と上がる体温と高ぶる気持ちとで頭がふらふらとして…
ピダムにこう命を下した。


「ピダム…私が寝るまで手を繋いで不寝番をせよ!」


「はい、陛下」


言われるままにピダムは女王の手を握ると女王を寝台へと導き、そっと布団を捲り…
女王が横になったのを確認すると布団を元に戻した。
そして再びピダムがぎゅっと手を握ると…
女王は眠そうな眼(まなこ)でピダムの唇の辺りをじっと見詰めた。


ん、陛下…どちらをご覧に?


流石のピダムも今度ばかりは女王の気持ちを察したのか…屈みながら顔を女王の鼻先近くに持っていくと…


「陛下…安心してお眠り下さいますように…陛下がお眠りになるまでここにこうして…」


その言葉の途中で女王が自分の手を握るピダムの手をぐいっと引くと二人の唇と唇はぴったりと重なった。


ああっ、ピダム…
温かい…温かくて安心する。
干し柿よりもお前の唇の方が尚甘くて…
甘くて甘くて溶けてしまいそうだ。

それから暫く唇を重ねて、舌を絡ませあっている内に、いつの間にか女王はすっーと眠りへと堕ちて行った。
ピダムはそっと唇を離すと、女王の安らかな寝顔を見詰めた。
手の内にある粉の吹いた干し柿に目をやると独り言を呟くのだった。


熟されるほどに粉を吹き、甘味を増すこの干し柿のように…
陛下にとって私の存在が癒しとなりますように…
どうか私の胸の中にいる間だけでも、その重荷を下ろしてお寛ぎ下さいますように…


ピダムは女王の唇が触れた己が唇を指で撫でながら…女王の唇や口中から移った干し柿の甘さを舌で舐め取った。
そうして女王のふっくらとした唇や熱い舌触りの感触を思い起こして…
一人顔を綻ばせては、幸せの余韻に浸るのだった。


小春日和の穏やかな午後の仁康殿には燦々と光が差し込み…
まるで天空に浮かぶ月の上に存在すると言う桂の城のようにも見えて…
静けさの中で眠る女王の側にはその眠りを妨げぬようにと黒衣の美丈夫が侍る。
夢の世界の如く…真っ白な光に包まれた二人の姿は幸せそうに輝いていた。







☆最後までお読み頂きまして、ありがとーございましたm(__)m

後ろの方に登場します『桂の城』は私の創作した城です♪
月には桂の木が生えていて、それをとある罪を犯した為に斬り倒さねばならない妖怪がいて、それを『桂男』と言うそうです。
その妖怪は見目麗しい美丈夫なんだそうな。
ピダムに似合うなぁと思って…桂の城を造って見ました
(^-^ゞ

拍手コメントの返信が遅れております。
この作品を一刻も早く書き上げたかったので…ごめんなさいm(__)m



管理人テヤン





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Comment

Tさん #-

干し柿

「干し柿」苦手なんだけど、黒衣の美丈夫が、侍ってくれるのなら、食べてみてもいい。しかも、お手手つなぎまでしてくれる寝ずの番で・・・。

 桂男に、寿命を縮められても悔いはないような気にもなるよなあ。仙術を学んだ罪というのも、ムンノにくっついて修行していたピダムに似つかわしいような・・。

 「すいか」「焼き芋」「干し柿」と続いた食べ物シリーズ。 次は、何かな? 「栗きんとん」では、あまりに近すぎるから、ちょっと目先を変えて、「するめ」とか。さらに、色気のない食べ物だわね。
 
 食いしん坊のトンマンのために、忙しい司量部令の仕事の合間に、あちこちの市場なんかも覗いておいしいものを探してるピダムの姿が目に浮びます。

 ドラマ後半の不治の病におかされた陛下をトントンする、紫衣の麗人の心情とは、少し願いが違うのでしょうね~。

 風邪ひきでも、幸せな二人、平和なときが少しでも続きますように!

2012/12/14 (Fri) 07:21 | URL | 編集 | 返信
テヤン #s6bbxX4M

お次は?

シンガーソングライターTさんへ


こんばんは~(^o^)丿

> 「干し柿」苦手なんだけど、黒衣の美丈夫が、侍ってくれるのなら、食べてみてもいい。しかも、お手手つなぎまでしてくれる寝ずの番で・・・。

先ずはSSをお読み頂き、ありがとーございます(#^.^#)
干し柿、お嫌いなんですか???
あんなに美味しいのに。。。(゜レ゜)
管理人がふっと思ったこと。
ピダム君が学校の先生だったら食わず嫌いの女に子が減ること間違いないでしょう(昔、女の子もだった方も含)

ここで質問です!!!
ナム君が自分の大嫌いな物を買って来てくれました。貴女は嫌な顔をしないでそれを食べますか?
それとも正直に『それは好きじゃないの!』とカミングアウトしますか?


> 桂男に、寿命を縮められても悔いはないような気にもなるよなあ。仙術を学んだ罪というのも、ムンノにくっついて修行していたピダムに似つかわしいような・・。

同感!同感!!
鬘男…あっ違った(笑)
桂男がピダム(ナムギル君)だったら…月を見詰めるだけで彼が微笑んでくれるのならば…
例え寿命が縮んで死んでしまうことになったとしても。
息を引き取るその瞬間にピダムの腕の中で死ねるのならば。。。それもありv-22
この『桂男』を題材にSS書けるかもしれません(*^^)v
主人公はTさんにする?『現代版かぐや姫』&『セイレーン』だね!
最後は歌をハモりながら三途の川を渡るってのはどーかな?
ちょい縁起悪いから天の川(五十鈴川?)にしましょうかねぇ(笑)


>  「すいか」「焼き芋」「干し柿」と続いた食べ物シリーズ。 次は、何かな? 「栗きんとん」では、あまりに近すぎるから、ちょっと目先を変えて、「するめ」とか。さらに、色気のない食べ物だわね。

うーん(゜レ゜)
『栗きんとん』『するめ』正月ですなぁ~
例えば『蜜柑』『林檎』『餅』『小豆』とかはどうかしら?
そして『飴』。。。最高に良い素材ですよ~
何故かは…もうおわかりですねぇ(笑)


続く。


2012/12/14 (Fri) 19:15 | URL | 編集 | 返信
テヤン #s6bbxX4M

お次は? その2

シンガーソングライダーTさんへ


>  食いしん坊のトンマンのために、忙しい司量部令の仕事の合間に、あちこちの市場なんかも覗いておいしいものを探してるピダムの姿が目に浮びます。

これ良いですねぇe-51
市場で買い物する司量部令ピダムさま。
危険な仕事をする傍らでトンマンの為にこっそり甘い物を吟味する姿に萌え~です!!!
真面目な顔しながら心の中で『うーん、美味い♪これなら陛下も(^_^)v』なーんて(笑)
泣く子も黙る鬼の司量部令さまに買いに来られた商人はもう震えあがってブルブルしちゃったりして。。。
ん~気の毒(゜レ゜)


>  ドラマ後半の不治の病におかされた陛下をトントンする、紫衣の麗人の心情とは、少し願いが違うのでしょうね~。
風邪ひきでも、幸せな二人、平和なときが少しでも続きますように!

願いは違えど『想い』は同じだと思いたいですe-420
『紫衣の麗人』。。。素敵な表現!!!ナイス、Tさん!!!!!
『黒衣の美丈夫』。。。へへへっ(^^ゞ並べて見ました~
『漆黒の若武者』。。。これでピダムの別名が全て揃いました(笑)

トンピの幸せよ!永遠に!!!
せめてこのブログの中ではそうあって欲しいですねぇ~

コメントありがとーございました<(_ _)>
とても美しくも温かなコメを頂き、私も心癒されました♪
またのお越しをお待ち致しておりま~すe-343


2012/12/14 (Fri) 19:17 | URL | 編集 | 返信
 #

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2012/12/15 (Sat) 00:55 |  | 編集 | 返信
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2012/12/15 (Sat) 11:32 |  | 編集 | 返信
テヤン #r2uX/xb.

『ピダム』なら全部LOVE(^-^)v


鍵コメさんへ


こんにちは~(^o^)/

>  三つのピダムの別名のうち、鍵コメが萌えるのは、やはり『漆黒の若武者』です。
なぜそうなのかは、わからないけど・・・。
例の、ナムギル傘をくるくるしてしてみても、胸が痛むほどにキュンとなるのは、黒ピダム君のところだけ。
たぶん、髭ありとか、痩せ過ぎとか、現代風スーツ姿のナム君は 、まあ、好きなんだけど、反応が今一つなんですが、黒ピダム君には、メロメロなんです~。

あっははははーっ、そーなんですねぇ(O.O;)(oo;)
凄い『黒ピダム君』への入れ込みe-269方ですねぇ(笑)
傘の写真もそこだけに反応するなんて!!!
テヤンは傘の中なら、どのナム君でも良いんだけどなぁe-266
そしてピダムなら尚更、どんなピダムでも大好きな管理人。
何でかは私も解りません(^-^ゞ


>黒ピダム君の前では、鍵コメとはいえ、とても、◯◯するどころではなく、ただただ、無言で、桂男に魂抜かれた抜け殻でしかありません~!

えーーーっ、勿体ない(O.O;)(oo;)
私はやらせて頂きますわよ!
テヤンが意外と土壇場になると強いのご存知ですよねぇ(笑)
やはり『後悔なんてしたくない』
…と言ってますが…桂男を目の前にしたら、やはり存在全てを持って行かれてしまうんだろーなぁe-420


トンピは例えるなら太陽と月…
王であるトンマンの政治によって出来る陰の部分を月であるピダムが担う。
そして太陽は慈愛の光で真っ暗な月を照らし包んで、自らの光を与え煌々と輝く月の美しさを愛でると共に…心癒され…
テヤンのお話のイメージはそんな感じですねぇ♪
鍵コメさんの◯◯の出来上がりを楽しみにしています(*^^*)

また、遊びにいらして下さいね~
お待ちしております(^з^)-☆


2012/12/15 (Sat) 13:45 | URL | 編集 | 返信
テヤン #r2uX/xb.

返信遅れてミアネヨ~>^_^<


鍵コメさんへ


真夜中にこんばんは~(^o^)/

> はじめまして。
キム・ナムギル氏にハマってまだ日の浅い鍵コメと申します。

初めましてm(__)m
管理人のテヤンと申します。
ご訪問&コメントありがとーございますe-51


> 偶然、テヤンさんのブログを見つけまして、ショートストーリーを読ませて頂いたら、なんだか情景が目に浮かぶようで、本編とはまた違った楽しさが沸いてきます。
ぜひ鍵付きのお話も読ませて頂きたいと思っていますがいかがでしょうか?
ちなみに私もブログを書いてはいるんですが、書くことがあまりなく、最近は更新怠り気味です。。。

SSお読み頂き、ありがとーございますm(__)m
うちのブログは『善徳女王』と言うよりピダム(ナムギル)e-266LOVEな管理人がピダムへの愛を叫びまくってるブログです。
ですのでSSも全てそのような感じになってしまって(^-^ゞ
他所様のブログのようにバラエティーに飛んでいるとは言えないかもしれません。

鍵付きのSSはパスワードを入れて下されば何方にも読めるようになっています♪
ブロ友申請はブログの右側の何処かにあると思います。
ただFC2のブログを持ってる方でないと申請出来ないかもしれません。
一度トライして見て下さいね(*^^*)

鍵コメさんのブログ、拝見させて頂きましたよ~
おんなじナムギルを愛する者同士…どうぞよろしくお願い致しま~す(^з^)-☆

こんな返事で宜しかったでしょうか?

2012/12/16 (Sun) 03:12 | URL | 編集 | 返信

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