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SS私のピダム 黄水仙




今日はのんびりとお花見をしたくなるような気持ちの良い日ですね♪

管理人は昨日近くの日帰り温泉で湯に浸かり身体を休めて参りました。

ちょっと風が肌寒い日でしたが庭の桃や桜が同時に咲いていて綺麗でした。

春は沢山の花が見られるので心がウキウキします。

ウキウキするのでお話がどんどん頭に浮かんできます。

今日のお話は花を題材にしました。

ユシンがあまり良い人に描かれていませんので(管理人のSSのユシンは『階伯』のユシンのイメージに近いです)

オムさんファンの皆さんには申し訳ありません<(_ _)>






朝方は空に何1つ無かったのに昼前には筋雲が現れ暖かな南風が吹き出した。

この暖かさで、内苑にある水仙が蕾を綻ばせているだろう。

風に揺れる可憐な黄色い水仙を見に内苑まで行きたい所だが今日は午後まで予定がびっしり詰まっている。

私が其処に行く頃には暗くなって見えなくなってしまうだろう。残念なことだ。

思わず溜め息をついた所に女官が水仙の束を抱えて部屋に入って来た。


「陛下。此方へ飾るようにと申し付けられました。どちらへ置きましょうか?」


「ああっ、其処の卓の上に置いてくれ。それにしても良い香りだな…」


「左様でございますね。」


「して、誰がここに飾るように申し付けたのか?」


「はい。陛下。ユシン公から先ほど届け られました」


「ユシンが…」


「はい」


女官が部屋から退出するのを見届けてから女王は水仙の活けられた花瓶に近付き、その甘い香りをそっと嗅いだ。


(ああっこの香りだ。土の中から芽を出したと思うとあっという間に蕾を付け…春の陽光と共に美しい黄色い花を咲かせる。その生命力と甘い香りで近付く者を魅力する。西方の話にも、水に写った自分に魅入られて遂には水仙になった者もいるという。不思議と心惹かれる花だ)


女王は涼やかな顔で便殿会議の為に仁康殿を後にした。


便殿では上大等ヨンチュンら大等たち、司量部令ピダム、内省使臣チュンチュ、上将軍ユシンらが女王の歩く毛氈の左右に並び皆神妙な顔で今年の税収入について話し合いをしていた。



「陛下のお成り!」


皆が頭を垂れる。

女王は赤い毛氈の上を軽やかに歩を進めていく。

黄金の冠の飾りとトゥリゲがシャラシャラと音をたてる。

たおやかな女王の所作に居並ぶ者全てが目を奪われている。

女王が王座へと続く階段を上り、ゆったりとその座に着くと眼下に並ぶ臣下たちを見渡した。



「皆、揃っておるな。知っての通り、今年の租税の見直しをしたいと思う。誰ぞ意見のある者はいるか?いないのなら…」


上将軍ユシンが珍しく手を上げた。


「陛下、宜しいでしょうか?」


「ああっ申せ」


「自作農の租税の件で申し上げたきことが御座います。昨年開墾した地区は別として、それ以前に開墾した土地を所有する自作農につきましては収穫に大分差が出ているようです。平均以上の者には5分課税し、以下の者は5分減らす。さほど変わりは無いように思えますが不公平感は多少なりとも抑えられるかと思えます。それと…昨年から今年にかけて大きな戦いが無かった為に兵糧米が余っております。これを使って救恤活動をされては如何でしょうか?」



「上将軍、素晴らしい考えだ。皆もそう思わないか?」


女王はユシンに微笑みかけた。ユシンは更にこう続けた。



「陛下。兵部の兵たちを使って荒れ地の開墾をされるのは如何でしょう?戦のない今は一石二鳥の軍事訓練にもなります」


「上将軍の意見は最もである。皆どうであろう!ユシンの意見を取り上げても良いか?」



上大等ヨンチュンが頷きながら


「ユシン公のご意見は最もです。早速各地の自作農の出来高を調査して見たいと思います。各々方、それで宜しいか?」


誰も反対する者はいなかった。


それを見たユシンは更に言葉を続けた。


「兵部の兵が荒れ地を開墾をすると同時に陛下ご自身の行幸を賜れば、各地の貴族も農民たちも歓待致しましょう。どうか、そちらもご考慮願えませんでしょうか?」





***

租税と軍事訓練、更には女王の行幸までも結びつけたユシンの考えに女王はいたく感心しそれを労う為に、久しぶりにユシンと夕膳を取ることにした。その席で


「陛下。此のように陛下と二人で膳を囲むのは久しく、これ此のように手が震えております」


とユシンは右手を左手で押さえながら言ったのを見て、女王はにこやかに微笑み


「そうであったか?」

と短く答えた。



「陛下…陛下の杯に御酒をお注ぎしとうございます。そちらに行っても宜しいですか?」


そう言って椅子を立ち上がり女王の真横に立つと女王の杯に御酒を注いだ。

そして腰を少し曲げて顔を女王の耳元に近づけて囁いた。


「陛下…今宵の伽も…どうぞ私にお命じ下さいますように…」


ユシンは自信たっぷりな顔で女王に迫った。

正面を向いた女王の顔が幽かに歪んだことにユシンは気付かなかった。


「今宵は疲れた。だから一人で寝たい。誰も閨には呼ばぬつもりだ。許せ、ユシン」


女王はきっぱりとその申し出を断った。



その後、席に戻ったユシンと和やかな会話がなされ、夕膳も終わり、香りの良いお茶を二人で飲んでいる何処にピダムが定時報告へやって来た。

ピダムは何時も通りに手短に報告を済ませると御前を辞し、女王は再びユシンと二人きりになった。

ピダムが仁康殿から立ち去ったことに安心したのかユシンも暫くすると


「ではそろそろ私もお暇致します。どうぞごゆるりとお休み下さい」

そう言って頭を下げると仁康殿を後にした。





***

苦々しげな顔でピダムは司量部に戻ると椅子にドシンと座り、政務報告書を見返した。

何時もの癖だったが…

パラパラと捲って行くと中に小さな紙が挟んであった。

(誰かの悪戯か?)

紙を開いて見ると紛れもなくそれは女王の字で書かれた手紙だった。


『今宵、申の刻仁康殿に参られよ。但し、神殿からの秘路を使って来られたし』


ピダムは読み終わると近くの灯火でそれを燃やした。





***

仄かな灯りが二人の影を揺らす。


「ピダム、知っていたか?ユシンが何を考えていたか」


「……」


ピダムは黙っている。


「昼前に、ユシンが彼方にある黄水仙を贈って来た。嬉しかった。実はな、水仙が咲いたかどうか気になっていたのだ。…だが、あの便殿会議が終わって暫し考えた。あの発言と言い、何の考えもなしにあのユシンが花など贈って来るだろうかと」



「陛下……陛下が黄色の水仙がお好きなのは皆が知っていることでは?」



「確かにそうだが……ピダム、黄水仙の花言葉を知っているか?」


「いいえ、存じません」


「もう一度振り向いて欲しいと言う意味があるのだ」


ピダムはえっと小さな声を出してから


「陛下…それはつまり…」


「そうだ。だから今宵は誰も此処に居てはならないのだ」


「此処に居てはならない。ならば今宵は何があっても許されると言うことですか?陛下?」


ピダムは意地悪い顔をしながらそう言うと、その表情を蠱惑的なものに変えて女王を抱きしめてから、

その額に…目頭に…頬に…最後に唇に口付けを落としていった。


「陛下…明日の朝、私も陛下に花をお贈り致します。黄水仙ではなく雪柳の花を沢山持って参ります」


「雪柳を?その意味は何だ?」


女王はそう質問したがピダムは女王の息を奪う程の口付けで女王を蕩けさせ、その後の言葉を全て遮ると女王の夜着の帯を解いた。

女王の身体は既に熱を帯び始めている。

ピダムはその夜も女王に色を供し、臣下として自らの全てを女王に捧げ…

その心で女王に愛を点した。



翌朝、目覚めた女王の寝台の周りは雪柳で囲まれていた。

女王はその意味など解らなくても良いと思った。

白い雪柳に包まれて…ただ幸せだった。





*雪柳の花言葉は愛矯・愛らしさ・懸命・静かな想いだそうです。





☆★☆★☆

実は管理人、雪柳がとっても好きなんです。

一つ一つの花は凄い小さいのに見た瞬間「ああっ綺麗だな!」って毎年思います。

何故でしょうか?清楚で控え目な美しさとでも言いましょうか。

優しい感じに心が癒されるのかもしれません。

ピダムは控えめな男ではありませんが、時にはこんな風にトンマンの心を春風のように

優しく撫でて、その心と身体の両方を持って行ってしまう。

管理人の理想のピダムはそんな男です(笑)

最後までお読み頂きましてありがとうございました(^_-)-☆
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2012/09/16(Sun) 00:26

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テヤン

こんな話も書いていたんですね(笑)

Iさんへ


> ピダムやることがニクいっ!!ですね!
陛下は花言葉わからなくとも、ピダムの愛を感じているカンジで。。いいですね~。ラブラブな感じが。
ユシンの入る隙なんぞ、ないどーー!! と、言ってやりたいです(笑)

ふふふふっ(^^♪
ユシンにそのように言ってやって下さい。
Iさんのコメント頂いて、久しぶりに自分が書いたSSを読みなおしました。
おおっ、こんなお話も書いていたんだ、私!!!っておいおい(^^ゞ
毎日走っていたので中々後ろを振り返ることができなくて…
Iさんのお陰でやっと振り返ることが出来て、とても嬉しかったです♪
ありがとうございます、私にチャンスを下さって<(_ _)>


> テヤン様の書くトンピは私の理想(妄想してたカポーv)です! いいお話いつも、ありがとうございます<(_ _*)>

私もトンピのイチャイチャ大好きなんで、このような展開になっております(笑)
これからも良い?お話が書けるように頑張りますね~(^_^)v

2012/09/16(Sun) 01:03

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