SSS黒の公子 花の姫君 その壱
何気なく鑑賞した韓国時代劇『武神(ムシン)』
とても重厚でいわゆるお堅い伝統的な時代ものなんですが…
結構面白くて…何が面白いって『台詞』が良いんですよ~
『人は死ぬまで煩悩との戦いだ』とか、ちょい臭いんですが…管理人こう言うのに弱いんです(^^ゞ
まぁ、毎日剣客商売でそれを嫌って言うほど味わっているんで(笑)

それと出演している俳優さんたちがとっても豪華
今回のヒロインはあの『美人図』でナムギルさんの相手役だったキム・ギュリ(旧ミンソン)さんが務めています♪
って言うのも最近知ったんですが(・・?

musin.jpg



『朱蒙』で高句麗 『善徳女王』で新羅 『近肖古王』で百済・・・
そしてこの『武神』で高麗を描こうと言うMBCの時代劇シリーズなんだそうですよ!!!
知らんかった~(?_?)

さてさて、そのお話はここまでにして。。。

今宵は管理人が夢の中で書いたピダム&トンマンのお話をお送りしたいと思います
続きをぽちっとしてお読みになって下さいね~♪





朝の冷え込みが一層厳しくなった初冬の演舞場では…
数名の花郎たちを相手に神国の公子ピダムが凍えるような寒さを感じさせないほどの大粒の玉の汗を額や首筋に浮かばせながら修練に没頭していた。
そこに集う男達の中で頭一つ大きな背丈を誇る公子。
常に真っ黒な衣と皮鎧をその身に纏い、戦時には黒色騎馬軍団を率いて目の前に立ちはだかる難敵を呆気なく蹴散らす姿から…
付いた異名は『黒の公子』『闇色の皇子』
戦場でその姿を見た者には文字通り黒い闇の底にあると言う地獄が待っていた。

実母である王妃ミシル譲りの妖艶な美貌、黒曜石の澄んだ眸に漆黒の髪、そして浅黒い肌…
その微笑みは太陽のように温かで、何より公子の喉から紡がれる甘美な声音とその美しい立ち姿は宮中の女官たちの憧れ…将に絵物語の世界から抜け出て来たような『美丈夫』であった。

すらりとして無駄のない引き締まった体躯から放たれる上段からの打ち込みの早さは凄まじく…公子に相対する熟練の花郎であり、公子の父違いの義弟ポジョン郎でさえも防戦一方になっている。

ガキン、ガキン、ダーーッん

ポジョン、刀を引くのが遅い!
それでも神国の花郎と言えるのかーー!!!

と木刀がぶつかり合う音と公子の怒号が早朝から仙門の周辺に響き渡っていた。



その朝も早くから寝床を脱け出し…乳母のソファの目を盗んで山に薬草を採取にやって来たトンマンは、その帰り道で偶々演舞場の横を通加することとなった。
最初はそのまま立ち去ろうとまだ凍っている霜で足を滑らせないようにと足元だけに注意を払っていたトンマンであったが…
『公子さま、危ない!』と叫んだアルチョン郎の突然の大声に驚いて、ついつい演舞場の方に目をやってしまった。

ああ、嫌だ嫌だ!あんな野蛮なことばかりをやってる人たちを見るなんて…

そうは思いながらも目に入った光景があまりに辛辣でトンマンはいつもの癖で怪我人の元へと急いで駆け寄ってしまっていた。

トンマンは公子ピダムの従姉妹にあたる姫で…
嫁入り前の行儀見習いとして宮中に長らく滞在していた。
その美しい容貌と民をこよなく愛する心と…そして徐羅伐のあちらこちらの寺院や道端に花の種子を蒔き、育てていることから『花の姫君』と呼ばれていた。



公子たちからは大分離れて弓矢の稽古をしていた朗徒の矢が誤って放たれた。
公子はポジョン郎と激しい攻防をしながら、己の顔目掛けて飛んで来た矢を寸でのところで交わして、その結果として矢は公子の肩を貫いていた。
それでも激戦の最中に矢を交わした公子は人並み外れた動体視力の持ち主と言っても過言ではない。

肩に矢が刺さったまま公子は膝をついて痛みに耐えている様子だったが…
トンマンの姿を目にすると、にっこりと春風のような爽やかな笑みをその端正な顔に浮かべるのだった。

トンマンはそんな公子の笑顔を無視するかのように…己の裳の裾を口でくわえるとビリビリとそれを引き裂いた。
破った布で公子の肩口を強く縛って止血すると持っていた宝玉の付いた小刀を懐から取り出し、消毒用に常に携帯している酒の瓶を腰から外すと小刀にタプタプとかけた。
そして公子に向かって


「公子さま、失礼致します。これから私が矢をお抜き致します」


公子は突然のトンマンの申し出に口の端を片方だけ上げてニヤリと笑いながら


「姫が私の身体に刀を立てると…そう申されるのですか?」


えっと言う顔をしたトンマンが…


「はい、これでも私…多くの矢傷、刀傷を治しております。どうか私にお任せ下さいますように…鏃(やじり)は肉が締まると厄介ですので」


「そうか、解った。そなたに任せる故、好きにするが良い」


公子はそう言うとその場に座り込んでトンマンにその身を差し出した。
トンマンは慣れた手つきで刀を動かし十文字に皮膚を切り裂くと鏃をあっという間に取りだした。
そして傷跡をこれまた慣れた手つきで縫い合わせると最後に傷口に焼酎をかけて、先ほど残しておいた布切れで傷口を覆い、治療は終了した。


「はい、これで終わりました。今日一日は傷の為にもあまりお動きになりませんように…」


「助かりました、姫」


トンマンは感謝の意を述べる公子の顔をろくろく見ずに


「私は当然のことをしたまでです。公子さま」


そう言ってその場を立ち去ろうとしたが
公子に左手を掴まれて身動きが取れなくなってしまった。


「姫、私はこれこのように怪我人ではありませんか?そうつれなくしないで下さいませんか?傷が痛んで…」


そう言うと『うっ』と言って顔を顰めた。
流石に気丈なトンマンもその顔を見てしまうと公子に優しい言葉を掛けねばならないと思い直すのだった。
それは自分の掲げる『力の弱い者には優しく、強き者には厳しくあれ』と言う幼い頃から変わらない想いでもあった。


「解りました、公子さま。私が宮までお送り致します。それでよろしいでしょうか?」


公子は待ってましたと言わんばかりににっこりほほ笑むと


「はい、姫君。よろしくお願い致します」


そう言って深々と頭を下げるのだった。





***

それから数ヶ月の時が経ち…
緑が目映い季節がやって来た。
国境で起こった百済との小競り合いを鎮圧して徐羅伐に軍と共に帰還した公子と渡り廊下で出くわしたトンマンが公子に挨拶だけするとそのまま去ろうとしたのを公子が呼び止めた。


「何故、私をきちんと見ないのだ?姫…」


「えっ、それは…」


口ごもるトンマンに迫る公子。


「私を嫌う理由があるなら、それを教えて貰えないだろうか?姫君…」


そう言うと公子はトンマンに息が掛かるほどに近付いた。
するとトンマンは…顔をしかめてこう呟く。


「血の匂いがします。人を沢山殺した、その匂いが公子さまに染み付いております。私は…私は人殺しは嫌いです」


公子は天を一度仰ぎ見てからトンマンの眸をじっと見詰めながら


「姫…私だって好きで戦いをしている訳ではない。神国の民を…君たちを護る為に戦っているのだ」


公子はそう言うとトンマンから視線を反らした。


「公子さま…それでも私は公子さまの手が血に染まるのは嫌なのです!」


「嫌だ!」と再び言われた公子はきっとトンマンを睨み付けると


「では、姫はどうなのですか?」


「…どう、とは?」


「貴女は城下に毎日というくらいに男の格好をして出ていらっしゃいますよね?」


「そ、それがどうかしましたか?」


公子は片方の口の端を上げてふふっと笑うと


「そして農民の手伝いや病人の世話をなさっているとか…確かにこう言えば聞こえは良いかもしれませんが…でも、それは間違っています」


今度はトンマンが公子を睨みながら


「間違っているですって?」


「はい、間違っています」


公子はトンマンの眸をその黒曜石の眸でじっと見ながら


「それは本来、国のやるべき仕事であって貴女の仕事ではない」


「公子さま。でも、国がやってくれないから…いえ、まだまだ十分にそれが行き渡っていないから私が手伝っているのです。それのどこが間違っているとおっしゃるのですか?」


公子はトンマンの鼻っ面まで顔を近付けて


「それは私が将来やるべき仕事。貴女のこの美しい手が汚泥にまみれ、この花の顏(かんばせ)が日に焼かれるのを見るのは耐えられない。とそう言っているのですよ!姫」


そう言うと太陽のようにからりっと笑った。


「貴女が私の手が血に染まるのを嫌だとおっしゃるのは我慢を致しますが…貴女が苦労する姿を見るのは我慢ならない。だから…姫…いや、トンマン…」


「公子さま?」


そよ風が二人の髪を頬を撫で…
そして公子の印である片耳に付けた金色に輝くトゥリゲをシャラリと鳴らして通り過ぎて行く。
ほんの少しだけ間を置いて公子はトンマンの前に跪くとこう言った。


「私の側に居て欲しい。妻になって下さいませんか?」


トンマンは公子からの思っても見ない求婚に驚いて…茶水晶の眸を大きく開けたまま…


「公子さま…今なんと仰せになられましたか?」


「だから…私の妻になって…私の側に一生いて欲しいとそのようにお願いしたつもり…なのですが…姫…」


そう言うとその長く美しい指をトンマンの手に絡め…自分の口元まで運ぶと
手の甲に優しく唇を充てた。


「あっ…」


これまで『恋』とは無縁な深窓で育てられて、男と言うものを全く知らないトンマンは己が手に充てられた公子の唇の感触に思わず仰け反りそうになった。

何と柔らかく…甘美な…

頬を真っ赤に染めて俯くトンマンがあまりに可愛らしく思えた公子はすくっと立ち上がるとトンマンを引き寄せそっと抱き締めた。


「ぁ、公子さま…」


トンマンは暫し公子の腕の中で公子の香りに包まれて公子の『優しさ』の中にその身を預けた。

この人の本質が『人殺し』でないことを私は当の昔に知っていた。
知っていて、それを長い間見ないようにしてきた。
それは何故か…
この人の『優しさ』に捕まってしまうのが怖かったから。
一度(ひとたび)この人の本質に触れてしまったら…
二度とそれを忘れることが出来なくなるから…
だから…今までこの人の黒い翼が届く場所には近付かないようにしてきたのに…

だのに…公子さま…
温かくて…優しくて…


『はっ』と、我に返ったトンマンは公子の胸を手でドンと撥ね退けると一目散に宮の外へと駆け出した。


「姫!」


そう叫んだ公子の声が虚しく響き…トンマンの姿はあっという間に視界から消え去った。
一人その場に残された公子はトンマンの唯一残していったもの…
その甘やかな花の香りに浸りながら、今までその腕の中にいた愛しい女子(おなご)の笑顔を思い出していた。


「トンマン…愛しい…」


公子は結んだ拳を胸の前で強く握り締め、狂おしいまでの想いをその中に閉じ込めようともがいた。
澄み渡った空には愉しげな鳴き声をあげて二羽の雲雀が戯れながら飛んでいくのが見える。

ぴーーっからから…ぴーーーっ…


長閑な五月晴れの午後。
公子ピダムとトンマンの『恋』が今、始まる。




続く…筈(笑)




☆最後までお読み頂きまして、ありがとーございました<(_ _)>
昨年観た映画『FSS 空の皇子 花の詩女』を元に少し少女漫画風の恋ばなを描いて見ようとかと思いまして…
鑑賞後にほんの少しだけ書いていたのですが…続きが書けずにおりました(^^ゞ

今週になって『ナムギル祭り』から何とか脱却出来た管理人(笑)
パッと閃いて何とか1話だけ書くことが出来ました♪

このお話は今までの『外伝』とは別物で何でもあり~で行きたいかなと…
ピダムのイメージは管理人がいつも書いている大人ピダムの青年版+公子なんでちょい強引さあり!

5000打記念も同時に書いておりましたが…まだ後半が書けていないのです(T_T)
ミアネヨ~<(_ _)>

今のテンプレのイメージが『黒の公子』のピダムに近いです





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Comment 2

Tさん

大大大好き、黒公子さま~!

v-238やはり、ピダムは、黒若がいいですね~!匂いたつような美少年ぶり。立っているだけで、ありがたいのに、武術の鍛錬など行えば、その汗に痺れ、怪我などなされば、こちらの胸がドギューんと絞られ倒れてしまいそうです。

 今、再放送で、「ピダム登場~アルチョン新公女様への誓いの場 」辺りを見直しているんだけど、ホームレスピダムは、やはり魅力的。あのボロ服着てるのに、なぜか、一番輝いていてどこの場面でも目を奪われてしまう。人殺し平気なのに、それもまた良しなんてのは、やはり、「彼の本質が人殺しではない」と感じているからなんですよね。それを、本質的に知っていて、彼の純粋な気質に強く惹かれてしまうのが怖くて、トンマン姫は、ピダム王子を避けていたんですね。納得!それでも、やはり、恋に落ちてしまう二人・・・。う~ん。白い翼に捕まるよりは、黒い翼につかまって、地獄のような劇的な愛にはまる方がいいよね。波乱万丈の展開、お待ちしています。
 
 第一話で、するりとプロポーズしちゃって、早急なピダム王子、これから、どんなふうにモーションかけていくのかヾ(@⌒ー⌒@)ノ楽しみ。 美味しい物作戦とか。仮病甘え作戦とか。ラブラブお手紙出しまくり作戦とか、やはり、ここは本編に沿って、「花束プレゼント&お手手離さない作戦」かな?!

2013/01/24(Thu) 10:06

Edit | Reply | 

テヤン

管理人も大、大、大好きです(^-^ゞ

シンガーソングライターTさんへ


こんばんは~♪

> v-238やはり、ピダムは、黒若がいいですね~!
匂いたつような美少年ぶり。
立っているだけで、ありがたいのに、武術の鍛錬など行えば、その汗に痺れ、怪我などなされば、こちらの胸がドギューんと絞られ倒れてしまいそうです。

初っぱなの『はぁ~とe-51』が可愛いッス(笑)
黒若ピダムが大、大、大好きなのはTさんだけじゃないみたいですよ(*^^*)
そしてあの立ち姿だけでも見惚れてしまうナムギル君=ピダムですからねぇ~
何やってても『キャーー!』になること間違いなし(^o^)v


>  今、再放送で、「ピダム登場~アルチョン新公女様への誓いの場 」辺りを見直しているんだけど、ホームレスピダムは、やはり魅力的。
あのボロ服着てるのに、なぜか、一番輝いていてどこの場面でも目を奪われてしまう。

うん、それ解ります(*^^*)
多分、演じてる中のお方が楽しかったんだと思います♪
中のお方は演技するの大好きですからe-53


>人殺し平気なのに、それもまた良しなんてのは、やはり、「彼の本質が人殺しではない」と感じているからなんですよね。
それを、本質的に知っていて、彼の純粋な気質に強く惹かれてしまうのが怖くて、トンマン姫は、ピダム王子を避けていたんですね。
納得!それでも、やはり、恋に落ちてしまう二人・・・。
う~ん。白い翼に捕まるよりは、黒い翼につかまって、地獄のような劇的な愛にはまる方がいいよね。波乱万丈の展開、お待ちしています。

ピダムの基本的な性格はそのままにして…
公子なので『責任感』みたいなものを付け加えて…
そんでもってトンマンの『はぁ~と』を(もれなく女官長たちも)ズギューンと撃ち抜いてしまうような太陽のオーラと月のオーラを持つ男として描いて見たいけど。
すんごい欲張り過ぎて…そんなの書けるのか…(((^_^;)
ちょとだけ心配してます(笑)


>  第一話で、するりとプロポーズしちゃって、早急なピダム王子、これから、どんなふうにモーションかけていくのかヾ(@⌒ー⌒@)ノ楽しみ。
美味しい物作戦とか。仮病甘え作戦とか。ラブラブお手紙出しまくり作戦とか、やはり、ここは本編に沿って、「花束プレゼント&お手手離さない作戦」かな?!

ふむふむ、皆さん色々考えてらっしゃるんですねぇ~
素晴らしいです♪
管理人なんて…早速、過去話にしちゃえ!とか思っていたのに(^-^ゞ
うーん、どうしましょうかねぇ~
じゃなかったら、また、ピダム公子行方不明にしちゃうとか…
基本的に管理人はトンマンの方からピダムを求めるパターンが好きなのかもしれません。
だって、その方が親身になって書ける気がするんで(笑)

コメントありがとーございましたm(__)m
また、遊びにいらして下さいね♪
お待ちしておりますe-68


2013/01/25(Fri) 00:40

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