拍手5000打記念リクエスト SS私のピダム 小夜鳴鳥(サヨナキドリ) その四

またまたチョン・ノミンさん(ソルォン公)発見!
ドラマ「武神」の中の高麗の将軍役です。
(因みにムンノは高麗の最高権力者の側近として既に登場してます。アルチョンも国王役で登場(^o^)v)

蒙古との戦いの最前線に立ち、力及ばず敗軍の将となってしまいます(T-T)

捕虜となり…
腹心の部下上役の将軍が蒙古に命乞いをするのを止めに掛かるのですが…

その顛末や如何に?
なんせ10万vs2500…キツい戦いなんですよ~(((^_^;)

でも、このドラマの良いところは最後まで諦めずに戦い続けよう!
と閣下と呼ばれる最高権力者が皆を鼓舞しちゃったりするとこで←臭いんだけど、そー言うの管理人大好きなんです。くぅ~っ(^-^ゞ
そして又その時に流れる曲が血潮を揺さぶるメロディなんですよ~o(^o^)o

何故か、掌をぐっと握りながら見入ってしまうテヤンなのでした(笑)


ドラマのお話はこのくらいにして…
今宵は『小夜鳴鳥』その四をUP致します♪
続きをぽちっとしてお読みになって下さいね~(^з^)-☆











夜の暗闇に紛れてピダムは上大等ヨンチュン公の私邸へと向かっていた。
徐羅伐を陰で牛耳る司量部令が供の一人も随行しないで夜道を歩くこと自体が可笑しな話であったが…ピダムはボロ服を着ていた頃からの気楽な一人歩きの習慣だけは変えることなく続けていた。
最も剣神と言われる神国一の剣客ピダムに護衛など必要もなければ…激務の中で宮廷から外に出ることが殆ど出来なくなっている身では随行する者を始終側に置くことなど必要では無くなっていたのだった。

朱雀大路の東側に陣取るそれは名門の私邸とあってピダムの私邸の数倍もある広大な敷地の中に絢爛豪華な造りの建物が幾つも並び立ち、宮殿に劣らぬほどの威勢を放っている。
ピダムの家の明かりが月の光ほどの明るさならば、此方は昼日中の太陽の光を集めた程の松明やら蝋燭の明かりやらで通りまでをも輝かせていた。
ピダムが門番に来訪を告げると、一月先には婿となる男がわざわざ私邸を訪ねて来たとあって主人のヨンチュンもその妻も…勿論娘のソルファも合い揃ってピダムを玄関先まで出迎えに来たのだった。
笑顔でピダムを出迎えるヨンチュン。


「これはこれはピダム公、ようこそお出で下さいました」


「先触れも無しに申し訳ありません。上大等さま」


とピダムは深々と頭を下げた。


「して今宵は如何なるご用向きでしょうか?それともソルファの顔を見に来られたのですか?はははっ」


その言葉を聞いたピダムの顔が能面のように全く変わらなかったのを見たヨンチュンが


「いやいやこれは失礼致しました。どうやら政治向きのお話らしい。それでは私の部屋で茶でも飲みながらお話することにいたしましょう」


ピダムは夫人とソルファに一礼するとヨンチュンの後に付いて奥まった部屋へと入って行く。
卓を間に椅子に座り一呼吸置くとピダムは早速本題を切り出した。


「ヨンチュン公、単刀直入にお話致します。陛下がご懐妊なされました」


「えっ?それは本当ですか?ピダム公」


「はい、間違い御座いません。今年中にご出産のご予定だそうです」


驚くヨンチュンの顔を鋭い眸で射るように見詰めるピダム。
伏し目がちになりながらもヨンチュンが確認するかのように


「つまり、ここにいらしたのは…陛下がご懐妊されたから我が娘ソルファとの『婚儀』を破棄されるおつもりだと…それを言いたいが為なのですか?」


ピダムは片方の唇の端を上げてニヤリと笑いながら


「はい、上大等さまのご理解が早くて助かります。元々は陛下にお子さまが出来ないのは…この私に『種』が無いからだと…それを理由に私を陛下の色供から一時外そうとなさったのは上大等さま、貴方です」


「ピダム公!」


「お話はこれで終わりました。私はこれにて失礼させて頂きます」


「待たれよ!ピダム公」


憤るヨンチュンを他所に、ピダムは椅子からすくっと立ち上がるとヨンチュンに一礼してその場を辞した。

長い渡り廊下を歩いていて門へと向かっている途中、庭先に佇むソルファの姿を見つけた。
東屋の側にある桃の大樹を見上げて…うっすらと色付き始めた蕾を眺めているようだった。
相変わらずのソルファの醸し出すたおやかで折れそうなその可憐な風情に…
ピダムは婚儀を一方的に破棄することで目の前の女人を酷く傷付けてしまうだろうことにほんの少しの罪悪感を覚えていた。


「ソルファ殿」


「ピダムさま」


ソルファはピダムの声を耳にすると嬉しそうに振り返って小走りにピダムの元へと近付いた。


「ピダムさま、もうお帰りになられるのですか?」


「はい」


「ピダムさま…あの…その、もしかして私との婚儀をお断りにいらしたのですか?」


ピダムの眉尻がほんの少し下がった。


「何故、そうお思いになられるのですか?」


「ああ、やはり、そうでいらっしゃいましたか…」


「ソルファ殿、申し訳ありません」


そう言って自分に向かって深々と頭を下げるピダムにソルファは自分の気持ちを吐露し始めようとした。


「ピダムさま、どうか頭をお上げになって下さい。私は最初からこうなることは解っておりましたから…」


「ソルファ殿、何故そうお思いになられたのですか?」


「それは…」


ソルファは一瞬言葉をつぐむのを躊躇したが…その身の内の勇気を総動員するとピダムの目を真っ直ぐに見詰めてこう懇願した。


「ピダムさま、ほんの少しの間だけ私の戯言をお聞き願えますか?」


ピダムは黙ってゆっくりと頷いた。
ソルファは優しく微笑むと再びゆっくりと語り出した。


「私がピダムさまのお姿を初めて拝見したのは宮中での『秋夕』の宴でした。その頃、私はまだ幼く…花郎姿の貴方さまはそれはそれはお美しくて…深味のある歌声でその場にいる女人の心を鷲掴みにされておりました。まるで絵物語に出てくる『西方の国の王子』のように私には思えて…一目で貴方さまに『恋』をしてしまいましたの。来る日もまた明くる日も夢見るように貴方さまの姿を追い、胸を焦がし…。それはとても幸せな時間で御座いました。ところがある時私は知ってしまいましたの。貴方さまには心に思う御方がいらっしゃることを…」


「…」


「端から私などは相手にされる筈もないと思っていた矢先に、この度の御婚儀のお話が持ち上がり私は夢の中の出来事のように毎日が楽しくて…短い間でしたけれど貴方さまのお側にいられたことを嬉しく思っております。ピダムさま、どうか愛する御方とお幸せに。さようなら…」


ソルファの眸から幾筋もの泪が溢れだし頬を濡らしていた。
ピダムはただ黙ってソルファを見送ることしか出来ず…
その場に暫し佇んではふーっと溜め息を吐いた。


ソルファ殿、すまない。
貴女が言うように私の心が向かう先はただ一つ。
例え遠く離ればなれになっても…
愛する儷(つれあい)を求め、鳴き続ける『小夜鳴鳥』のように…
必ず私はあの御方の元に帰って見せる。
この手が真っ赤な血に染まり…
人々に後ろ指を刺されても…
『背徳』と言う枷で手足の自由が効かなくなったとしても…
あの御方の元へ…


ピダムは懐に仕舞ってあった羽扇を取り出すと再び朱雀大路を宮殿の方に向かって歩き始めた。



**

新羅王宮内 春秋の宮


「司量部令がお目通りを願い出ておりますが…チュンチュさま、如何致しましょうか?」


チュンチュはほんの少しだけ眉を動かしてこう返事をした。


「ああ、お通ししろ」


部屋の扉が開けられると黒衣に身を包んだピダムがさっと入って来た。
チュンチュに一礼するとどっかりと目の前の椅子に腰を下ろした。


「ピダム公、今宵は又随分と乱暴なご訪問ですね?」


「申し訳ありません、チュンチュ公。時には昔話などがしたくなりまして…これこのように訪ねて参った次第…」


互いにその端正な顏(かんばせ)に作り笑いを湛えながら


「そう言えばピダム公、御結婚の御祝いを申し上げるのを忘れておりました。この度はおめでとうございます。これで私たちの間に『縁』が又一つ増えたことになりますね」


「はい、有難いことです、チュンチュ公。慶事は重なると申しますが…大変目出度いことを私は昨日偶然耳に致しました」


「何か御座いましたか、ピダム公?」


「はい、チュンチュ公。陛下がご懐妊なされました」


そう言ったピダムは口の端を上げながらにっこりと微笑んだ。
その反対にチュンチュは表情を強張らせて


「左様で御座いましたか…それは国の慶事。ピダム公、お役目ご苦労様で御座います。では『色供』増員の件は…」


「はい、必要はなくなったと言うことです、チュンチュ公」


ピダムはどや顔になり、チュンチュは手をぐっと握りしめながら微かにそれを震わせている。
それでもピダムに対する嫌がらせをしたいチュンチュは


「されどピダム公、既に勅書まで出され、日取りまで決まった婚儀を取り止める等と言う馬鹿なことは仰せにはならないですよね?」


ピダムは手にした羽扇をぎゅっと握り締めながら…


「チュンチュ公、私は先ほど昔話をしに来たと申しましたが…」


そこで言葉を切ったピダムはかたんと立ち上がると疾風の如くに動いてチュンチュの後ろを取ると羽扇の柄を抜き取りながら…


「チュンチュ…お前と俺が初めて会った、あの時のことを思い出せ!師匠が残した大切な『三韓地勢』を破り取って折り紙遊びをしていたお前を俺がどうしたかを…もはや忘れてはいまい?」


キラリと光るそれをチュンチュの首元に充てながら


「ピダム…お前気でも狂ったのか?」


「いいや、気など狂ってはいない。俺の本質はあの頃と何も変わってはいない。只、陛下の御為にこの詰まらん礼服を着て王宮で暮らす人形となっているだけだ」


ピダムは刃物を持っていない反対側の手でチュンチュの顎にぐいっと掴むと


「俺が変わっていない証拠にお前の喉元をスッパリ切ってやっても良いんだぜ、チュンチュ」


ピダムの悪魔のような囁きと…
体から放たれるビリビリとした殺気と…
狂喜に満ちた顔をチラリと垣間見たチュンチュは背中に悪寒が走るのを覚えた。


本気なのか?ピダム?
其処までして叔母上の…陛下の側にいたいと言うのか?
残念だが、今回は私の敗けだ。
だがいつの日にか…お前の母によって死に追いやられた私の母の怨みは果たす。
そして…叔母上をお前から奪い取ってやる。
必ず…
必ずだ。


ピダムの並々ならぬ決意を感じ取ったチュンチュはピダムが喉元から小刀を外すまで一言も発することはなかった。
既に勝負が着いたことを確信したピダムはチュンチュに向かって


「ソルファはお前が責任を持って世話をしろ!それから…俺は王位に興味はない。生まれて来る御子が女子ならお前の妻にするが良い。王位はいずれお前のものとなろう。万が一にも男子が生まれるようなことがあれば…俺が自ら手を下そう。だから、お前は余計なことをするな。これ以上陛下を悲しませるようなことがあれば次は必ずお前を殺す!」


そう言い放つとピダムは風のように部屋から出て行った。
チュンチュはピダムの立ち去る足音が聞こえなくなるまでその場に座ったままゆらゆらと揺れ動く明かり取りの蝋燭の焔を暫く見続けていた。
夜が明ければ女王の懐妊の知らせと共に叔父のヨンチュン公がこの部屋に飛び込んでくるだろう。
あともう一歩で手が届くかに思えた叔母の姿がぼんやりと浮かんでは闇の中へと消えて行った。





「陛下…ピダムです」


既に日付が変わろうとしている深夜に…
仁康殿の女王の私室の扉が開かれるのを待つピダムの姿があった。


「ああ、入るが良い」


そう女王の声が聴こえた途端、ピダムは自分で扉を押し開けそうな勢いで中へと入って行った。
扉が閉まるか閉まらないかの…その刹那…
ピダムは目の前にいる夜着姿の女王に駆け寄ると何も言わずに女王をがばっと抱き締めた。


「…」


ピダムの身体が微かに震えているのを感じながらも女王は己の腕をピダムの背中に回すとピダムの広い背中を赤子をあやすようにとんとんと叩いた。


「ピダム…良く無事に帰って来てくれた」


「陛下…」


「お前が帰って来るのを今か今かと…心待ちにしていた。ピダム…」


「陛下…」


「震えているが…一体何をして来たのだ?ピダム?」


「お知りになりたいのですか?陛下…」


そう言ったピダムの眸を覗き込んだ女王はピダムの深淵の眸の奥に真っ赤な泪を流しながら刀を振るう非天の姿を見たような気がした。




続く。




☆最後までお読み下さり、ありがとーございますm(__)m
物語はほぼ終結致しました!
後はトンピが互いの心と体を癒し、癒される…それだけですかねぇ~(^-^ゞ

非天とは阿修羅のことです。
天に在らざるもの。
帝釈天によって天から追放された神、阿修羅。
ピダム(ナムギルさん)にはぴったりな神さまですよね♪


☆最後を少し修正しました(^-^ゞ


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Comment

Tさん #-

ボロ服の阿修羅くん、\(~o~)/

 色供辞退、ソルファと婚儀という事態になって、血を吐くようにして、陛下から身を引いて去ろうとしたピダム・・・。陛下の元へ戻るときも、また、阿修羅の如く~。流石に,司量部令だけあって鮮やかな かたのつけ方で・・・。きっちりとけじめをつけてから、戻りたかったその気持ち,分かります。

 震えるほどに、気持ちが高ぶり、そしてやっと陛下のもとに戻ってきたんですね。あなたは、ボロ服のときは無情な男なのに、陛下の前では、なぜそれほど熱くやさしくなれるのでしょう。やっぱり、二人は、サヨナキドリの仲ですね~!v-238 こうして、ピダムの長い一日が終わるのでした。(/ω\*)いや、まだ、その長い夜が残っているのね~。どんなことになるのやら~!! 

 サヨナキドリ・・・。その伍、パスワード付きですね![絵文字:v-42

2013/02/13 (Wed) 22:59 | URL | 編集 | 返信
テヤン #r2uX/xb.

天衣無縫な男♪


シンガーソングライターTさんへ


こんばんは~(^o^)/

>  色供辞退、ソルファと婚儀という事態になって、血を吐くようにして、陛下から身を引いて去ろうとしたピダム・・・。
陛下の元へ戻るときも、また、阿修羅の如く~。
流石に,司量部令だけあって鮮やかな かたのつけ方で・・・。
きっちりとけじめをつけてから、戻りたかったその気持ち,分かります。

勝算なき戦いはしない男ピダム。
天に在らざる者…そして地にも在らざる者。
天衣無縫の白い衣を羽織り…天地の間を疾風の如く駆け抜ける者。
なーんか今日はバレンタインデーなのでピダム君に対するLOVEe-266度MAXになっております(^o^)v
阿修羅~とか書いてんのに…何故か白い衣の君とか言ってる管理人(^-^ゞ
ピダム君は赤と白とか…赤と黒とか…二面性のある人だから。
その時その時での使い分けが必要なんですねぇ~←中の人もそうですよね?(笑)
ああ、全くコメントに対してのお答えになってません、ミアネヨ~m(__)m


>  震えるほどに、気持ちが高ぶり、そしてやっと陛下のもとに戻ってきたんですね。あなたは、ボロ服のときは無情な男なのに、陛下の前では、なぜそれほど熱くやさしくなれるのでしょう。
やっぱり、二人は、サヨナキドリの仲ですね~!v-238 

ピダムと言えど…あまりに久しぶりのボロ服モード(血飛沫&血糊、ノープロブレン)
長い宮廷暮らしで抑えに抑えて来た想いが一気に溢れだし…
プラス陛下をお抱き申し上げることが出来る~!とか思ったら武者震いがしちゃったんでしょうねぇ~(笑)
マイベターハーフ=トンマン&ピダム


>こうして、ピダムの長い一日が終わるのでした。
(/ω\*)いや、まだ、その長い夜が残っているのね~。どんなことになるのやら~!! 
サヨナキドリ・・・。
その伍、パスワード付きですね!v-42

あーやっぱりそうならないとダメなのねぇ~(爆)
どんなのが良いですかぁ?
あまりハードなものは…陛下、懐妊してるし(((^_^;)
お風呂バージョンは『黄金色の日々』で書こうと思ってるので…除外!
ちょっと考えて見ま~~す(^o^)v


コメントありがとーございましたm(__)m
また、遊びにいらして下さいね~♪




2013/02/14 (Thu) 20:50 | URL | 編集 | 返信

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