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SS 桃色の季(とき) 2013年度version

 12,2013 22:40
皆さん、こんばんは~ヽ(^。^)ノ
いよいよ明日はナムギル君のお誕生日&DVD発売日です!!!
もう既にDVDが届いている方もいらっしゃるとか…おおっ羨ましい(゜レ゜)
管理人は来週までお預けなのでじっくり待ちたいと思いま~す。


さてさて今宵は『ナムギル君birthday』前夜祭としてSSを一つ。
今回も少しばかりやらしい表現が出てきますので…
それでも大丈夫な方だけ続きをポチっとしてお読みになって下さいね~





漸く日差しの中に春を感じられる頃。
木々の梢で膨らみ始めた蕾を剥ぎ取って行ってしまうくらいに激しい南風が吹き付けた。
春一番に吹く風。
あまりの風の強さに渡り廊下をそそとして歩くことさえも叶わず、朝餉を済ませると書庫に籠り政治学や帝王学に付いて書かれた本を机の上に山積みにしては時間の経つのも忘れてそれらを読み耽っていた公主トンマンは周りに誰もいないことを良いことに大きな欠伸をした。


「ふぁ~~ぁぁ、ん~~~っ」


ついでに両腕を頭の上に持ち上げて雪のように白い二の腕を露にしながら背伸びもして見せたのだった。
その大神国の公主らしくない立ち居振る舞いをもし万が一にも実母であるマヤ王妃やあのミシル璽主にでも見られるようなことがあったなら大目玉を喰らうばかりか、軽蔑の眼差しを受ける程にそれは粗野な振る舞いに違いなかった。

西方の多くの人々が行き交う砂漠のオアシスで自由気儘に育ち、宿敵チルスクに追われるように故郷を離れ父と思いし国仙ムンノを探し求めて…
苦労の末にやっとのことでこの神国に辿り着いて以来、ずっと男の姿に身をやつして生きて来たのだから、そう簡単にはその癖が抜ける筈もない。
宮廷の礼儀作法はそうでなくても骨の折れるものばかり。
時には人目のない処で思い切り羽目を外して見たい思うのは道理だろう…などとそんな不遜なことを考えながら公主はじっと書棚のあちら側にあるもう一つの机をぼんやりと眺めた。
すると何やらそちらの方から自分以外の気配を微かに感じて…


んっ、はて?今、向こうから誰かの笑い声が聞こえたような…


公主が書庫に籠ってから二刻余りが過ぎようとしていたが、それまでに書庫に入って来た者はいない。
となればそれ以前からそこに誰かがいたと言うことになる。
公主は立ち上がってそれを確認すべく恐る恐るそちらを覗きに行った。

するとそこには椅子を幾つか並べて悠々とその上に寝そべっているピダムの姿があった。
すらりと伸びた体躯を普段と同じように漆黒の花郎の衣装に包んだピダムは多少窮屈そうにしながらも腕を胸の辺りに置いてすやすやと眠っていた。
公主がそろそろと近付くとその微かな足音を耳にしたのか、ピダムが突然ぱっと目を開けてつぶらな黒曜石の眸でじろりと公主を見遣った。


「クスクスクスっ…公主さま、じっとしているのがそろそろお嫌になったのですか?」


そう言うと片方の目をぱちっと瞑って見せるのだった。
ピダムのやんちゃな仕草にドキリッとしながらも公主は冷静を装って


「ピ、ピダム…お、お前、何時からそこに?」


「えっ、あ、はい、公主さま。公主さまがここに入っていらっしゃる少し前からです」


そう言いながらピダムは体を起こして椅子に座って見せた。
公主は伐が悪そうに頬を染めながら伏し目がちに


「ピダム、お前相変わらず人が悪いぞ。居るなら居るでもっと早くに声を掛けてくれたら良いのに…それに…」


「それに何ですか?」


「それに…ピダム、朝の修練はどうした?修練に参加するのは花郎としての務めではないのか?」


ピダムは余裕綽々な顔で


「ああ、それですか?稽古はやりましたよ!一人稽古ですが…」


「一人稽古?」


「はい、一人で山に入り己と向き合う為の剣の修行です。私のような者には時としてそのような修練も必要になるのです。公主さま」


公主はピダムを誤解したことを詫びるように


「そうか、そうとは知らずに怒るような真似をしたことは謝る。それは謝るがやはりピダムお前は…」


「公主さま、『それでもやはり人が悪い』とそうおっしゃりたいんですね?」


「うん、そうだ、ピダム!」


公主が笑いながらそう言うとピダムは何かが閃いたのか…眼を大きく見開きながら手をポンと一つ叩くとゆっくりとした口調で


「酷い言われようです、公主さま。では…そうですねぇ。こういたしましょう!私が良い人間だと証明する為にも…明日私と二人だけで遠駆けに参りませんか?公主さま」


公主は眉間に小さな皺を寄せながら


「んっ?良い人間と遠駆けと一体何の関係があると言うんだ、ピダム?」


ピダムは懐に仕舞ってあった少し萎びかけた『桃』の小枝を取り出して公主に渡すと


「公主さま、昨年は雨続きで遂にそれを見に行くことが出来ませんでした。覚えてらっしゃいますか?…だから今年は二人きりで遠駆けに参りましょう…ねぇ、良いでしょう?公主さまぁ~」


そう言って甘ったるい声音で公主におねだりをしたピダムは真っ白い歯を見せながら春の女神の使いの童子のように艶やかに微笑んで見せるのだった。
その美しくも穏やかで邪気のない笑顔に一瞬の内に魅了された公主。
同時に雨降る薄暗い夕暮れ時にピダムと二人で見た桃の花…まるで桃色の洪水のように目の中に飛び込んで来たあの風景を思い出すと胸の奥で何やらきゅんと音が鳴るのを感じた。


ピダム…お前と言うやつは…


公主はピダムの一年越しの想いを無下に断ることが出来ずにこくんと素直に首を縦に振った。

暴風未だ止まず…
書庫の廊下の向こう側にある外へと通ずる扉がバタンバタンと大きな音を鳴らす度に金で造られた精巧な飾り金具がチリンチリンと言う音を響かせ続けている。


「そうだ…ピダム、折角だから一緒に昼餉を食べないか?」


「はい、公主さま、喜んで!」


そうして書庫の住人だった二人は嵐のような風の中、笑い声を立てながら公主宮へと向かったのだった。




**

明けて翌日は早朝からからりと晴れ渡り、絶好の行楽日和。
公主はピダム一人を伴って宮殿を密かに出発した。
アルチョン宛てに手紙をしたため枕元にそれを置いて…
だからきっと今頃、朝の支度の為にやって来た女官たちは右往左往しているに違いない。
とは思ってみたが…こうでもしなければ堅苦しい宮殿からピダムと二人『花見』の為に容易く抜け出すことは難しい。

まだほんの少し冬の冷気が漂う朝方であったが…
後ろに寄り添うピダムの温かな体温が心地好く背中に伝わり、時折耳に掛かるピダムの息遣いが公主の胸をとくとくと鳴らしていた。


「ピダム…お前の言う桃の群生地はここから遠いのか?」


徐羅伐の街並みから抜け出そうとしている頃に公主がピダムにそう質問をした。


「そうですね!遠いと言えば遠いかもしれません。何か心配事がお有りですか?公主さま」


公主は首をふるふると左右に振りながら


「いいや、何もない。ただ、何となく聞いて見ただけだ!ピダム」


「そうですか。ではこれから馬を少し駆けさせますので、暫くの間舌を噛まないようにお話出来なくなりますが…宜しいですか?」


公主は首をこくんと縦に振りながら「うん」と小さく返事をした。
馬の尻に鞭を二、三度充てて、疾風の如くに馬を疾走させるピダム。
そのピダムの力強い腕にしっかりと抱かれて真綿に護られた宝玉のように夢見心地の公主。
馬が地面を蹴り上げる蹄の音の他には空を切る風の微かな音が聴こえるだけで…
ピダムの熱い血潮の音もそれに掻き消されてしまって夢(む)の中に漂う舟の如くにピダムの広い胸の中で体がゆらゆらと揺れる。
時を忘れ、己の全てを忘れて…
ピダムと共に馬に股がり魂を風に乗せて走る一時。
これ以上に心地好く心の底から面白いと思うことが他にあるだろうか…
公主は頭をからっぽにして、その身も心をもピダムの操る手綱に託すのだった。



そうして時々馬を休ませながら一刻ほど走ると…
山を三つほど越えた場所にあるなだらかな丘に群生する桃が零れるように咲き誇り、辺り一面が桃色に染まる鮮やかな風景が目に飛びこんで来た。
その瞬間、公主の心は踊った。
ピダムが一年越しに自分を誘った理由。
目の前に広がる『桃源郷』がそこにあった。
息を飲むほどに美しいそれは公主から言葉を奪った。


「如何です、公主さま?綺麗でしょう?」


「…」


口をポカンと開けて目を見張っている公主。
『公主さま、感動し過ぎて言葉が出ないんだな』とその場の雰囲気を悟ったピダムはそれ以上は何一つ語らずに公主がこの景色に飽きるまで付き合うことにした。
ゆっくりと馬を先に進めるピダム。
桃の甘い香りがほんのりと風に乗って漂って来る。
春まだ浅いとは言え日の光は燦々と二人の上にも目の前の桃の木々にも満遍なく降り注いでいる。


「ふぁ~~ぁ、何て気持ちが良いんだ!」


公主はとうとう我慢仕切れずに欠伸のような溜め息のような息を吐き出しながらそう言った。


「ぷっ…あははははっ…」


「ピダム、何を笑う?」


後ろを振り向きながらそう言って怒る公主にピダムが


「いえ、やっと何時もの公主さまに戻ったなぁと思いまして…」


「ピダム!」


「はいはい、公主さま。俺が悪かった、そう謝ればご機嫌を直して頂けますか?」


公主はピダムの右手の甲をぎゅっと摘まんで


「ピダムの意地悪!」


そう言って馬の背から飛び降りようとした。


「あ、危ない、公主さま」


慌てて公主の腹の辺りを手で捕まえてぐいっと自分の方に引き寄せるピダム。


「公主さま、ここから落ちたら怪我をしますよ!今、降ろして差し上げますから少し我慢して下さい」


「…」


ピダムは平らな場所まで馬を進めると先ず自分が先に降りて、次に公主に両手を差し伸べた。
結局、ピダムの胸の中にストンと抱き抱えられるようにして馬から降りた公主は小さな声でピダムに『ありがとう』と礼を言うしか無かった。
自尊心の高い公主のそれを聞いた途端、ピダムは意地悪をした訳では無かったが公主の可愛らしい仕草を笑ったことを反省し…こう言うのだった。


「公主さま、俺は意地悪で貴女を笑ったんじゃない。唯、あまりに貴女の仕草が可愛くて…公主さま…俺…」


じっと己を見詰めるピダムの深い深淵の眸に真心と欲望の両方が入り交じっているのが公主には見て取れた。
ピダムの真っ黒な眸と公主の薄茶色の眸がピタリと重なり合う。
桃の木々に囲まれた二人の他に動くものは自分たちが乗って来た馬と桃の花の蜜を吸いにやって来た小さな虫たちと…空を飛翔する鳥たちだけ。
薄雲が幾つか流れては消えて行く。
ほんのりと吹く風に乗って桃の花弁が二人の上にひらひらと舞い落ちる。
と…その一片をピダムが指で摘まんで掌に乗せて公主に差し出した。


「公主さま、ご覧下さい。まるで公主さまの…のように…綺麗だ!」


ピダムが口にした卑猥な言葉を聞いて公主の心臓はどくんと音を立てた。
潤んだ黒曜石の眸が熱を孕み…眸の奥の更に奥にある鍵の掛かった扉を抉じ開けようとするかのように真っ直ぐに自分を見詰めている。
ピダムはゆっくりと公主の背中に腕を回してそっと公主を抱き締めた。
ピダムの心臓が奏でるトクトクっと言う早鐘を打ったような鼓動を聞く内に、公主はそのまま全てをピダムの前に投げ出してしまおうか否か悩んだ、悩んだ末に…
トンっとピダムの胸を手で跳ね退けると兎のように駆け出した。
突然腕の中から居なくなった公主。
自分の想いを拒絶されて呆然とそこに立ち尽くすピダム。


「ピダム…私がそんなに欲しいのならこっちへ来て…私を捕まえて見るがいい!」


そう言ってピダムを挑発するようにニヤリと笑って言い放った。
それを聞いたピダムの眸は再び光を取り戻し公主の後を追うように桃の木々の間を嬉々として走って行く。
時々後ろを振り返りながら公主が手を振って


「ピダム…こっちだ!こっち!」


「公主さまぁ」


それから暫くの間そうして子どものようにじゃれ合いながら追い駆けっこをする二人。
楽しそうな笑い声が耐えることなく聴こえる長閑な桃の林には愁いも苦しみもなく…
愛と希望が溢れている。
軈て公主に追い付いたピダムが公主の手をがっしりと捕まえると、自由を奪われて振り向いた公主が花のように笑っている。


「ピダム…ふふっ」


「公主さま、何です?」


「ピダム…ふふふっ。沢山走ったらお腹が空いてしまった…だから、この続きは昼餉を食べてからにしないか、なぁ、ピダム?良いだろう?」


自分を下から覗き込むクルクル動く茶水晶の眸、その可愛らしい物言いと自分に向けられた太陽のように眩しい笑顔にあっという間に絡み取られたピダムは黙って『うん』と首を縦に振るしかなかった。
次の瞬間、ぎゅるぎゅるぎゅるっとピダムの腹の虫が鳴いた。
それを聴いた公主が笑い声を上げると釣られてピダムも腹を押さえて笑い出し、再び二人の楽しそうな笑い声が林の中に響き渡る。






すぐそばの梢で雄の鶯が雌を誘って鳴く声が聴こえている。
持参した昼餉を食べ終わると二人は枝の上で睦ましく互いを啄む鶯のように誰にも邪魔されることなく愛の歌を奏で始めた。
鶯の羽毛のようにふわりとした口付けで公主の心を時めかせたピダムは徐々に口付けを深め舌を公主の口中に侵入させると…息も吐かせぬような口付けで公主を蕩けさす。
ピダムと濃密な口付けを交わしながらもうっすらと目を開ける公主。

ふっと見上げた空は何処までも蒼く…美しく…
果てしなく…
幼い頃に砂漠で見た真っ青な空と変わらずに美しい…

ピダム…
何故、人はこの澄んだ空と違って時を経ると変わって行ってしまうのだろう?
十年の後も、いや来年も又同じように…
お前と再びこの満開の桃の花を見に来られるとは限らない。

だがピダム…それでも私はお前だけは変わらないでいてくれると信じたい。
年と共にお前のその美しい姿は変われど、その心根だけは…
お前の私を想う真心と心の奥の純粋さだけはずっと変わらないでいてくれると信じている。
だからピダム…


公主は愛しそうにピダムを見詰めるとそっと目を瞑った。


お前と二人、これからもずっと喜びも哀しみも苦しみもその全てを分かち合って生きて行きたい。
勿論、今夜宮殿に帰ってアルチョンの大目玉を受けるのも…
なぁ、ピ、ダム…ぅん、ぁぁ…


今を盛りに咲き誇る桃の林の中で…
公主もピダムによって秘密の扉の鍵を外され、花開かれ…
軅て薄桃色に咲き乱れる花となる。

公主の真っ白な裳の中に頭を突っ込むピダム。
ひらひらと舞うように飛んで行く蝶のように公主の震える蕾にピダムがそっと触れると
公主の花の精のような可憐な嬌声が上がる。
もぞもぞと蠢くピダムの額や鼻の頭にはうっすらと汗が滲んでいる。
滴り落ちる花の蜜を舐め取るピダムの舌が鳴らす水音が辺りに漏れ出し
公主は首を左右に振って果てしなく続く快楽に呑みこまれないように何とか意識を保っている。



春の長閑けき…昼下がり
初々しい恋人たちが愛を交わし合う
桃色の季(とき)


真っ青な空に浮かぶ雲がゆっくりと流れて行く…
そよそよと吹くそよ風が公主の頬を優しく撫でて行った。










☆最後までお読み下さり、ありがとうございました<(_ _)>

今回はこのブログの冒頭のお話を再び…と言うか翌年バージョンにして書いて見ました♪
最後の方は少しばかり書き加えて…ややエロになってしまいましたが…
『ナムギル君birthday』前夜祭のサービスってことでお許しくださいね(^^ゞ

管理人明日は新大久保&パネル展に行く予定でおりま~す♪
昨年は新大久保で確か『赤黒祭り』やってましたよね!

今年はどんな一日になるのか…楽しみです(^_-)-☆





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