風の歌声

ピダム&男前を愛する管理人の萌えブログです♪

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SS私のピダム 司量部令の一日 その伍

皆さん、こんばんは~(^o^)/

久しぶりにSSの更新をします♪

천천히 천천히【チョンチョニ チョンチョニ】(ゆっくり ゆっくり)進めて行くので…最後までお付き合いして頂けると嬉しいですo(^o^)o

では続きをポチっとしてお読み下さいね~






長閑な春の午後。
遅れて『桜波苑』へとやって来たピダムは黒曜石の眸の中に目覚めたばかりの女王を捉えながら

「陛下の寝顔があまりにお可愛らしくて…私はお側に侍りそれをずっと見ていたかったのです」

耳に心地よい甘美な低い声音で囁くように言って見せた。

「そ、そうか…」

そう言って未だ恋に不馴れな無垢な乙女のように二の句をつけずに頬や耳を真っ赤に染める女王。
そんな女王を愛しげに見詰めるピダム。
時が其処だけ止まったかのように眸と眸を重ね見詰め合う二人。
頭上を覆う満開の花をたわわに抱えた桜の大樹からは薄紅色の花弁がはらはらと舞い落ちて…
その幾枚かが女王の艶やかな黒髪や涼やかな絹衣にひらりと漂着した。
女王のそんな可憐な佇まいをそのままにしてずっと眺めていたいと思う反面…
募る『愛しさ』をもっと言葉に出して伝えたいと思ったピダムは右手をそっと伸ばしてそれを指で摘まむと女王の目の前に差し出して見せた。

「陛下…これこのように美しい花弁を送って心を伝えようと…どうやら彼処に住まう桜の精霊も陛下をお好きと見えます」

そう言って片方の口の端を上げて笑っているピダムは何時にも増して楽しそうに見える。
そんなピダムに女王も口の端を上げて上目遣いにふっと微笑みながら

「だがピダム…お前の言うその桜の精霊が男とは限らぬのではないか?」

女王の反撃にピダムは一瞬目を丸くして

「えっ、陛下?」

驚くピダムのきっちりと結われたぬばたまの黒髪にも一枚の花弁が舞い降りたのを女王は目敏く見付けて

「ピダム、そのままじっとしていろ!」

そうピダムに命じると女王は細い指先でそれを摘まんで見せた。

「ほら、お前にもこれこのように桜の精霊がいつの間にか舞い降りているぞ!」

「陛下…」

「それもそうだろう。ピダム…お前は男なのに女人よりも美しく…見る者全てを魅了してやまない…」

そう言葉に余韻を持たせてじっとピダムを見詰める女王をピダムは眉間に幾分皺を寄せながら困った顔で見詰め返して

「陛下…ご冗談を…」

そう言って眉尻を下げたピダムに女王はにっこり微笑み掛けるとピダムの眉間の間に指を置いて

「怒ったのか?美しいと言われるのは嫌か?ピダム…」

「いいえ、そうではありません。陛下…」

「では何だ、ピダム…」

「ただ私は…陛下を愛しく思う私の気持ちをお伝えしたかっただけなのですが…それはお許ししては頂けないのですか、陛下?」

ピダムが眉尻を下げてそう言ったのを見た女王は心がチクリと痛んだ。

「ピダム…そんなつもりで言ったのではないのだが…」

女王の眸に影が差したのをピダムは見逃さなかった。

「陛下…申し訳御座いません。だからどうか微笑んで下さい。私の我が儘が過ぎました」

そう言って自分の眉間にある女王の白魚のような滑らかな手をきゅっと握り締めた。

「いや、ピダム…謝るのは私の方だ。お前にだけはなんと言うか…つい自分の思いの丈を…本心を言い過ぎてしまう。許せ…」

女王はピダムの眸を見詰めながら、もう片方の掌をそっとピダムの手に重ねた。

「陛下…」

「ピダム…」

ピダムの真っ黒な眸に光が再び差し込み…

「陛下…少し歩きませんか?」

「うん、そうだな。こんなに天気も良いのだから…ピダム…手を引いてくれるか?」

「はい、陛下…喜んで」

ピダムは腕に力を込めると女王の身体を引きあげるように優しく引いた。
女王が椅子から立ち上がるのを待って

「では、陛下…参りましょう」

微かな風と戯れるように揺れ動く桜たち。
薄紅色の絨毯の上を滑るように歩く二人。
他に動くものは遥かな頭上にある白い雲だけ…
繋いだ手と手を互いに握りしめ合えば…
絡めた指から互いの真心が伝わって…自然と頬が緩んで行く。
春の日の光の暖かさと心の中から湧き出流優しさが二人を包み輝かせる。
だが、二人きりであるが故に女王はピダムに心の奥に宿る不安な想いを再び小さな声で吐露してしまうのだった。

「ピダム…お前と二人こうして次に歩けるのは何時になるのだろうな…」

ピダムに護られ女人としては幸せに満たされながらも…至高の冠を戴く王としては迫り来る隣国の影に怯えている。
その不安が少しずつ漏れだし…繋いだ手からピダムへと伝わって行く。
男として臣下としてそんな女王の想いを払拭したいピダムは女王を安心させようと然り気無く諭すように

「心配なさいますな、陛下。いつ如何なる時も臣ピダムと司量部が練りに練った幾重もの防御網が陛下をお守り致します。ですから…陛下…」

と言うと立ち止まって女王を抱き締めようと手を引き掛けた瞬間…
花弁を舞い上げながらふぁさっと一陣のそよ風が二人の間を吹き抜けた。
春風の悪戯か…はたまた愛情か…
優しい筈のそよ風が女王の左の目の中に小さな欠片を残して行ったが為に女王は『あっ』と言って目を瞑ると泪を溢れさせ始めた。
苦痛に歪む女王の顔を見たピダムは頭を傾けると心配そうに女王の茶水晶の眸を覗き込みながら

「陛下…如何されましたか?」

「ああ、ピダム。目に欠片が入ったようだ!少し待てば取れるだろうから…」

目を擦る女王をピダムは静かに引き寄せると

「いけません、陛下…お目が傷付いてしまいます」

そう静かに言うと両手で女王の頭をしっかりと支えて、左目に自らの舌を侵入させた。

「んっ…ぁ、ピダム…」

器用に舌を動かして欠片を探るピダム。
二人の様子を遠くから見守るように伺っていた仁康殿付きの女官たちと何処をどうやって嗅ぎ付けたのか…『桜波苑』への密やかな侵入者であるピダムの叔父ミセンには女王とピダムが昼の日中誰に憚ることなく『口付け』を交わしたようにも見え…
あまりの驚きにある女官は声を漏らさぬ為に手で口を塞ぎ、ある女官は既に感嘆の声を上げていた。
徐羅伐一の『恋』の達人とも言えるミセンは持っていた赤い羽扇を口に充てて仰け反りながらも甥であるピダムの一挙手一投足を逃すまいと目を凝らして様子を伺っている。
そんな風に周りの者から思われていることを知らないピダムは唯女王の目を傷付けまいと必死に破片を舌で探っている。
一方の女王は皆にどう思われているのかそれを考えると顔から火が出る程の気恥ずかしさを覚えながらもピダムと言うこの上なく美しい姿をした子どものように純粋な心を持つ男がもたらす限りない愛情との狭間で揺れていた。
ゆらゆらと揺れながらも己を自分よりも大切に思ってくれるピダムの気持ちを考えるとただ黙ってされるがまま動くことが出来ずにいる。

ピダム…

陛下…どうぞこのまま私にお任せ下さいますように…

だがピダム…誰かに見られているのではないか?

陛下?
例えそうだとしても構わぬではありませんか?
そんな些細なことよりも陛下のお目の方が何倍も何十倍も私には大切で御座います。

ピダム…お前は…

陛下…お任せを。

解った、ピダム…

二人にしか解らぬ心の内で会話をしながら身を寄せ合い…
己の全てをピダムに託す女王と全身全霊で女王の身を案ずるピダムと…
見ている者が赤面する程の甘やかな時が流れて行った。
軈て破片が取れたことを確信するとピダムの顔がゆっくりと女王から離れて

「陛下…如何ですか?まだお痛みになられますか?」

女王は数回瞬きをし、痛みがなくなったのを確認すると

「大丈夫だ、ピダム…どうやら取れたようだ」

「それはようございました、陛下…」

ピダムはそう言って艶やかに微笑むと女王の前に手を差し出した。
女王はその手をぎゅっと握り締めると

「ピダム…今からお前の好きなだけ歩いて行こうか…」

「私の好きなだけ…歩いても宜しいのですか?」

「ああ、ピダム…好きなだけ歩いて良いぞ!」

ピダムは少年のように目をキラキラと輝かせながら破顔すると

「では陛下…あの山の向こうまでと私が願い出たら本当にご一緒して下さるのですか?」

女王はこくんと頷くと

「歩いて行こう。いつの日にか…肩の荷を下ろす時が訪れたら。ピダム…お前と二人で…」

ピダムがぎょっとして深淵の眸で女王を見ると女王はすまなそうな顔をして

「ピダム…また驚かせてしまったな。だがこれも本心なのだ。いつの日にか譲位をしたらお前と…お前と二人足の向くまま気の向くまま…それも私の夢の一つに違いない」

「陛下…」

珍しく動揺しているピダムに女王は

「ピダム…そんな顔をするな。今言ったことは忘れてくれ。お前をまた困らせてしまったようだ…」

「陛下…」

「それよりピダム…昼餉はまだなのだろう?何か腹に入れたらどうだ?」

「えっ、あっ、はい、陛下…」

未だに狼狽えるピダムを見るに忍びなくなった女王は頭上にある桜を見上げて

「こんなに桜が綺麗なのだから目に焼き付けねばな。桜の季節は短いのだから。さあ、ピダム、向こうでお前と二人『宴』を開くとしよう!」

「はい、陛下……。…ところで陛下…そのお召し物は如何されたのですか?」

いつも通りの落ち着きを取り戻したピダムの再びの鋭い突っ込みに

「いや理由など何もない」

と突っぱねる女王。
相も変らず負けず嫌いな女王を見てピダムはクスクスと笑いながら

「そうですか、何も理由はないのですね?」

「そうだ、理由などない」

そう嘯いて目を泳がせながら返答する女王のか細い体をピダムは両手を翼のように広げて自分の胸の中に閉じ込めてから逃さんとばかりに

「陛下、嘘はいけません。本当は私の為なのでしょう?違いますか?」

じっと己を見詰める黒曜石の眸に引き込まれてそうになりながらも、きゅっと唇を噛み締めて答えを拒む女王の耳元にピダムは唇を寄せて五感に響く低い声音でこう囁くのだった。

「陛下、お答え頂けないのならば…今宵は御覚悟召されませ!私を騙すことは陛下と言えどお出来にはなりません」

「何?何と申したピダム?」

と言って自分をきっと睨んだ女王があまりに可愛らしくて、ピダムは女王の真っ赤な唇に唇を重ねると熱っぽく淫らな口付けで女王の思考を奪い去ろうとした。
その内に口中を艶かしいピダムの舌遣いに蹂躙された女王は何とも言えない嬌声を漏らした。

「ん、ぅ、ぁ…ピ、ダム…ぁぁ…」

女王の懐刀たる司量部令は他人のあらゆる『嘘』を暴くのを得意とする有能な部下故に主たる女王本人の嘘もいとも簡単に見破って見せたのだった。

「へ、い、か…本当のことを仰って下さい。私の為に…とそう仰って頂けるまで離しはしません」

そう言って更に濃厚で息もつかせぬ程の口付けで女王の身も心をも蕩かすピダム…
木陰に身を隠して様子を伺うミセンと女官たちはもう暫くの間二人の睦事を息を潜めて見守ることとなるのだった。



続く




☆最後までお読み下り、ありがとーございましたm(__)m
今回書きました『目の中の破片を舌で取り除く』これを書きたくて始めたSSなんですが…
うーん、やったことないから難しかったです(^o^ゞ

そしてSSは夜が更けるまで…続く予定です♪

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