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風の歌声

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SS私のピダム 菊月夜

Category - 女王編(2013年)
皆さん、こんばんは(^3^)/
お久しぶりで~す。
ず~~っと更新出来ずに申し訳ありませんでしたm(__)m
コメント等にも返信出来ず…ミアネヨ~

目の調子は未だに今一つ。
中々良くはならない見たいです。
今まで昼間は強烈な太陽から発せられる紫外線を浴び…夜中はPCやスマホを使い続けて…
目を使い過ぎたようです(((・・;)
視力も大分落ちてしまって…トホホ(;´д`)な状態。
新しく眼鏡も作りました!まだ仕上がってはいませんが…
そんなこんなで無理は止めようと思っています。
それでも何とかSSは書き続けて行きたい…とも思っております。


今宵UPするお話はブロ友であった(今もブロ友さんですが)Aさんに捧げようと書き始めたSSです。
一話では完結出来ず…続き物となってしまいましたが最後までお付き合い下さると嬉しいです♪
ではでは続きをポチっとしてお読みになって下さいね~(^3^)/





そよそよそよりと…
清けき(さやけき)風がまるで狐の尻尾のようにふんわりと膨らんだ薄の穂を撫でながらそよぐ満月の宵。



女王はその黄色味を帯びた大きな月を眺めながら一人ピダムがやって来るのを心待にしていた。
それには理由があった。
重陽節の日に仁康殿の女官らと共に中庭に咲く菊の花弁を自らの手で摘み取り、数日間陰干しにして乾燥させた物を枕の中に詰めた『菊枕』が先程出来上がって仁康殿の女王の私室へと運ばれて来たからだった。
古来、菊花には霊力が宿り長寿の効用があると言われ、菊花の入った枕を使うと邪気を払い頭痛も取れ目にも良いとも言う。
女王は美しい月に心を奪われながらも時々寝台の上に並んで置かれた菊枕が気になってそちらに目を向けた。

ピダムは果たして気付くだろうか?
思えば私は今までピダムの身体に対して何一つ気遣ってやったことがない。
最もピダムは出会った頃から丈夫で冬でも風邪を引いたこともなければ…薬師としての心得もある故…気に留めていなかっただけなのだが…

普段気にも留めぬようなことを心に思い抱いたが為に気持ちが落ち着かなくなった女王は小さな小さな溜め息をつくと、緩やかに束ねてある己の髪の先端を掴んでそれをじっと見詰めながら

ここ数年で私の髪にも白いものが大分目立つようになった。
月日が過ぎるのは早い。
幾ら丈夫なピダムと言えど何時までも若い訳ではない。
我らも四十路を越えたのだ。
時にはピダムの為に何かをしたい。そう思ってあれを作っては見たものの…

そんなことを彼是と考えていると扉の彼方側から耳に心地良く響く声音が聴こえた。

「陛下…ピダムです」

待ち人来たり。
まだピダムの声しか聴いていないのに…
女王はそれだけで天にも昇るような気持ちを覚えるのだった。

「ピダムか…入るが良い」

己の発する声音までもが何時にも増して優しくなるのを自覚すると…
それほどまでに己がピダムがやって来るのを心待ちにしていた…
つまりはピダムと言う男が己にとって如何に重要な存在であるのか…それを認識させられたのだ。
扉が左右にすーーっ開くのと同時に女王の目に飛び込んで来たのは満開の菊の花を抱えて優しく微笑んでいるピダムの姿だった。

「陛下、お待たせして申し訳ありません」

微笑みながらも謝罪するピダムの姿に女王の胸の鼓動がとくんっと跳ねた。

「あっ、いや…ピダム、お前が忙しいのは解っている。謝らずとも良いのだ。それにお前ももしかして…」

「はい、何です?陛下…」

ピダムの長い腕に抱えられた大輪の菊の花から何とも言えない清々しい香りが部屋中に拡がって行った。

「いや、何でもない。気にしないでくれ。それにしても良い香りだな…ピダム」

「はい、陛下。とても良い香りが致します。夕暮れ時に偶々内苑を通りましたところ…満開に咲いている菊花が夕日に映えている景色があまりに美しく…気付くと足が止まっておりました。陛下とご一緒に眺めたい、そう思いましたが急ぎの仕事があってそれも叶わず。せめて菊の花だけでも陛下にお届けしようと…これこのように刈り取ってお持ち致しました」

「うん、本当に美しいな、ピダム。急いで女官に活けるように命じよう。そこに誰かいるか?」

扉の外に控えていた女官二名が「はい」と返事をして入室するとピダムから菊を受け取り扉の外へと出て行った。
再び二人きりになるとピダムは袖口から畳んだ白い布のようなものを取り出して

「それと…こちらも持参致しました」

「それは何なのだ?ピダム」

「お信じ頂けないかもしれませんが…これは偶然なのです」

ピダムの眉尻が下がったのを見た女王が…ピダムの深淵の眸をじっと見据えながら

「何だ?一体何が偶然だと申すのだ?それに私はお前のことを何時でも信じているぞ、ピダム…」

そう言ってからにっこりと女王が微笑むとピダムも白い歯を見せながら

「はい、陛下。ありがとうございます。これは陛下の御為にと作らせていた衣です。今朝出来上がって参りました。今宵陛下の元へ持参しようと思っていたところ…夕暮れ時に満開の菊花と遭遇してしまいました。本来なら衣だけをお持ちする予定でおりましたのに…何だかわざとらしいと申しましょうか…」

「うむ、ピダム。そうか、そうであったか。そんなことは気にするな。それにしても光沢があって何と美しい布地なのだ!私の為に特別に織らせたものなのか?」

「はい、陛下…」

女王は衣をピダムに向かって差し出しながら

「ピダム、嬉しいぞ。折角だからお前が羽織らせてはくれまいか?」

「はい、陛下。喜んで…」

ピダムは女王から衣を受け取ると女王の背後に回り込んだ。
ピダムが拡げた衣に女王が左右の手を差し入れると最後にピダムが女王の肩にそっと衣を添わせるように羽織らせた。
女王はゆるゆると二三歩歩いて卓に近寄ると袖元を灯火の光に透かして見せた。
その白絹の衣には菊の花の紋様が鮮やかに織り込まれていた。

「うん、本当に綺麗だ!ここにも満開の菊花が咲き誇っているのだな、ピダム」

「はい、ですから先ほど…」

「ピダム、だからお前は偶然だと言ったのだな」

「御意で御座います、陛下」

はにかみながら頷いたピダムがあまりに可愛らしく…愛しく思えた女王はピダムの腕をぎゅっと掴むといそいそと寝台のあるところへと導き、そこへ押し倒そうとした。
突然の女王の行動にびっくりしたピダムが

「陛下?何をなされるのです?」

とピダムが質問を終えるのよりも早く…
ピダムの身体は女王に寄って寝台へと押し倒されていた。
驚きに目を見開いているピダムを他所に続いて女王もその隣に横たわると

「ピダム…」

とこの上なく扇情的な声音で愛しい男の名を呼んだ。
一連の女王の仕草に呆気に取られて身動き一つ出来ないピダム。
そこへ扉の外から聞き慣れた女官長の声が掛かった。

「ピダムさま、ご用命の物をお持ち致しました」

普段であれば直ぐ様身を起こして沈着冷静に対応するであろうピダムが言葉を失っていることに気付いた女王が代わりに身を起こして返事をした。

「暫し、待ってくれないか!」

女王が返事を返して来たことを不思議に思った女官長であったが「はい、陛下…」と普段通りに答えた。
身なりを整え寝台から降りた女王は扉へと向かった。
そっと扉を開いて女王がひょっこりと顔を出すとその場にいた全ての者は驚きながらも頭を一斉に下げた。
女官長も驚きを隠せない様子で…

「陛下…如何されました?ピダムさまは一体?」

女王が唇をきゅっと結びながら首を左右に振って『何も聞くな!』とそう伝えようとしているのが解った女官長は

「陛下…これをピダムさまに頼まれておりました」

そう言って女官長は盆に乗せてある茶器を女王に見せた。

「では私が持って行こう。こちらへ渡すが良い」

女王が手を差し出すと女官長が

「それと陛下、先程の菊の花も活けて参りましたが…」

後ろに控える女官たちが重そうに菊の花を活けてある花瓶を大事そうに持っているのが見えた。
しかしピダムが寝台に寝ている以上は女官らを部屋に入れるのも伐が悪い。
仕方なく女王は

「花は廊下に置いて於いてくれ。明日の朝に運び入れるように」

そうきっちりと命を下すと部屋へと戻って行った。
卓の上に盆を置いてピダムの待つ寝台へと向かうと其処にはすやすやと寝息を立てながら眠っているピダムの姿があった。

「ピダム?」

そう問い掛けをしても返事はなく。再びその名を呼んで見た。

「ピダム?眠っているのか?お前が眠るなんて珍しいこともあるのだな…」

女王は無防備に眠ってしまったピダムを見てクスリと笑うと卓まで戻り椅子に深々と腰掛けた。
ピダムが用意させたと言う茶器を開けると菊の清々しい香りがふんわりと広がり、お湯の中に美しい花弁が浮いているのが見えた。

「ふふっ…ピダム、考えることが同じとは。菊尽くしとは将に以心伝心。嬉しいことだ」

ピダムの心が籠った菊茶をゆっくりと飲み干すと女王は再び月を眺めようと窓辺に近寄った。
見上げると月は変わらずに美しかった。
ピダムと二人で月見が出来ないことを幾分残念に思っては見たが…
疲れ果てて眠ってしまったピダムを起こすことはしたくなかったし…
何時もはピダムが己の為にしてくれている『不寝番』と言うものも一度くらいはやって見たいと思ったのだった。
きっともうこんな機会は二度と訪れないかもしれない。
女王は嬉々として眸を輝かせると真ん丸な月を見上げた。
窓枠に手を着きながら一人気儘に見る月はピダムがやって来る前と同じなのに…何処か違って見えた。
ピダムが着せてくれた白絹の衣の着心地が良いせいかもしれない。はたまたピダムの用意してくれた菊茶を飲んで心がほっこりと温かくなった為か…
女王は月に向かって独り言を呟いた。

「つまりはピダム、お前がそこにいるだけで私は幸せな気持ちになれると言うことだな…今宵は私が不寝番としてお前の側に居よう」

月は何も答えてはくれなかったが反ってその静けさが女王には心地良く感じられた。
美し過ぎる満月と涼やかな宵闇の空気に包まれた女王は全ての重責から解放され…心静かに時の流れに身を任せて…一人月見を楽しむのだった。


菊月夜 独り見ゆるも 影二つ




続く。





☆最後までお読み下さり、ありがとーございましたm(__)m
本番はこれからって感じですね~
最後の『影二つ』は実際に月見は女王一人でしているのですが…心はピダムと共にあることを表現したかったのでした♪


このお話は先月の満月『仲秋の名月』を見て思い付いたお話です。
それから大分遅くなってしまいましたが…皆さんも既にご存知だと思いますが…
先月ブログ仲間のお一人が天に召されました(ToT)
その訃報を聞いた時…もう悲しくて悲しくて…とても落ち込みました。
丁度、チェ・ジニョクさんのファンミの夜でしたので良く覚えています。
彼女の為に私が出来ることは彼女の大好きな『善徳女王』の二次小説を書き続けることかなぁと思います。
ですので少しでも長くSSを書いて行けたらと…そう思っています。
更新の速度は遅くなりますが…どうぞ皆さん、これからも宜しくお願い致します。




管理人テヤン
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1 Comments

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2013/10/05 (Sat) 09:20 | REPLY |   

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