風の歌声

ピダム&男前を愛する管理人の萌えブログです♪

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SS私のピダム 人魚の泪 中編

皆さん、こんにちは(^o^)/
お久しぶりです。
秋晴れの休日いかがお過ごしですか?
紅葉を見にお出掛けされている方も多いのではないでしょうか
管理人も『神の錦』を見に行きたいのですが…
またまたぎっくり腰を発症してしまい現在不自由な生活を強いられております。
何が辛いって初動時の激痛(ToT)ですかねぇ~(初動=動き始め、例えば座って立つ時とかは最悪ッス)
ギャーーって叫ぶくらいに痛いです。
それでも日一日と良くはなって来てるので来週の今日位には何とかなってるかなぁ~って思っております。


さてさて本日は現代版『人魚の泪』の中編をアップしま~す♪
上下2編で終わらせるつもりでしたが…
何やら書いている内に長くなってしまったので後編は2つに分けて全3編と致します(^o^ゞ
中編は新羅時代のトンピのお話です(少々危ない表現含む、でもエロはないので期待しないで下さいね(笑)
では続きをポチっとしてお読みになって下さいね~(^з^)-☆




天空に月はなく輝くのは無数の星々だけ。
その煌めく小さな星たちが身を寄せるように集まる場所・天の川。
愛するピダムの眸の色と同じ黒檀色の夜空を蛇行しながら流れる美しい天の川を見上げていた女王は首もとを掠めて吹き付ける北風のあまりの冷たさに我に帰ると再び渡り廊下を歩き始めた。
少しばかり離れたところで控えていた女官たちもそして侍衛府令アルチョンもホッとしながらそれに続いた。
女王の側近くで仕える悦びは宮仕えとしては最高の栄誉と言えたが…
その肝心の女王が厳冬の夜半に長い間星を眺めていても飽き足らない程に自然の摂理に対する好奇心を持ち、凡人とは違った視点で物事を推し量り改革を施そうと試む人物なのは周知の事実であり…
数多の(あまたの)商隊と物とが行き交う国際色豊かな西方の砂漠のオアシスで商人らに揉まれ様々な言語が飛び交う中で自由奔放に育った女王陛下に仕えるには相当な忍耐力がいった。
それは身も凍るほどの冬場ばかりでなく真夏の暑い盛りにも、王宮の南の端にある欅の大樹に止まりジイジイと忙しなく啼いている蝉たちのさして珍しくもない様子を長い間飽きもせずに観察したりと女官らはその間もずっと女王の側近くで暑さに耐え忍ばねばならなかった。
それでも仁康殿付きの女官たちはこのほんの少し変わった美しく気高い女王を心から愛していた。
その触れると折れそうなか細い双肩に神国に住まう全ての者の想いと糧とを背負い、強靭な精神力と言う鎧で自身の心の内に抱える不安を押し包み、常に他者を圧倒する威厳を湛えた姿は神々し過ぎて近寄り難かったが…
公主の頃から変わらぬ無垢な少女のような純粋さと慈愛に満ちた仏のような優しさとを併せ持ち…
そして並みいる臣下の中で女王に最も忠節を尽くしつつも転ずれば最も強大な敵と成り得る両刃の剣のような男を唯一愛していることと…
そんな女王の心の奥底にある温かな真心と辛酸たる苦悩とを知っていたからだった。


今より半時ほど前に倭国からやって来た使者中臣真中をもてなす宴も終わり…
渡り廊下での帰途、暫くの間寄り道をした女王が仁康殿の私室に戻って来ると其処には既に湯が張られた大きな手桶が用意されており、桶からは白い湯気がもくもくと立ち昇っているのが見える。
大小の菊の文様が金糸銀糸で縫い取りされた目にも鮮やかな深紅色の上衣をさっと脱ぎ、黄金細工の見事なまでの装飾品が数多く飾られた重たいカチェを外すと女王はすらりとした長い脚を片方ずつゆっくりとその中に差し入れた。
人肌よりもやや温かな湯が冷え切った体には心地好く女王は思わず胸の奥からほうっと息を吐き出していた。

倭国の使者の思惑を考えるとちと不安ではあるが…

一瞬頭を過った嫌な思いを払拭するかのように再び長く息を吐き出す。
そんな様子を見ていた女官が女王の気持ちを解きほぐす為に膝下に何回も湯を掛け足先までもが温まるのを確認すると今度は温かな布で女王の細やかな身体を拭き清め始めるのだった。
折れそうな項、ぷるんとした美しい二つの膨らみ、括れた腰の辺り…そして恐れ多くも秘処までをも丁寧に拭き清めて行く。
最後に湯で濡れた脚が拭き終わると女王は椅子から立ち上がり下衣を肩からするりと落とした。
すると女王の雪のように白い美しい肢体が薄明かりの中で艶かしく浮かび上がる。
女官の差し出す夜着の袖にすっと手を通し袷を合わせ帯を絞めると鏡のある場所へと移動し其処で髪を丁寧に櫛梳り夜の化粧を施す。
そうして女王の一通りの身繕いを終えた女官たちは女官長一人を残し一斉に潮が引くように部屋から退出していく。
白い上衣を羽織った女王は鏡の前に座ったままじっとしていたが…
扉がすっと閉まる音を確認するとゆっくりと立ち上がり部屋の中央にある卓に近付いて行った。
そうしてその上に置いてある真珠の入った箱の蓋を開けて中を覗き込み

「こうして幾分暗い所で見てもこんなに輝いている。見事な真珠だな…」

と溜息交じりにそう呟いた。

「陛下、お申し付け通りに洗ってしまいましたが…本当に宜しかったのでしょうか?」

未だに怪訝そうな顔をしている女官長に

「ああ、そんな顔をせずとも大丈夫だ。それに…先ほど別の女官に取りに行かせたのだが、これが何だか解るか?」

そう言って女王はガラスの器に入ったうっすらと黄色に色付く液体を見せた。

「それはまさかと思いますが『お酢』で御座いますか?」

「ああ、そうだ。酢だ」

「お酢と真珠と一体何をなさるおつもりなのですか?陛下」

女王はふふっと微笑むながら真珠を手に取ると目の前にある酢の入った器の中に一粒ずつ入れ始めた。

「何をなさるのです?陛下」

「だから…これをな…こうして溶かして飲むのだ!」

「ええっ?」

と腰を抜かしたように驚いている女官長に向かって女王は眸をきらきらと煌めかせながら話を始めるのだった。

「昔、私がタクラマカン砂漠にいた頃、西方の国々のことが色々と書いてある本があったな…。砂漠を超え山を越え海を越えた西の地の果てにあると言う、とても暑い国を統治していた女王が毎日真珠を酢に溶かして飲んでいたとそう書いてあったのだ。才色兼備のその女王にはローマ人の恋人がいて…その恋人には自国に透き通るように美しい白い肌をした妻がいたらしい。女王は黒き肌をしていたが故に絹のように滑らかな白き肌に憧れた。だから灼熱の太陽に焼かれ黒くなった己が肌をどうしても白くしたい、そう思ったのだろう。酢に溶かした真珠を飲むと肌が白くなると知ると毎日それを飲むようになったとそう書かれていた」

「その方法は本当に効果があるのでしょうか?陛下」

「うん、確かなことは解らぬが…前から一度機会があったら試して見たいと思っていたのだ」

と嬉しそうに語る女王の笑顔を見た女官長はやはり嬉しそうに頷きながら

「左様で御座いましたか、陛下…」

「詰まらぬ私の我が儘で驚かせてしまったようだ」

「いえいえ、陛下。陛下の遍く見識は私のような下々の者には解る筈も御座いませんが…楽しいお話が聞けて嬉しく思います」

「女官長…」

自分の言葉に幾分がっかりしたように見えた女王を気遣うように

「陛下、そろそろピダムさまがいらっしゃる頃で御座います。ピダムさまならきっと陛下のお話をご存知やも知れません」

「ああ、もうそんな時間か…そうだな、ピダムが…そうかもしれない…」

物知りのピダムなら確かにこんなことも知っているかもしれない。
だがしかし迂闊なことをピダムに話したら最後…ピダムは片方の口の端を上げ勝ち誇ったように微笑みながら嫌味っぽく蘊蓄を語るに違いない。
うん、そうだ。今回もそうなるやも知れぬ。
それはちと悔しいが…
と自信満々にほくそ笑むピダムの姿を想像した負けず嫌いの女王は眉間に皺を寄せた。

「そうやもしれぬが…」

女王の何とも言えない表情に女官長は気付いていたが

「それでは陛下御用が御座いましたら何時でもお声をお掛け下さいますように…失礼致します」

そう言って深々と頭を下げてから静かに退室して行った。
一人残った女王は気を取り直すと残りの真珠を酢の入った器にぽとぽと落として行った。
後日それを飲み続けて自分の肌が今よりも一層白くなることを想像すると自然と頬の辺りが緩むのを感じた。
器に真珠を入れ終わった女王は蓋をしっかり閉めると器を棚に移動した。
漆塗りの箱の中の真珠は半分ほどに減ってしまったが依然美しい輝きを放っている。

程無くして司量部令ピダムが扉の前にやって来て

「陛下、ピダムが参りました」

といつも通りの挨拶をした。
待ち望んでいた男の艶のある声を耳にした女王の鼓動がドクっと跳ね上がる。
しかしそれをピダムに悟られまいと女王はゆっくりと幾分低い声音でこう返事をする。

「ああ、ピダムか、入るが良い」

部屋に入るなりピダムは眉を潜め、鼻を手で覆っている。
それを見た女王は不思議に思い

「どうした、ピダム?」

「あ、はい、陛下…その…」

ピダムが何かを言いずらそうにしているのを察すると

「もしかして匂うか?」

ピダムは苦虫を潰したような顔で

「はい、私の苦手な匂いがいたします」

「ほう、そうか。ピダム、お前はこの匂いが好きではないのか?」

「はい、陛下。御意で御座います」

女王は口角をぐっと上げたしたり顔をして

「良いことを聞いた。覚えて置くことにする」

そう言って腹を抱えて思いきり笑い出した。
ピダムは半分泣きそうな顔で

「陛下…男子(おのこ)は酢の匂いが得意でない者が多いと聞きます」

「ははっ解った解った、ピダム。ほんの冗談だ!」

「ほんの…とは言えませんが。ところで陛下…一体酢を何に使ったのですか?」

「うん、いや、それはだな…ピダム…」

女王は倭国から献上された貴重な『人魚の泪』をよもや酢に浸けたとは言い出しずらく思ったのか…
ほんの少し間を置いてから正直に打ち明けようと口を開こうとしたが…ピダムが女王よりもほんの少しだけ早く言葉を発していた。

「陛下…よもや…とは思いますが…」

「よもや…とは?何だ?ピダム」

「倭国からの献上品『人魚の泪』を酢に入れたのではないですか?陛下…」

そう言ってじっと己の眸を見詰めるピダムの黒檀色の眸に灯火の光が反射してキラキラと輝いているように見える。
何とも言えない艶やかな表情をして微笑んだピダムは次の瞬間、悪戯っ子のようにニヤリとしながら熱い視線を女王に送った。
ねっとりとしたピダムの絡み着くようなような視線に心の内を覗かれているように感じた女王は狼狽してついつい言葉が途切れ途切れになってしまっていた。

「え、ああっ…ピダム…その…なんだ…」

ずいずいと己に近付いて来るピダムに先手を取られた女王は女王然とは出来ずに後退りを余儀無くさせられてしまっている。

「陛下…貴重な人魚の泪をまさかそんなことにはお使いにはならないですよね?」

と、遂にピダムの手が女王の頬に触れる距離まで縮まると女王は観念したように

「いや、そのピダム…お前の察した通りに違いないのだ。それ、ああして酢に浸けたのだ!」

と、棚の上を指差しながら幾分大きな声を張り上げてそう言い切った女王は目を瞑って申し訳なさそうに下を向いた。
ピダムは小さくなっている女王の手を握ると今までの傍若無人な態度とは裏腹なとても穏やかで優しい声音で囁くようにこう言った。

「陛下…宜しいではありませんか。私は便殿に居た時分より陛下がそうなさるのが何となく解っておりました」

女王はピダムの言葉に驚き目をぱっと開けてピダムを見詰めた。

「ピダム、お前怒ってるのではないのか?それに真珠を酢に浸けて…その後の使い方を知っていると言うのか?」

「はい、陛下…御意」

「驚いた!ピダム、やはりお前は物知りだな…大したものだ」

「お褒め頂き有り難う御座います。しかし、陛下…」

「何だ、ピダム?」

「はい、陛下が真珠をどうなされようとも臣下である私がどうこう言える立場には御座いませんし怒ってもおりませんが…この鼻につく酸っぱい匂いだけはどうにも好きになれませんので…」

それを聞いた女王がにっこりと微笑みながら今度はピダムに仕返しをするかのように

「ならピダム…そんなに嫌な匂いがするなら今宵の『色供』は止めにするか?」

「いいえ、陛下…。それはそれ、色供は色供。色供は私が為すべき仕事の一つであります故、私の我が儘で中止にするなど滅相も御座いません」

そうきっぱりと言い切ったピダムが言葉とは裏腹に己を上目遣いで睨んでいるのを知りながら軽く受け流す女王。

「ふふふふふっ、ピダム。私もお前が絶対にそう返事をするのは解っていたぞ」

「そうですか…では、これで『おあいこ』ですね、陛下…」

「そうだな、ピダム…『おあいこ』だな!」

そうして二人は顔を見合わせて大笑いを始めた。

ふふふふふっ…
あははははっ…
はははははっ…

外は凍えそうに寒い夜であったが…
二人の愉しげな笑い声が聴こえるここ仁康殿は春の盛りのように暖かな空気に包まれていた。
女王の笑いが収まるのを待ったピダムは女王をその広い胸に抱き寄せてから熱っぽい唇で女王の臼桃色の唇を覆おうとした。
するとピダムの口髭が触れた処が痒かったのか…普段ならそんな些細なことには一向に拘らない女王が珍しく『くすぐったい』と小さな声を出しては再び笑い出してしまった。
己の腕の中で春の女神のようにけらけらと可憐に笑う女王をピダムは愛しそうに見詰めている。
ああ、幸せだ!ピダムは心からそう思った。
濃厚な交合に依って身体を満たす甘美な快楽よりも互いを思いやる気持ちが渇いた心に染み入り軈て心の内を満たす…将にこのような細やかな時間こそが人生に置いて最も貴重な時間であることをピダムは長年の経験から学び知っていた。
ピダムは暫くの間女王が飽きるまでそうしていようと思った。
夜空に月が昇らない朔の夜にこそ、自分が女王の心の中を照らす月であらむことを…ピダムは切にそう願うのだった。
一方の女王もピダムと二人きりで過ごす時だけは己の全てを包み隠すことなく曝け出そうと…
己の全てを投げ出してこそ孤独なピダムの魂を救う『信頼』と『安らぎ』を与えることになるだろうと…そう思っていた。
それは同時に自分自身を解放することにもなるのだが…

今は闇が支配する夜…
夜が明け去ると同時にあまねく大地を照らさなければならない太陽が月の腕の中でまどろむ事を許される時…

「ピダム、ピダム…お前の腕の中は幸せで(このまま夜が明けなければ良いのにとさえ思ってしまう)」

「陛下…陛下…ずっとお側に…」

「ああ、ピダム…ずっと一緒だ…」

薄明かりの中で衣擦れの音が聴こえる。
蠢く美しき女と男。
熱き吐息…
乱れる黒髪…流れる汗。
淫らな水音が獸の声の如くに響き渡り。
秋の夜長は更けて行く。



後編に続く。




☆最後までお読み下さり、ありがとーございましたm(__)m
このお話に書かれている『お酢』ですが…新羅時代からキムチ(水キムチ)を食べていたとあるのでキムチがあるなら発酵食品である酢もあっただろうと書いて見ました。
日本の飛鳥時代にも既にチーズの原形みたいなものを食べていたらしいので…私たちが思っているよりももしかしたらトンピも色んな物を食べていたのかもしれません!
と想像するだけでも楽しいですよね♪

拍手&コメントありがとうございますm(__)m
そしてお返事遅れてミアネヨ~(^o^ゞ


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