風の歌声

ピダム&男前を愛する管理人の萌えブログです♪

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風中の縁 SS瑠璃色衣

皆さん、こんばんは(^o^)/
DATVで放送されていた『風中の縁』全35話…昨晩で完結致しました。
最終話…管理人は最初から最後まで号泣(涙)
誰かを自分の命を掛けて護りたい。
このドラマのテーマなんですが…
無忌派の私も九爺(莫循)の無償の愛に打ちのめされちゃいました~!!
ここまで自己犠牲出来るって…凄いの一言に尽きます。
(ネタバレはなるべくしたくないので詳しくは書きません)



万感の思いを込めて触れた莘月の唇…
ドラマ中…唯一の口付け。
莘月の幸せの為に莘月を諦めなければならなかった九爺。
誠に勝手ながら彼の為にSSを書いてみました。

宜しかったらお読みになって下さ~い🍀





「莫循~、莫循~~、起きてるか~い?」

鬣が美しい栗毛の馬の背からストンと勢いよく地上に降り立ったすらりと背の高い女人。
寒さ避けに毛織物を頭からすっぽりと被り、毛皮が付いた温かそうな外套の下に羊や山羊の毛で織られた厚手の衣を数枚重ねている為に女の年齢や容貌は直ぐには知りようもない。
しかし乗って来た馬を馬屋に繋ぎ留め、離れへ取って返そうと向きを変えたその瞬間…
女の顔を覆っていた毛織物の隙間からちらりと垣間見えた深翠色のエキゾチックな眸と女の内面から溢れ出る悠然たる生気と機敏で優雅なその所作と…
それらを踏まえれば『砂漠の薬泉』と称される絶世の美貌が厚手の衣装の下に隠されていることは容易に想像出来た。
厳冬の早朝、凍てついた外気を孕んだ北風が女に容赦なく吹き突ける。
強風に煽られつつも女は怯むことなく男の通り名である『大善人』でも『九爺』でもない実の名を再び大声で呼ばわりながら離れの扉をトントントンと小気味良く叩いた。
未だ寝台の上で気持ち良さげにすやすやと朝の惰眠を貪っていた莫循はその声に導かれるようにして目を覚ますと半身だけ起こして寒さ避けの上着を羽織った。

約束通りに迎えに来るとは…
流石、この西域で荒くれ共を相手に女手一つで大店を切り盛りしている女将の気力と体力は半端ないな…。

そう心の中で呟くと口角をきゅっと上げてそれは嬉しそうに…穏やかに微笑んだ。





前日は大晦(おおつごもり)
店の主人である女将を筆頭に末端の下働きの人足たちまで全員が一堂に会して夜を徹して酒盛をしつつ新年を迎える事がこの砂漠の果てに店を構える豪商『石磐』での先々代からの習わしとなっていた。
今年も太陽が西の地平線へと落ちようとする以前に早々と店を閉め、仕事の片付いた者から母屋の広間に集まり出す…最後に宴の準備に余念が無きよう働き蜂のようにあちこち忙しそうに動き回っていた給事係が其々の席に腰を落ち着けると恒例の宴は開始された。
盃と盃がカンと高い音を立ててぶつかる毎に盃の中の酒は其れを持つ者の胃袋に収まり…
腹を空かせた年若の者たちが料理を口一杯に詰め込んでは殆ど噛まずに喉を通過させて行く。
各々が一年を振り返ってざわざわがやがやと思い思いの話に花を咲かせているところへ…
シャランシャランと軽やかな鈴の音を鳴らしながら広間へと入って来た砂漠の各所より集まりし肉感的な肢体が自慢の舞姫たち。
中には異国の血が混じる金髪碧眼の美しい踊り手もおり…
舞姫たちがド派手な衣装の合間から見え隠れする括れた細腰を上下左右に激しく突き動かして官能的な踊りを披露し始めると男たちの中には下肢への欲望に身悶えながら恍惚の表情を浮かべて好みの舞姫を熱っぽく見詰める者も現れた。
大小様々な形をした楽器を抱えて優雅な仕草でそれを爪弾く鼻筋の通った楽士たちが郷愁を誘う管弦の調に合わせ切々と吟する物悲しくも五感を蕩かすような甘い歌声に女たちは心を揺さぶられ目を瞑って酔いしれる。
酒宴の最後に登場したのは奇妙で奇怪な格好をした手品師や傀儡師たち。
彼等の世にも不思議な出し物が目の前で繰り広げられるとどっと驚きと笑いが入り交じった歓声が幾度となく沸き上がり、割れんばかりの拍手喝采が天井の高い広間いっぱいに鳴り響く。
宴も闌。
膳に乗り切らないほどの追加の料理が奥から運び込まれると自然と酒も進み…
美酒美食に舌鼓を打ちながら歓談する内にとっぷりと夜も更けて行く。
宴は深刻まで続き…
漸く日が変わり年も改まった所で女将からの仰々しい新年の挨拶と紅色の袋に入れられた御祝儀が配られると宴は一気に終焉へと向かい始める。
頃合いを見計らったように一人二人三人と暇乞いの挨拶を済ませた使用人たちが広間からすっと姿を消していく。
中には意気投合した魅惑の踊り子を閨に伴う男もいたが今宵は無礼講。
口さがない者たちも誰一人として五月蠅い事を言う者はいない。
そうこうしている内に潮が引くように広間はあっという間に閑散としてしまい…
空となった膨大な数の酒瓶と積み上げられた皿、食べきれずに皿に残った料理が余計にうら淋しさを増長させている。

すっかり酔いが回った莫循は車椅子に座ったまま時折静かに目を瞑ってはうとうとと舟を漕ぎだしそうになってはいたが…
この広大な砂漠で知らぬ者はいない『大善人』としての矜持が邪魔をして人前で眠ることを潔しとしないでいた。
そんな莫循の様子を目の端で観察していた女将が見るに見かねて屈強な使用人たちに莫循を離れまで送るように指示を出す。

たく…莫循たら相変わらず素直じゃないんだから。
一体幾つになったら心の箍を外して自由に生きられるんだか…

共に馬車に乗り込み莫循に寄り添う女将。
血の繋がりはないものの幼き頃より彼を良く知る豪商『石磐』の女主人・石緑泉は思わず溜め息を吐きそうになった。

おっと、いけない。
莫循は敏感だから溜め息なんか吐いた日には『姐さん、何か心配事でもあるのか?』なんて逆に心配されちまう。
全くねぇ、この子は昔っから何一つ変わってない。
他人の気持ちを思い遣ることに長けてるくせして自分の気持ちとなると貝のようにあっという間に口を閉じて本心を引っ込めてしまうんだから。
私が昔、花嫁に贈れと渡した瑠璃色衣も誰かにくれてやったと聞いたけど…どうなっちまったのかねぇ?

考え事をする内に迂闊にもぼうっとしてしまった緑泉。
すると莫循を離れに搬送して戻って来た従者の一人にこう声を掛けられた。

「女将、女将。大善人を寝かしてきやしたけど…母屋に戻っても宜しゅうござんすか?」

はっと我に帰った緑泉は従者に離れの馬屋に馬一頭を繋ぎ置くことを命じると愛用の刀剣を携え馬車から軽やかに跳び降りて離れへ向かって歩き出す。
離れの扉に手を掛けそっと中の様子を伺うと莫循が寝台の上からこちらをじっと見詰めているのが解った。
扉を開けた緑泉に莫循は待ち構えていたかのように春を告げる青龍神の如く清々しい声音でこう言った。

「泉姐さん、新年おめでとう」

「ああ、莫循、新年おめでとう。そう言えばまだ挨拶を交わしていなかったね!」

幾分ぎごちない返事を返した緑泉に莫循は目を細めてにこやかに微笑むと

「その口調、泉姐さんらしい」

緑泉は莫循をきっと睨みながら莫循の居る寝台へと近付いて行く。

「何が私らしいって?循坊。あんたこそ昔と何にも変わってないくせに…この唐変木!」

「ははっ、そう言う憎たらしい物言いも変わってない」

緑泉は寝台の端にどすんと勢いよく腰掛けると莫循の淋しげな眸を覗き込み…

「なぁ莫循…どうした?遠慮して尋ねたことは無かったが…何故石舫を捨てて…いいや、石舫を捨てた事はまあ良い。それより何故あの時供も連れずに一人でこの砂漠に居たのだ?いつもお前の側に居たあの石謹言はどうした?一体建安で何があったというんだ?」

「…」

「今まで何度となく問いただそうとして我慢して来たんだ。このせっかちな私がだよ。莫循、解るか?お前を砂漠で見付けてから五、いやもう七年も経つのか…。そろそろ真実を話してくれても良いだろう?」

莫循はじっと緑泉を見詰めたまま一言も話そうとはしない。
業を煮やした緑泉は莫循の手をぎゅっと握ってそれをポンポンと叩きながら

「解った、解ったよ。話したくないなら私からはもう二度と理由は聞かない。だがいつかお前が話したくなったらその時は言ってくれ。今夜はもう遅い早く眠ると良い。明日、いや既に今日は年の始め…。いつも通りに日が昇ったら迎えに来るから…。邪魔したな、お休み、莫循」

そう言葉を終えた緑泉が手を離して立ち上がろうとしたその瞬間…今度は莫循が緑泉の手を掴んで…

「泉姐さん…待ってくれ」

と腹の底から声を絞り出すようにしてそう言って彼女を引き留めた。

「長くなるからここへ来て…私の側へ」

左手で寝台を指し示し右に寄る莫循。
緑泉は言われるままに寝台へ上がると莫循の隣に遠慮がちに腰掛けはにかみながらこう言った。

「なあ、莫循…。大人になってからは初めてだな、私を隣に座らせてくれるのは…嬉しいよ!」

「すみません、泉姐さん。ずっと世話になっていながら…」

「なに、良いんだよ。私がもっと若けりゃ良いんだが…。運悪く主人と呼べる男を既に二人も亡くしてる上に…年増と来た日にゃ仕方ないさね!あはははっ」

莫循はその言葉を否定するようにゆっくりと頭を左右に大きく振りながら

「泉姐さん、そんなことはない。姐さんは今も昔と変わらず美しい。現に姐さんほどの美女には建安でも滅多にお目にかかれない。いつも太陽のように溌剌としてるから側にいると自然に元気を貰える。確かに私の方が若いことには違いないが…」

緑泉は恥ずかしさから頬を紅色に染めて莫循の肩をバシッと思い切り叩くと

「やだよ、莫循たら…何を言うかと思えば…」

「世辞ではありません」

「そうなのかい?」

「ええ、姐さん」

「ありがとう、莫循、お世辞だとしても嬉しいよ!」

莫循は緑泉の吸い込まれそうに深い翠色の眸をじっと見詰めた。
それから言葉を一つ一つ丁寧に選びながら胸に秘めていた想いを紡ぎ始めた。

「泉姐さん、これから話すことは…朝になったら全て忘れて欲しい」

「ああ、良いよ!莫循」

「ありがとう、泉姐さん。あれはどのくらい前になるのか…。姐さんは覚えているでしょうか?石舫の皆と共に姐さんの処から建安へと戻る道すがら、私は一人の印象的な少女と出逢いました。荒ぶる狼を従えた勇敢で美しい少女は一瞬で私の心を鷲掴みにしたのです。子どものころからずっとこの不自由な体と柵から解放され自由に生きたいと渇望する私の理想を具現化したような自由奔放な少女の姿に私は魅了されたのです。そんな彼女に魅了されたのは私一人ではありませんでした」


**
莫循の語る切ない…長い長い恋物語を聴く内に眠りに堕ちてしまった緑泉が目を覚ますと…
暗闇の中で己の寝顔をじっと見詰めていた莫循がいた。

「あ、うん、済まないな、莫循。知らぬ間に眠ってしまったようだ」

「毎日朝早くから夜中まで店の一切を切り盛りをして疲れない訳がない、眠くなって当然です、姐さん」

「それで莫循…今でもその小月のことは忘れられないのかい?」

「ええ、姐さん」

そう申し訳なさそうに返事をしてから寂しそうに微笑んだ莫循から緑泉は目を離せずにいたが…
突如何かを思い出したように慌てふためきながら莫循にこう問い掛けをした。

「あ、えっと、なあ、莫循、後生だから正直に答えておくれよ!その…私が寝ている間に…い、鼾は掻いていなかったかい?それと歯軋りに…訳の解らない寝言は言って無かったかい?」

そう言った緑泉は耳まで真っ赤にして恥ずかしそうに俯いてしまっている。
普段はそんな素振りを一切見せない気丈な彼女がはにかんでいるのがとても可愛らしく思えた莫循は

「ええ、言ってましたよ!」

と言う嘘を吐いて彼女をからかうことにした。
莫循の答えを聞くなり「えっ!」と声を裏返しながら豆鉄砲を喰らった鳩のように目を見開いたまま緑泉は不安気な表情で莫循を見詰めている。
莫循は動きを止めた緑泉の頬に手を添えて顔を近付けるとその形の良い真っ赤な唇に啄むような優しい口付けを落とした。

「んっ…ば、莫循…な、何を!」

「何をって…泉姐さん、私に触れられるのは嫌ですか?」

目を真ん丸にしながらも首を左右に振る緑泉。
莫循は呆然としている彼女の両手をしっかりと握ると

「嫌でないなら…逸そ私を姐さんの婿にして貰えませんか?」

莫循の突然の告白に衝撃を受けた緑泉は身体を震わせ口をパクパクさせながら遂には嬉し泪を流し始める。
溢れる泪は緑泉の頬を伝わりポタリポタリと床へ落下して行く。
莫循は両手でそれを丁寧に拭うと緑泉の身体を引き寄せ優しく抱擁した。
夢にまで見た莫循の腕の中…
その温もりと優しさにしっかと包まれた緑泉は喜びに胸を高鳴らせつつも徐々に落ち着きを取り戻して行く。
暫くして漸く人心地が着いた緑泉は莫循の胸を手でそっと押し退けると

「莫循…私が子どもの頃からあんたをずっと想って来たのは知ってるだろ?知らないとは言わせないよ!だから嬉しくて小躍りしそうだけど…。だけどそりゃないだろう!莫循!」

「えっ?」

「いくら私が年上だからってね…。女はね、幾つになっても好きな男からは嫁に来いって言われたいものなんだよ!まったく、本当に(女心が)解ってないね~、この唐変木が!!」

緑泉から拗ねた理由を聞かされた莫循は彼にしては珍しくクスクスと声を立てて暫くの間嬉しそうに笑っていたが…
軈て笑いが収まると居住まいを正し何時もの莫循らしい真摯な態度で再び緑泉に求婚の言葉を送った。

「石緑泉、どうか私の妻になって下さい」

緑泉は小さな声で「はい」と言って嬉しそうに頷くと莫循の広い胸の中に再び顔を埋めた。

その夜、幼馴染みの二人は生まれて初めて心を通わせその身をも重ね合った。
出逢いから二十年以上の長い長い歳月を経て結ばれた美しき一対。
そんな二人を天が祝福したのか…
夜明け前の西の空には数え切れないほどの流星が尾を煌めかせなから空を駆け抜けて行った。
二人の前途に幸多かれと…
末永く真幸きくあれと…。




朝まだき…
冬の太陽が遠慮がちにその頭を東の地平線からゆっくりともたげ始める。
寝台に横たわる新夫に後ろ髪を引かれつつも…
つい先ほどまで莫循の愛撫を受けていた豊満な肢体を厚手の衣で隠し亜麻色の髪を一つに纏め上げて身支度を整え終えた緑泉は頬を薔薇色に染めながら馬上の人となった。
一方、双肩にのし掛かる全ての重荷を漸く下ろせた莫循は美しい新妻の甘やかな残り香と温もりに抱かれながら幸福な夢の中で微睡んでいた。

『莫循…あんたは一人じゃない。これからは私がずっと側に居て…あんたの杖になるからね!遠慮なんてするんじゃないよ。私の大切な旦那さま、解ってるかい?』

そう言って満面の笑みを浮かべた緑泉はあの瑠璃色衣を着て燦々と輝く太陽の下に立っている。
莫循は花嫁衣装に身を包んでこの上なく幸せそうに輝いている緑泉の姿をやはり至福の微笑みを浮かべながら見詰め続けている。

どうかこれが夢ではないように…

そう願う莫循の寝顔は真理を悟った仏の如くに平らかだった。



**
「小月~、子どもたち~、今帰ったぞ!」

夕暮れ、沈み行く太陽が砂漠を紅色に染め上げる頃…数日仕事で家を空けていた一家の大黒柱・衛無忌が戻って来た。

「お帰りなさい、無忌」

「父上、お帰りなさい」

「お帰りなさい、父さま」

夕食の準備に忙しく働いていた莘月に続いて…居間で遊んでいた子どもたちがわらわらと玄関先にやって来る。

「ただ今、恋しかったか?」

そう言って先ずは愛しき妻をしっかとその胸に抱き止めた無忌。
子どもたちは黙って仲睦まじい両親の様子を見詰めている。

「ええ、無忌、恋しかったわ!」

「小月、ただ今」

そこへ末娘が危なっかしい足取りで無忌の足元にしがみついて来た。

「ち、ち、お帰、り…ち、ち」

抱っこをしてくれと言わんばかりに両手を広げて無忌を見上げている末娘。
子煩悩な無忌は妻・莘月似の末娘をこの上なく溺愛していて…上三人の息子たちとは扱い方が少し違っていた。
末娘を高々と抱き上げた無忌は愛しそうに頬擦りをしながら

「ただ今、雲歌」

「ち、ち、お帰り、さい」

「あらあら、父上は雲歌には本当に甘いのね!」

と自分と夫の無忌の仲睦まじさを棚に上げて父娘の睦まじい様子をからかう莘月。

「小月、焼きもちを妬いてるのか?」

「違うわよ!無忌~、帰って来るなり殴られたいの?」

握り締めた拳を夫に向ける莘月。
痴話喧嘩を永遠と続けそうな両親の様子に待ちくたびれた息子たちが

「父上、外が真っ暗になるまで蹴鞠をしましょう!」

「そうですよ、父さま。私たちの練習の成果を是非見て欲しいです!」

「父上、早く、早く~」

息子たちに囲まれ蹴鞠をとせがまれる人気者の父親は腕の中で甘える末娘を莘月に手渡すと毬を片手に外へ向かって走り出す。
無忌は後ろを振り返りながら大声で

「そうだ、小月、明日は家族皆で町まで行って見ないか?町にある大店の女将が祝言を上げたらしく…蹴鞠の大会やら何やらが開かれるとあって町はお祭り騒ぎなんだ!」

「ええ、無忌、解ったわ~」

「じゃあ、決まりだな!」

「楽しみだわ~!」

夕日に向かって走って行く大小四つの影を莘月は微笑みながら見送ると雲歌を背負って厨房へと戻って行く。
料理の続きをしながら時折聞こえる無忌と子どもたちの楽しそうな会話に笑い声…
いつの間にか背中ですやすやと眠る末娘の温もりを感じながら、莘月は家族一緒に居られる幸せをじっと噛み締める。
この幸せがずっとずっと永遠に続きますように…



続く




☆最後までお読み下さり、ありがとうございました♥
又々大風呂敷を拡げてしまいましたが…
最後までお付き合い下さると嬉しいです♪

☆九爺(莫循)の新しい女神・石緑泉はコーカサス系の血が交じった絶世の美女です。
彼女の祖父は九爺の祖父と共に『蒼狼』を立ち上げて…その後、商人になった人物として設定しました。
故に九爺と緑泉は幼い頃から互いを知っていて交流もあった訳です。
緑泉の方が4~5才年上で子どもの頃から年下ながらも気品があり優しい九爺をずっと慕っていました。
九爺も彼女の気持ちに気付いていましたが彼女には許嫁もおり、九爺は九爺で『石舫』を継ぐべき宿命を背負っていた為に良き友人としての関係をずっと保って来ました。
緑泉は二度結婚して子どもが一人います(この娘と無忌&莘月の息子との『小さな恋のメロディ』が書けると良いなぁ~ )が夫たちとは死別(男運が無い?)
そんなある日、西域での商談の帰り道、緑泉は砂漠で倒れていた九爺を見付け…
ここから二人の運命の歯車が廻り出します!
再会からの7年間…きっと色々な事があったと思います。
体の弱い九爺が熱を出せば緑泉が甲斐甲斐しく看病したり…
『石盤』の広大な敷地内で九爺は調子が良い時だけ診療所を開いたり…
緑泉に何度か自分の気持ちを伝えようとする九爺がいたり…
何も聞かずに自分の面倒を見てくれるいじらしい彼女を抱き締めようとして思い留まったりと…etc.
その辺りはこのSSをお読みになった皆さんの妄想にお任せしたいと思います♪

☆SS中…二人の会話の中で九爺の言葉遣いが時に敬語になっていたり、ぞんさいな言葉になっていたりと…
この辺りかなり悩みました(>_<)

☆女神の名前…石緑泉と『砂漠の薬泉』と言う通り名。
名字の『石』は文字通り『石舫』から。
『砂漠の薬泉』は『月牙泉』の別名からお借りしました。



第1話で衛無忌が莘月に案内を頼んだ『月牙泉』!
最初に砂漠で莘月に出会ったのは九爺でしたけど(笑)
湖内には七星草・鉄背漁が生息して、これを食べれば長く生きることが出来るとの言い伝えから、月牙泉は別名を『薬泉』とも言うのだそうです。
『風中の縁』のオープニングの一番最初の画像も実は『月牙泉』なんです🌙
全ての始まりは『月牙泉』から…

いつの日にか無忌や九爺…莘月の思い出を見付けに『月牙泉』を訪れたいですね~♪


管理人テヤン☀



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