スポンサーサイト
  •  --, -- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
帝王の娘 守百香 SS漲月(ちょうげつ)
皆さん、こんばんは♪
今夜は68年ぶりの大きな大きなスーパームーンが見られる筈でしたが…
残念ながら関東地方は天気が悪く☔
スーパームーン🌕は拝めませんでした(T_T)
次回、超大型スーパームーンが見られるのは18年後だそうです‼

お話変わって…
少し前にチャンネル銀河で『帝王の娘スベクヒャン』が放送してまして…
あまりに懐かしくて全話視聴してしまった私📺❇
(来月6日からBS11で放送が始まるので未視聴の方は是非ともご覧下さ~い)



スベクヒャン(守百香)とは…百済を守る伝説の花。この花が咲くと皆が幸せになれると言う。
その守百香と言う名を持つ帝王の娘・雪蘭(ソルラン)はピムン(情報機関)の一員として生き、姉に成り代わり公主として生きるのは異父妹ソルヒ。
このソルヒが色々と悪さをするんですよ~(x_x)
現王の息子チンムは宮殿の外に追いやられ、現王を憎んで育つ。先代王の息子ミョンノンは現王の息子として育てられ己が太子であることに疑問など持たずにいる。
この男女四人が本来己が居るべき場所に居られない切ないストーリーが胸を打つドラマです。
でも一番可哀想なのは武寧王(チンム父)だと私は思いますが…。

久しぶりに見たスベクヒャンと…
スーパームーンとでコラボして(笑)
お話を書いて見ました。
お時間ある方は是非お読みになって下さいね~



泗沘(サビ)…熊津(ウンジン)より南に位置し、新羅に滅ぼされる前までは泗沘城、扶蘇山城を中心に栄えていた百済最後の王都。
538年(聖王在位15年)百済は熊津から南方の泗沘へと遷都し、国号も南扶余とした。だが人々は未だにこの国を慣れ親しんだ百済と呼んでいる。

第25代百済王、偉大なる武寧王が崩御した後、太子明襛(ミョンノン)は王位を継承し聖王(ソンワン)となった。
泗沘への遷都と国号の変更を通じて強国百済の復興、国内の結束と領土回復を夢見た王は蓋鹵(ケロ)王時代に高句麗に奪取された土地、百済の長年の悲願とも言えた漢水(漢城)地方を551年その手中に治める事に成功したが、2年後の553年再びその大事な漢水を奪い取られてしまう。
長きに渡る垂簾政治から解放され親政を始めたばかりの隣国新羅の若き獅子王、領土拡大の野心に燃える後の真興大帝に百二十年あまり続いた羅済同盟を一方的に破棄された予想外の結果だった。
ここから時勢は次第に新羅へと傾いて行き…
王は同年10月新羅との関係修復を図る為に公主を通婚させた。婚姻とは名ばかりの態の良い人質であった。
公主を送り出した後、王妃雪蘭(ソルラン)は哀しみを表に出さぬよう気丈に振る舞ってはいたが、時間を見付けては仏堂に足を運び秘かに娘の無事を祈る日々を送っている。妻思いの聖王はそんな王妃の心情を察してか、公主の話題には敢えて触れようとはせずにいる。

時は止めどなく流れ…
木枯らしが吹く季節が訪れた。
昨晩遅くから枯れ草を薙ぎ倒し秋野に吹き荒れた嵐も嘘のようにぴたりと鎮まり、天空から零れ落ちそうに大きな満月が東の地平線上に浮かぶ穏やかな宵の口。
朱塗りの柱が建ち並ぶ荘厳な王宮殿の中庭に設えられた月見台に佇む二つの影。
海洋王国の象徴、船を象った黄金の冠を戴く現王・明襛と王が寵愛する唯一無二の女人王妃・雪蘭が仲睦まじく身を寄せ合いゆったりと月を眺めていた。



「陛下…」
「何だ?夫人…」
「今宵の月の何と大きなこと!」
「ああ、本当に大きいな、そして見事なまでに美しい。だがそなたのことだ、この大きな月を見て月見団子でも思い出しておるのだろう?」
「まぁ、陛下…いつまで私のことを子ども扱いされるのです」
「違うのか?そなたは今も昔も余の雪蘭であって、他の何者でもない…そなたの考えることくらい理解しているつもりなのだが…」
「陛下…」
「夫人…いや、雪蘭、違ったのか?」
「いいえ、相違御座いません。先程から真ん丸な月が大きな団子に思えて困っております」
雪蘭はそう言うとにっこり微笑んでからそっと明襛の頬に頬を寄せて頬擦りして見せた。堪らず明襛は雪蘭の真っ白な手を握ると己の胸の中に引き寄せ
「雪蘭、共白髪になっても、ずっとこうしてそなたと二人月を眺めていたい」
「ええ、陛下、ずっと御一緒です」
「そなたは未来永劫余だけの女人なのだから。余の側に居てくれねば困る」
王の紡ぐ愛の言葉を聞き、喜びのあまり口許に締まりがなくなる雪蘭。
時を経ても全く変わらぬ純粋な雪蘭の様子を愛しげにじっと見詰める明襛。
「そ、そんなに見詰められたら恥ずかしいです、陛下」
「今さら、どの口が言うのだ?」
「ふふっ、私の口がそう申しております」
「これ、雪蘭!そなたは余が真剣に申しておるのに、いつもそうして茶化してばかりおる!」
眉間に皺を寄せつつも眸をきらきらと輝かせておどけて見せる明襛の胸の中からさっと離れると雪蘭は卓上にあった大きめの土瓶と盃を手に取って
「さ、さ、陛下、お小言は其処までにして。私久しぶりに甘酒を作りました。お飲みになりますか?」
「ああ、頂こう。そなたの作る御母堂直伝の甘酒は絶品だからな」
盃に甘酒を勢いよく注ぐ雪蘭。
「さあ、召し上がれ」
「ありがとう、夫人」
手にした盃をくいっと一気に飲み干す明襛。
「はぁ~、実に美味い!美味いぞ、雪蘭」
「ああ、良かった。久しぶりに作ったので少し心配だったのです」
「余に味見をさせたのか?」
「はい、陛下」
「まったく、そなたと言う女子(おなご)は」
「では私も遠慮なく…」
とくとくとくと盃一杯に甘酒を満たすと雪蘭は明襛と同じように一気に盃を飲み干してプハッと息を吐き出した。王妃らしからぬ粗野な仕草を再び明襛に嗜められると雪蘭はペロリと舌を出して自分なりに反省の意を現した。
「これ、またそなたは!」
ついぞ堪えきれずに明襛は大声を出して笑ってしまっている。
「へ、陛下…そんなに笑わなくても…」
「あは、はははははっ、全くそなたといると笑わずにはおれぬな。先王陛下も同様にそなたの話はとても面白いと仰っていたのを思い出したぞ」
「先王陛下…父上がですか?」
「ああ、そうだ」



「ああ、恥ずかしい…」
雪蘭は口に手を充てて下を向いた。
「今更恥ずかしがってどうする?先王陛下も今頃彼方で笑われて居られるに相違ない」
「あら、まああ、陛下の意地悪も相変わらずですね!」
「悪いか!」
「いいえ、時を経てもちっとも変わらぬ陛下を私は思慕しております」
「雪蘭、余もそなたを思慕しておる」
「陛下…」
「雪蘭…」
五十路を越したとは思えぬ力強い明襛の抱擁に雪蘭はその身を委ねると、遥かな昔の出来事に思いを馳せた。

三十年の昔、百済を守る伝説の守百香が花開き、全てが平穏に包まれたあの日、私はキムンの地で陛下に再会した。
三度出逢い三度も別れねばならなかった私たちのただならぬ縁を守百香が導き結んでくれたことを私は決して忘れはしない。
あの時陛下は私をじっと見詰めて、恐ろしいほど真剣な顔でこう言われた。
『余と歩むのは怖いだろう。恐ろしい筈だ。だが、雪蘭…余はお前なしで生きるすべを知らぬ。余と共に参ろう』
嬉しかった、天に昇るほどに嬉しかった。
陛下に二度と会えぬと思っていたから。
だから陛下と歩む未来がどれだけ険しかろうとちっとも怖くなどなかった。
陛下と共に生き、共に死ねるのなら、この世に怖いものなど何もない。
愛する男人(をひと)と共に在るのなら。
ですから陛下、何があろうと私より先に死んではなりませぬ。
私は陛下の妻であると同時に百済を影で守護するピムンの一員でもあるのです。
この身も心も全ては陛下と百済の為に存在するのです。
父母上から授かった私の本当の名『守百香』
その名に恥じぬようにこれからも生きて行きたい。
愛する貴方と愛する子らと共に。

雪蘭は明襛の広い背中に腕を回して敬愛して止まない男人をぎゅっと抱き締め返した。
それから甘えるような声音で「陛下…」と言って明襛の薄茶色の眸を覗き込む雪蘭。
それに答えるように満面の笑みを湛えると明襛の唇が雪蘭の唇にそっと重なった。
蜻蛉の薄羽を壊さぬような優しい口付けを何度も繰り返す明襛。
それは次第に熱を帯びた激しいものへと変わり、仕舞いには互いの舌と舌を絡めて愛を確め合う二人。
鈍い水音が静寂の中で微かに響く。
だが睦合うのに忙しい二人の耳にはそれは全く届いていない。
互いの身体をとくとくと巡る熱き血潮の音だけを聞き…
互いの温もりが互いの体を温めては癒しとなり…
二人の身も心も一つに溶かして行く。
長い年月を愛しき者と共に歩めた幸福を…
今この瞬間も変わらぬその温かな想いが…
眼前に浮かぶ漲月のように心の中に満ち満ちて行くのを感じながら、明襛と雪蘭は月下で愛を語り合う。

数々の未曾有の危機を力を合わせて乗り越えて来た二人に更なる試練が待ち受ける。
三国史上最も熾烈極まりないと言われた菅山城の戦いの火蓋がもうすぐ切って落とされようとしている。
己の運命を知る者が過ぎ行く時を惜しむかのように…
二人はまんじりともせず月を眺め続けた。



続く。




☆1ミョンノン太子(聖王)の漢字名は明襛。
又、聖王は聖明王とも記載される場合があります。

☆1 男人は『をひと』と読み、現在は『おっと(夫)』に変化した言葉です。女人(にょにん)と言う雅な言葉があるのに、その反対はないのかなぁ?と調べていて見付けた言葉です。

☆2 菅山城の戦い…『帝王の娘スベクヒャン』の最初の段階ではきっとここまで描く予定だったのではないかと思います。
何故なら聖王が亡くなるのがこの戦いだからです。実際に戦場で百済軍を指揮したのは太子昌(ヨ・チャン)で…
聖王は別動隊50人を率いてその戦場に駆けつけるのですが…。
ドラマ帝王の娘守百香はハッピーエンドでした。
でも私は雪蘭を救いに明襛が50騎だけで彼女のいる宮殿に突っ込ん行くシーンが見たかったぁ~と今も思っています。
サットエンドを見るのは辛いけれど忘れ難くもあるので(^^ゞ

☆3 漲月(ちょうげつ)…スーパームーンをイメージしました🌕



最後までお付き合い下さり、ありがとうございました(^∇^)


スポンサーサイト

Comment - 0

What's new?

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。