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風の歌声

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SS花人(はなびと) その壱

皆さん、こんばんは♪
新年明けてから文章が書けなくて…かなり長い間blogを放置してました🙇💦💦
うーん、何でしょう?
これをスランプと言うのでしょうね~(~_~)

ドラマは相変わらす韓・中どちらも観てまして…
現在視聴中のドラマは…『善徳女王』『秀麗伝』『成均館スキャンダル』『精霊の守り人』etc.
今一番のお気に入りはKNTVで日本語字幕版の放送が終了したばかりの『雲が描いた月明かり』です♪
パク・ボゴム君が演じるキュートなツンデレ皇太子・李韺(イ・ヨン)にがっしり心を持って行かれました~(笑)



ボゴム君の魅力…それは『癒し』『治癒力』
彼を見てると不思議なことに乾いた心があっという間に潤うんですよね~♥
幸せな気分にさせてくれる人🍀
ボゴム君の真摯で温かな人柄がドラマの役を演じながらも駄々漏れしてるんです。
どんな時でも『感謝』の気持ちを忘れず、笑顔でいられる強さを持ってる人。
まだ若いのに凄いなぁ⤴⤴って思います。
キム・ユジョンちゃんとのケミもgoo♪
セカンドの金胤聖(キム・ユンソン)役のジニョン君とヨンの護衛武士・金兵沿(キム・ビョンヨン)を演じるドンヨン君も其々に素敵なのよね~♥

そんな訳で他の連載物も終わってないのに…また書いてしまいました(^^ゞ
『雲が描いた月明かり』
ドラマ終了時(ヨンが王位に就いて)から更に2、3年が経過してる設定です♪






本来朝鮮王が住まう正宮は景福宮(キョンボックン)であったが、かの悪鬼豊臣秀吉の文禄・慶長(1592~1598年)の二度に渡る本土侵攻によって全焼してしまった。
約270年後、1865年に高宗の父・興宣大院君(フンソンデウォングン)が再建に着手し、3年後の1868年には創建当時の規模に復元された。
その間、王たちは離宮として創建され、地形に沿って建物が配置された非定型的な造形美が際立つ昌徳宮(チャンドックン)を正宮とした。
昌徳宮には元々の自然を残した秘苑(ピエン)と呼ばれる裏庭があり、中でも鬱蒼と繁る木々に囲まれた芙蓉池から臨む景観は真夏の蓮の花の盛りには極楽浄土と見まごうばかりに美しかった。
だが、啓蟄を目前にした今は池を飾るものは何一つない。
冬枯れした湖面をぼんやりと眺めながら考え事をしていたイ・ヨン(李韺)は湖面を渡って吹き付ける冷たい北風に思わず首を竦めた。

「寒いな。約束の日は明日だと言うのに…。春はまだ名のみと言うことか…」

龍袍に身を包んだ若き君主は少し残念そうに呟くと早足で宣政殿へ向かって歩き出す。

月が変われば隣国清から皇帝の代理の使者がやって来る。
今年も数多くの無理難題を突き付けられるだろう。
その要求を少しでも減らすべく先ず私自身が民たちに敬われる王で在り、朝鮮と言う国が一枚岩の結束を誇る国で在ることを示す必要がある。
太平館での接待は勿論のこと、宮中での儀式や宴の全てを完璧に遂行し、使者たちに一分の隙も見せぬことも肝要だ。
そして明日ここを抜け出す為には大臣たちと今日中に話を煮詰めねばならぬな…。

ヨンは形の良い唇をきゅっと噛み締めるとぴたりと立ち止まった。
『王さまの御成り~』
尚膳となったフンナムの声が宣政殿に響くと同時に扉が開かれた。
左右に居並ぶ大臣たちの間をヨンは余裕の笑みを湛えながら王座へ向かってゆっくりと進んで行く。


***
謀叛人の娘と言う大罪を王室の安全と名誉回復に寄与した功績によって先代王に赦されたホン・ラオン(洪羅温)は数年前、漢城の雲従街の一画に書坊を構えた。
そして1年も経たない内に店は町一番の人気店に成長した。
と言うのも文才豊かなラオンが描いた空想恋愛小説が都の人びとの、特に若い女性たちの心を鷲掴みにしたからだ。
目の前で自分の書いた本が飛ぶように売れる様を見るにつけラオンは何時の頃からか某かの書いた本を売るだけでなく、自身で本を書いて売ることを生業とする真の作家として歩みだした。
どうすれば本が売れるのか…内容なのか表紙なのか…
ネタを考え、構想を練る時間が作家であるラオンにとって最も過酷で最も充実した時となった。
故に国王とし多忙を極めるヨンの誘いを断ることも屡々で…
ラオンのつれない様子にヨンは糞宮と呼ばれていた皇太子時代と同じようにその心とは裏腹な嫌味をラオンに向かって吐き出しては己の鬱憤を晴らしているようだった。
今も影からひっそりとヨンとラオンを見守っているビョンヨンの目にもヨンが悪態を吐く姿は時折くすりっと笑いが漏れるほど滑稽に写って見えたが…
当の本人にして見れば柵の多い国王自身がわざわざ空き時間を見付けて、いや実のところ無理に無理を重ねて出向いて来ているのだから文句の一つや二つ言いたくなるのは当然だった。
平凡な娘なら恐れ多くて感謝感激する事間違いないのだろうが、幾度も死線をくぐり抜けて来た元皇太子付きの内官ホン・サンノムことホン・ラオンと言う小柄で可憐な娘は一筋縄では行かなかった。
毎回毎回新たな言い訳を使ってはヨンを悩ませるのだ。
そんないけずなラオンも明日だけは仕事の予定も入れずに出掛ける支度に余念がない。
何処と無くそわそわと落ち着かないラオンに番頭となった貸し本屋の元主人が

「何か心配事でもお有りですかい?」
「えっ」
「何事にも動じない貴女が今日は朝から上の空なんで…私もその落ち着かなくて…」

ラオンはにっこりと微笑むと

「ごめんなさい、おじさん、心配させてしまって…。毎年この季節になると昔の事を良く思い出すんです」
「それは王さまが皇太子さまだった時の事ですかい?」
「ええ、はい」
「へぇ…じゃあ、王さまとの思い出なんですかい?」
「いいえ、違います。王さまとの思い出は王さまと共有できますが…その方はもう…」

そこまで言って言葉に詰まったラオンに番頭が助け船をだした。

「その御方は亡くなったんですかい?」
「はい、ええ…」

そう答えたラオンの大きな眸は涙で潤んでいる。
そこへ折悪く数人の客がどやどやと店へと入って来たが為に会話はそれきり途絶えてしまった。
再び店の内も外も何時もの喧騒に包まれるとその日も店が閉まる時間まで客足が途絶えることはなかった。


***
翌日は朝から晴れ渡り、雲も風もない穏やかな行楽日和となった。
昨晩遅くまで大臣たちと協議を続けていたヨンは睡眠不足にもかかわらず東の窓から燦々と差し込む陽光に気分は上々で、身支度を整え朝餉を済ませるとフンナムに急ぎの上奏書が届いていないことを確認させ、辰の刻には市勢を見に宮殿を後にした。
それから数刻、ヨンは長い脚を屈指し足早で路地裏まで見て廻ったが特に目に付く所も人も見当たらない、ならば昼餉はあの口の悪い元水刺間の尚宮が営むクッパ屋で取ろうかと、左右に並ぶ露店をぶらぶらと眺めながら店のある方角に足を進めた。
一方のラオンも昼前には店を上がり、軽めの昼を取った後、今日の為にとヨンが送って寄越した桜色に薄紫の差し色の入った蝶の羽のように鮮やかなチマチョゴリに着替えると螺鈿の化粧箱の蓋を開いてその前に陣取った。
鏡に映る自分の顔をじっと覗き込んでは粉白粉をぽんぽんと白い素肌に均等に置いていく、慎重に眉墨を引き、最後に紅を差すと残すは髪を結い上げるだけだ。

支度を済ませたラオンは店先で本の整理をしながらヨンの到着を今か今かと心待ちしていた。

「ラオナぁ」

聞き慣れた優しい声音で名を呼ばれ…
振り替えるとそこには眩しいほどの微笑みを湛えたヨンが立っていた。

「殿下…」
「待たせたか?」

首を横に振る素振りを見せながら、迷わずヨンの胸に舞うように飛び込むラオン。
不思議そうな表情をしながらも嬉しそうにラオンを抱き締めるヨン。
何時もは会うなり時が惜しいからと矢継ぎ早に話を切り出すヨンであったが今日は何故か言葉を一言も発する気配もない。
そんなヨンの様子を伺うようにラオンは上目使いにヨンを見上げると当然ながらヨンと目が合った。
ラオンもラオンでヨンが困惑した面もちで自分を見下ろしているのが解ると二人ほぼ同時に

「どうかしたのか?ラオナ」
「どうされたのですか?殿下」

そう互いが互いに問い掛けていた。
結局話を切り出したのはやはりヨンの方で

「意外だったのだ?」
「えっ?」
「そなたが嬉しそうに私の腕の中に飛び込んで来たから…」
「…」
「昔に戻ったようで…嬉しかったのだ」
「殿下…」
「そなたは物語を書くようになって私に存外冷たくなったからな!」
「あっ、えっ、そんな…(だから不思議そうな顔を)」
「違うとは言わせない、この代償は高くつくから覚えておくように」

そう言ってヨンは鼻先をずいっとラオンの顔に近付けた。

「え、ちょっ…で、殿下…」

困惑するラオン。
悪戯っぽく微笑むヨン。

「そなたは私のこの抜群の容姿を幾度となく本の表紙として使い、私に断りもなく私生活を題材に物語に書き。挙げ句には物語を書く為に時間がないと言っては私の誘いを堂々と断ってよこす。これではそなただけが美味しい汁を吸うばかりで私は損ばかりしているではないか…」

嫌味を並べ立て始めたヨンをラオンは口角をきゅっと上げて嬉しそうに聞いている。

「これ、ラオナ、少しは反省しているのか?」
「はい、いえ、殿下…。私はそうして腹を立てていらっしゃる殿下も、先程のように私を黙って抱き締めて下さる殿下も…どんな殿下もお慕いしております」
「う、そなたと言う奴は…」
「狡いとお思いですか?」
「ん、そう思うが…」

ヨンは両腕を左右に開いて天を仰いだ。

「ああっ、これが惚れた弱味と言うものか。今日も私の負けだ。そう言われたら何も言い返せない」
「殿下…」

ラオンは再び満面の笑顔でヨンの胸に飛び込むとそっと目を瞑った。

本当はずっとずっとこうしていたい。けれど殿下を私一人のものには出来ない。殿下はこの朝鮮に住む民草全ての希望だから。時折、お会い出来るだけで私は十分幸せです。



続く。



☆最後までお読み下さり、ありがとうございました😉
1話完結と思ったのですが…もう少しだけお話は続く予定です。

☆お題の『花人』は花見をする人の意🌸

☆景福宮が戦禍で焼かれたことは知っていましたが再建されたのがそんなに後とは知らず、昌徳宮が王の居所として約270年間も使われていた事を今回初めて知りました(^^ゞ
余談ですが…数年前慶州の石窟庵を訪れた際、ガイドさんから秀吉が石窟庵を囲っている建物を破壊したと説明を受けました。同じ日本人として貴重な歴史建造物(当時の政権と全く関係ない物)を壊した秀吉を恥ずかしく思ったのを覚えています。

☆『花郎』日本語字幕放送が3月から始まりますね♪
『善徳女王』ファンとしては是非とも視聴したいドラマです。



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Category - 李韺『雲が描いた月明かり』

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